※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
昨シーズン吹浦口から千蛇谷上部を滑って以来、いつかは千蛇谷(鳥越川)を中島台まで滑りたいと思っていたが、今年再び鳥海山まで来ることになり、さっそくそのチャンスが訪れる。
しかしこのコース、元々スキー適期はもう少し早く、GW頃には中島台辺りの雪は消えている。雪解けの早い今年はさらに上部で雪が切れることになりそうだ。
それを承知でいったんは中島台に向かったが、いざ着いてみるとやはり面倒になり、結局猿倉口へ転進。昨年も似たようなパターンで矢島口へ転進したのだが、いつも矢島口というのも面白くない、せめて違うコースを滑ろうという訳だ。
この猿倉口、矢島口のすぐ隣なので斜面の感じは矢島口コースと変わり映えはしないのだろうが、メジャーな矢島口に比べ静かな山行を味わえるし、まっすぐ真下に滑っていけるというメリットがある(矢島口の場合ちょっとトラバース気味に滑る箇所がある)。
矢島口より標高差で180mほど行程は増すが、もともと短めのコースなので、この程度ならむしろ歓迎だ。
矢島口・猿倉口までは鳥海グリーンラインからU字型に山道が延びており、矢島口は西側の善神沼経由、猿倉口は東側の鳥海フォレスタ経由で行くのが早い。
そう思って花立のT字路から鳥海グリーンラインを東に向かうが、途中で通行止め。一昨年の土砂崩れ以来いまだ復旧されていないようだ。
やむなく迂回路の標識通りに走ったのだが、これが峠道を交え15kmも余計に迂回しなければならないという代物で、到着までえらい時間がかかる。これなら西側の矢島口の方から回ったほうがよっぽど早い。
猿倉口駐車場は50台ほど駐車可能で、除雪もしっかりされている。もっとマイナーなルートだと思っていたのでちょっと意外だった。
そうはいっても矢島口に比べると圧倒的に人は少なく、連休最終日とはいえ車は3台しか停まっていない。狙い通りのんびりした山行を楽しめそうだ。
8:26 1006m 猿倉駐車場発。
夏の登山口より少々西に寄ったところがスタート地点になるようで、パトロール用の雪上車が停まっており、赤旗もここから立ち並んでいる。まさかここまでしっかり整備されたコースとは思わなかった。
矢島口の場合はスタート地点から完全に真っ白なので、いつも赤旗なんて気にせずに好き勝手に登っている。この猿倉口も例年くらいの積雪があればやはり適当に登れるのだろうが、今年はブッシュが目立ち、下手に歩くとヤブに突き当たるかもしれない。とりあえずは赤旗にしたがったほうが無難そうだ。
赤旗はいきなり山頂方向とは違う東の枝尾根に向かっており、一見遠回りに見えるが、実際に登ってみると雪のついた斜面をうまいこと繋いでいるのがわかる。
ほどなく森林限界上に出て、広々した雪原が目の前に広がる。標高的にもこの辺りが矢島口のスタート地点にあたる場所か。
しかしやはり完全に真っ白とはいかず、ちょっとした尾根筋なんかもブッシュだらけ。まだしばらく赤旗通りに歩いた方が良さそうだ。
9:40 1430m ここまでほとんどのトレースは赤旗に沿って付けられていたが、この辺りからあちこちに分散し出す。
赤旗はこのまま西に向かっており、登山道通りに七ッ釜滝避難小屋で矢島口コースに合流するようだが、それだとちょっと遠回りになる。雪渓もだいぶすっきりしてきたし、この先は赤旗に頼らずまっすぐ登っても大丈夫そう。というかシュプールもあるのでまず大丈夫。
なのでここで赤旗を離れ、山頂に向けて真っすぐ登ることにする。
1550mでノド状の細い谷に入ってしまいシールでは歩き通せないかと懸念したが、実際歩いてみるとなんてことなく沢底を普通に登ることができた。
さて、ここまで順調に歩いてきたが、ここでふとダマが「サングラスどうしたんですか?」と聞いてくる。
「?」と思い手に取ってみると、なんと片方のレンズがなくなっているではないか。
もともとレンズの上部、フレームに接する部分がひび割れていて、外れやすくなっていたのだ。
指摘された時点ではそれほど気にならなかったが、しばらく歩き続けるとさすがに辛くなってくる。ガチャ目のままでは目の疲れが増すのは当然だが、だからといってサングラスを外せば両目とも雪目になる。そのまま登り続けるしかない。
10:57-11:06 1808m ガチャ目で歩いているためかどうも調子が出ず、さらに昨日までの疲れも出て足が重くなってきた。傾斜はまだ緩やかだが、少しでも足を軽くするためシール歩きをやめて板を背負って歩くことにする。
雪はまだ柔らかいが、ついでにアイゼンも付けてしまおう。風の強い上部はいつもガチガチで、タイミングを逃すと不安定な急斜面でアイゼンを付ける羽目になりかねないのだ。
ちなみにダマはシール登行のまま。スキーアイゼンを付けているし、今日の雪質ならまったく問題なく上まで登れるだろう。
担ぎ上げの準備をしている間にダマはどんどん登っていき、やがて影も形も見えなくなる。
