※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
ピエールが板を買ったという。突然何を思い立ったのか知らないが、極太テレ板&T2というバリバリのテレマークセットだ。テレマークは6年ほど前に当時の細長板で2~3回試していたようだが、そううまく滑れるわけでもない。そういう状態でいきなりハードなところに連れて行くのもなんだろう。
――などとは書いてみたが、実際はそこまで思いやってあげるはずもなく、ピエールが滑れようが滑れまいが、当初からこの連休は妙高の前山と三田原山の2本セットに決めていた。とはいえ2本とも初心者でもさほど問題ないはずのコース。おまけに前山ならば工程も短いので、午前中ゲレンデで練習し、多少慣れてから山に向かうこともできる。たまたまではあったが、テレマーク復活の舞台としてはちょうど良さそうだ。
初日は前山。当初午前券を買って午前中はゲレンデで練習、午後から山に入ろうと考えていたのだが、たとえ往復3時間のコースとはいえ山には早めに入っておきたい。リフト売り場を見ると前山エリア1日券というのがあり、全山共通午前券と値段はさして変わらない(前山エリア午前券というのはない)。ならば始めちょっと練習してから入山し、降りてからまたゲレンデで練習しましょう、ということでエリア1日券を買う。
しばらくゲレンデでピエールの滑りを見ていたが……問題ないでしょうということでさっそくゲレンデトップへ。
11:25 前山第3リフト上からスタート。最初からブナの疎林帯で、登っていて気持ちいい。人気コースだけあってトレースもバッチリ。この斜面は滑り降りるもの楽しそうだ(事実往復するボーダーも多かった)。
20分ほどで急斜面になる(P3)。ここからは前山直下の稜線に出るまで急斜面が続き、なかなかシンドイ。といってシールがよく効く雪で、ジグを切ればシールで問題なく登れる。ただ初心者はちょっと怖いかな?
登り初めから50分で稜線、細いが斜度は緩くなり、やっと息がつける(P5)。ここから前山山頂はすぐそこだ。
12:30着。遅い時間だが、お手軽コースだけあって山頂には10人ほどいる。
滑るコースはそこそこ斜度のある狭い尾根で、いきなりこれではピエールには辛いかもしれない。まあ知ってて連れてきたのだが。
本当は他のパーティーがいなくなってからゆっくり滑りたいのだが、我々は頂上でゆっくりする習慣がなく(たとえ暖かい日でも行動食をとったあとは手持ちぶさたになるのだ)、結局はいつもの如く衆人環視の元で滑ることになる。プレッシャーに弱いと自称するピエール君、まあ落ちないようにがんばってもらおう。
狭く無木立の斜面はもうボロボロ。風が当たるせいか気温の割に雪は固めで、荒れたスキー場のようで滑っててあまり面白くない。ピエールはアルペンターンで無難に滑ってる。
この狭い尾根は意外に長く続く。
標高1750mあたりでやっと斜面は広がり、ブナの快適な疎林帯を自由に滑れるようになる。雪は腐り気味で多少滑りにくいが、良い斜面なのでなかなか楽しい。
途中尾根がいろいろ分岐するためGPSを見ながら少しずつ滑るが、広い尾根のど真ん中を滑ってるせいか正直どこが尾根の分岐かわからない。ともかくGPSに設定したルート通り進む。
標高1050mでこの快適な尾根は終了。あとはゲレンデに戻るため沢の左岸へ渡る必要がある。目印はP14の小ピークで(写真では右に切れている)、その間を目指して沢への急斜面を滑り降りる。あとはゲレンデまで高度を落とさぬようトラバースしていく。途中、板をはずした方が楽だが、すぐにゲレンデに向かって緩やかな下りになるので、ザックに付けるほどのことはない。沢からは10分ほどでゲレンデに合流することができる。
下山後も、ピエールをして「ここまで腿がパンパンになったのは初めて」と言わしめるくらいゲレンデをひたすら滑りまくる。まだ滑ると言ってるのは本人なんだけどネ。営業時間いっぱいスキー場にいたのは10年ぶりくらいで、さすがに疲れた。
(2005/3/20)
車中泊を含めいろいろ検討した結果、珍しくも数年ぶりに飯付きの宿に泊まることになった。
赤倉と言いつつも温泉街からはちょっと外れ、風呂も天然温泉ではない。が、下手な温泉よりも広く快適で、もちろん24時間。駐車場も広いし、ゴミゴミした温泉街よりもかえって良かったかも。
まさに観光客向けの「ニューホテル」といった感じで際だった特徴はないが、十分満足。3連休でも空いてたし、次回もここだな。