2006/04/23 会津駒ヶ岳

目的地
会津駒ヶ岳
地域
会津/会越
日時
2006/04/23
コース
滝沢橋~会津駒ヶ岳往復
メンバー
ダマ, 徳内
装備
Elan:Stinger/BlackDiamond:Chili Cable→G3:TARGA T/9, Scarpa:T2('05)
天気
曇り

コースデータ

コースタイム
滝沢橋[8:15]↑[9:01]登山道の階段↑[10:22]共同アンテナ↑[13:13]山頂[13:34]↓[12:05]駒ノ小屋↓[14:53]滝沢橋
山行時間
06:38
実移動時間
05:21
最高高度
2127m
最低高度
931m
累積標高差(登り)
1302m
累積標高差(下り)
1302m
移動距離
10.67km
平均速度※1
1.99km/h

※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度

グラフ

記事

会津駒ヶ岳を滑るということ、それは我々にとっては文化である。スポーツやアウトドアといった特定のジャンルではない。初春の檜枝岐村の情景、温泉、蕎麦……そういったものをすべて引っくるめて会津駒の山スキーなのである。したがって温泉施設が割高であろうが、名産のはずの蕎麦が不味かろうが、そんなことは関係ない。それが義務であるかのように、風呂に入り蕎麦を食う。そういう理不尽さも含めて、長年にわたって培ってきているのである。
そんな会津駒ヶ岳に、今年から本格的に我々のチームに加わったダマ君を連れて行くのは当然のこと。今シーズンの総仕上げであるとともに、いわば文化の共有である。

今年はさすがに残雪が多い。林道脇の路肩の除雪も十分ではなく、車も2~3台しか駐められない。さいわい、というよりなぜか先行の車が1台しかなく、残りのスペースに車を駐める。たいていこの時期はすぐにいっぱいになり、ちょっと下にある駐車場にすら駐められないこともあるのに……。
ちなみにここのトイレはこの時期は使えないものと思っていたが、今年はちゃんと使えるようになっていた。

08:17 943m<br />
08:17 943m
10:09 1344m<br />
10:09 1344m
10:46 1454m<br />
10:46 1454m
11:53 1821m<br />
11:53 1821m

8:15 出発。いつもの如く林道をショートカットする。このルートは積雪時のみ有効で、4月後半ともなると雪融けで使えないことが多い。今年はまだまだ大丈夫だ。
やがて林道に合流。最近はここから板を担いで階段のある登山道を登ることが多いのだが、今年は正面の大斜面にも雪は十分ついていて、そちらをシール登行することにする。
しかしちょっと登ってみて……やっぱ止めた。急傾斜だし今日の雪はシールが滑りやすい。ダマにはちょっとつらいだろう。結局いつものように登山道から登ることにする。
最初しばらくは木の密集する急斜面をつづら折りに登る。いかにも登山道といったふうだが、20分ほど登ると傾斜も落ち、すっきりとした尾根になる。ここからは再びシール登行。
ところがやはりダマにはこの雪質・傾斜でのシール登行は厳しかったようだ。試しにダマと板を交換してみたが、別に問題なく登れる。シールのせいではないようだ。ならば後は慣れるのみ。当初はツボ足で登らせようとも思ったのだが、これも訓練と、時間のかかるのを承知でそのままシール登行させる。
結局登山道の階段から共同アンテナ下の広場まで1時間半近くかかった。一昨年は30分ちょいで登っているので、板を交換したりいろいろ時間を使ったとはいえ、かなり苦労したことがわかる。

12:41 1970m<br />
12:41 1970m
13:00 2040m<br />
13:00 2040m

共同アンテナ下の広場からはある程度傾斜は落ち着くが、それでもところどころ急斜面が現れる。そのたびにダマは一苦労。せっかく登ってもスリップし、滑り落ちていくこともある。本当はそうなったらさっさとツボ足に切り替えるのが正解なのだが、これもまた一興。
中腹まで登ると適度な傾斜が続くようになり、ダマも普通にシールで直登できるようになる。こうなるとダマの独壇場。今までの苦労もなんのその、どんどんペースを上げていく。
それにしても今日もまた新雪である。それほど深くはないのだが、もはや相当重くなっており、シール登行もやたら疲れる。途中で滑り降りてくるスキーヤーとすれ違ったが、彼も全然滑らないよと愚痴だらけ。確かにこの雪ではそうだろう。この時期の新雪なんてありがたくないことが多い。今日こそザラメ雪が滑れるかと期待していたのだが、全然である。
標高1970m、森林限界線を越えたところで食事休憩。通常は途中で座って休むことなどないのだが、今日はえらい疲れた。もう限界、エネルギー補給しましょう。

13:14 2127m<br />
13:14 2127m
13:23 2127m<br />
13:23 2127m

30分ほどゆっくりし休憩し、出発。山頂はまだ遠くに見えるが、高度差はあと150mしかない。駒ノ小屋のピークはトラバースし、さほど苦労することなく30分ほどで頂上に着いた。
頂上でゆっくり休憩していると、へりが1機やってきて、高度をギリギリまで下げて尾根や沢をなぞっている。8日の遭難者の探索だろう。登山口に情報提供の張り紙があったし、スキーがてら捜索に来ている人にも途中ですれ違った。すでに2週間経っているが、関係者の苦労は推して知るべしである。
※結局5/4に山頂から北4kmの地点で発見されたようだ。仙ノ倉や白馬のような大量遭難ならともかく、同じ日に発生した平標やこの会津駒のような単身の行方不明の場合、第2報が報じられることはほとんどなく、世間一般からは忘れ去られていく。

13:32 2125m<br />
13:32 2125m
13:42 2012m<br />
13:42 2012m
13:59 1739m<br />
13:59 1739m
14:08 1630m<br />
14:08 1630m

13:30 滑降開始。ダマを先に滑らせると――お、なかなかキレイなテレマークターンを決めているではないか。確かにこの辺りは新雪が飛ばされたのかザラメ雪になっており、とても滑りやすい。しかしそれを差し引いても、これまで見れなかったスムーズな滑りである。
尾根に戻ってからは重い新雪の滑りになるのだが、それからもダマはそこそこのテレマークターンを決める。決して滑りやすい雪ではないのだが、これはダマ、開眼したか?
当初は下りにかなりの時間がかかるのではないかと懸念していたのだが、開眼したダマのおかげで、予想をはるかに超えるペースで滑り降りていく。

14:15 共同アンテナ下の広場着。ここからは登りに使った登山道のある尾根ではなく、そのまま真っすぐ南東の尾根を滑る。例年であればここから先は雪がかなり融け、滑るのに難しいところだ。今年は雪がまだ多いとはいえ、樹間は狭く、滑りにくい斜面であることには変わりない。さすがのダマも連続ターンはできなくなる。

14:39 1159m<br />
14:39 1159m
14:46 970m<br />
14:46 970m

その先、尾根から左の窪地に降りるところが核心であるが、今年のように雪が多いとそう難しいことはない。
窪地の急斜面を滑り降りると林道に合流。一昨年の同時期に滑った時はここから先のショートカットコースは雪がなく、林道上を大回りして滑ったのであるが(決して残雪の少ない年ではない。むしろここまですら滑れない年も多い)、今年はそのまま登りに使ったショートカットコースを滑ることができる。そのまま沢に出て、河原~林道をジェットコースター状に滑って終了である。