※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
GW最終日は鳩待峠からの至仏山。かつて山ノ鼻をベースに山頂まで往復したことがあるが(その時は平ヶ岳がメインだった)、鳩待峠から直接尾根沿いに登るのは今回が初めてである。
普通ツアーの最終日ともなるとバテていることが多いのだが、今回は体力的には十分余裕がある。というのも昨日は結局どこも滑らなかったのだ。もともと越後駒ヶ岳に登るつもりでいたのだが、銀山平まで出向いた末になんとなく気がのらずに中止。ならば暇つぶしに奥只見丸山スキー場にでも行こうと思うも、混雑していてこちらも取りやめ。結局どこも滑ることなく、そのまま上州沼田まで舞い戻ってきたのであった。
鳩待峠から山頂までの標高差は600mに過ぎず、残雪期のツアーとしては少々物足りない。ムジナ沢とワル沢の2本滑ればそこそこ滑り応えのあるものになるのだろうが、本日は連休最終日、関越道の渋滞が始まる前にさっさと東京に戻りたいということで、今回はワル沢だけ滑っておしまいにする。
朝5時前に沼田の道の駅を出発、早々に鳩待峠にたどり着く。さすがにこの時間だと鳩待峠の駐車場も余裕がある。1日2500円と駐車料金は高いが、迷惑を顧みず狭い道路に路駐するのもなんなので、普通に駐車場に車を止めることにする。
朝6時過ぎ、鳩待峠を出発。さすがにこの時間は登山者も少ない。
鳩待峠からは、弧を描いて山頂へ延びるなだらかな尾根を登る。距離的には遠回りだが、シール歩きに適した傾斜が終始続き、快適に登ることができる。
しばらく歩き、ふと右手にハーフパイプような小沢があるのに気づく(P2)。急ぐことはあるまいとここでちょっと遊んで行くことにするが、さすがに人の手を加えていない天然のコースではトリックなど決められるわけもなく、時間の無駄になっただけであった。
悪沢岳手前の平原まで登ると一気に視界が開け、本日滑るコースやその向こうの尾瀬ヶ原・燧ヶ岳まで見渡せるようになる。ここから先は稜線から外れ、悪沢岳・小至仏の東斜面をトラバース気味に登る。
08:35 至仏山頂に到着。実際には三角点より少々手前なのだが、この先は這松に覆われていてシール登行は無理。今日は山頂向こう側のムジナ沢を滑るわけではないので、わざわざ板を担いで這松の中を歩くまでもなかろうと、この広場を終着点とする。
09:05 滑降開始。ワル沢上部はゲレンデのような巨大な一枚バーンで、せっかくなので一昨日燧ヶ岳で見た高速テレマーカーを意識してスピードを出して滑ってみる。この軽いフニャフニャ板では大ブレして怖いのだが、雪は悪くないのでそこそこのスピードが出せる。
しかし――
目の前に突如シュルンドを発見。気づくのが遅れ、そのまま割れ目に突っ込む。それほど深いわけではないが、それでも上側からだと3mほど落差はある。おまけに地表は大きな岩が露出しており、これは足1本やられるかもしれないと覚悟する。実は昨年も雪の割れ目にずり落ち、今回より浅くはるかにマシな状況だったのにもかかわらず、板を片方折ってしまっているのだ。
が、さいわい板がショックを吸収してくれ、軽いスリ傷程度で済む。板も無事。遅れてやってきたピエール君、私を見失って(すぐ横で)キョロキョロしていたが、やがて穴の中の私に気づいてこれ以上ない会心の笑みを浮かべる。
それにしても2年続けてこれではしゃれにならない。本当は全然板のせいではないのだが、来年はある程度のスピードに耐えられる今どきの板を買おうと心に決める。
その後も無木立の大バーンの滑降が続くが、単調で正直あまり面白くない。ムジナ沢も似たような無木立のバーンながら、眼下に広がる尾根ヶ原の風景のおかげか、それほどの単調さは感じなかった。それに比べるとこちらは景色もつまらなく、鳩待峠まで戻るのが楽だという理由以外はあまり勧められないようだ。
やがて樹林帯に入り、ちょっと滑ると沢もだいぶ狭まる。これまでのように自由自在に滑るわけにはいかなくなるのだが、実はかえってこれが楽しかったりする。ピエールも同じ意見で、ここからはある意味春スキーらしい変化ある地形を楽しく滑ることができた。
下部でワル沢から離れ、より鳩待峠に近いオヤマ沢に出る。ここまで下ると雪の中から水流も表れ、あちこちで水芭蕉を拝めるようになる。やがて谷底に出て、滑降はここで終了。鳩待峠へは標高差100mほど、たかだか15分程度の登りである。
(2003/5/5)
R120号沿いにある、非常に目立つ田舎料理屋「水芭蕉」に併設する温泉。
パッと見はあくまで食事がメイン、風呂はおまけ的な印象があり、これまで食事(当然ソバ)をすることがあっても、なんとなく風呂は敬遠していた。
が、まともで清潔感あふれる風呂でした。時間が時間だったせいか、我々が一番風呂。もちろん他に客はなし。
多少高めだし顕著な特徴はないが、空いていたので○。