しばらく歩いたのち、ザックにゴーグルが入っていることをようやく思い出す。
以降、雪目の心配はなくなったが、もともとゴーグルは苦手なたちで、この炎天下にゴーグルをつけて歩き続けるのはなかなか辛い。そのせいかずっと調子は出ないままだ。
11:43 2000m ここで矢島口に合流。階段状にツボ足の跡が残り、登りやすくなる。しかし疲れていて思ったほどペースは上がらない。
ラスト、稜線のすぐ直下で雪は切れたが、それもほんのわずかな距離。むしろこれだけ雪の少ない年にここまで雪が繋がっているというのは、さすが鳥海山北西斜面というべきだろう。
12:23 2224m 山頂(七高山)。ダマはとうに到着済み。午前中には余裕で下山できると踏んでいたが、登りだけで4時間近くかかってしまった。
新山まで登る気はないのでここでゆっくり昼休憩。
風が弱くてありがたいと思ったが、写真を撮ろうとちょっと移動したところ、激しい強風にあおられる。以前も経験したが、この稜線はほんのわずか場所を変えただけでガラッと風の強さが変わってしまう。なので休憩場所選びは重要だ。
12:52 滑降開始。
人気ルートゆえたくさんのシュプールで雪面はグダグダだが、例年のようにクラストはしておらず、必ずしも滑りにくいわけではない。
ただ、ゴーグルが邪魔で思うような滑降ができず、難しい雪質でもないのに何回か転倒してしまう。攻めて転ぶのならいいのだが、ゴーグルのせいで三半規管がおかしくなって転んでしまうという感じだ。
正面に緑豊かな鳥海高原、左前方には日本海と展望にも恵まれた素晴らしい大斜面なのだが、昨日のような快適さはまるでない。
もっともこの時期これだけ豪快に滑れる斜面があるというだけで、決して贅沢はいえないのだが。
ほどなく矢島口へ延びる雪渓との分岐。
矢島口はここから左へトラバース気味に滑っていかなければならないが、猿倉口の場合はこの大斜面をそのまま真っすぐ真下に滑っていける。雪の荒れも格段に少なくなるので、だいぶ滑りやすくなる。
途中、上から眺めると、下部の雪渓は棚田のようにまだら状に見えるが、もちろん雪は繋がっているし、実際滑ってみると狭さを感じることはない。
この辺りは傾斜もいい感じに落ち着き、雪も適度に柔らかいので非常に滑りやすい。それでもやはりゴーグルのせいで、今ひとつ乗り切れないところはあったが。
13:23 1380m ここで赤旗のルートに合流。ここから先は赤旗通りだ。
この辺りからは縦溝などで雪は荒れ始め、ちょっと滑りにくくなる。とはいえ板はよく走るので、昨日の湯ノ台コースや月山石跳川のように、ブナの芽鱗が散らばるストップスノーに比べればはるかにマシだ。
しかしながら、最後の最後、駐車場手前の枝尾根を越すところで新緑のブナ林の間を通過することになる。
残りわずかのため滑りの面ではさほど影響はなかったが、スキー板は今日もまた樹脂でベタベタに。これを落とすのは非常に面倒で、今日もまた時間をかけてメンテしなければならない。
(2014/5/5)
国道7号沿いの宿泊可能な温泉入浴施設。
あまり温泉的雰囲気の建物ではなくさほど期待していなかったが、この辺りの日帰り温泉の例に漏れず、実にコストパフォーマンスが高い。
茶褐色の塩泉がなかなかいい感じで、設備も充実。これで300円とは。
(2014/5/5)
ジンギスカンセット 1,500円 ジャージーソフト 300円 ジャージーポーク 500円
祓川から象潟への道沿いではないが、せっかくここまで来たのだしとソフトクリームを食べにいく。
ジャージーソフトはおいしいが、例えば高速道路SAなんかのソフトクリームと比べ差があるわけではない。むろんそれは承知の上なのでいいのだが。
次に屋外で焼いている焼きソーセージ(ジャージーポーク)を食す。これもまぁうまいが、やはり観光地でなければわざわざ500円も出して食べたりはしないだろう。
その後でバーベキュー館があるのを発見し、ここで食事をすることに。完全に食べる順が逆だ。
ラム肉とジャージー牛肉のセットを選ぶ。
ラム肉はよくある丸いハム状に成形したやつではなく、北海道のビール園のようなちゃんと肉状のやつで、まったくクセがなくておいしい(自分は多少クセがあっても好きなのだが)。
ジャージー牛は食用としてはどうなんだろうと思ってあまり期待はしていなかったが、硬いけど噛み締めると実にいい味。個人的にはかなり好みだ。
(2015/5/6)
ジャージーポーク 500円 コーヒーカントリー 520円
今日はこの後秋田できりたんぽ鍋を食べるので軽食のみ。
コーヒーカントリーはアイスコーヒーにソフトクリームが乗ったもの。コーヒーが苦めでしっかりしているのでソフトクリームにバッチリあう。
ただ、せっかくなので自慢のジャージー牛乳にソフトクリームが乗ったやつにすれば良かった。
売り切れていたが、チーズトーストも食べてみたい。
(2015/5/6)
八甲田山へ移動する途中、きりたんぽ鍋を食べようということで寄った店。
秋田市内の歓楽街にある小さな居酒屋だが、秋田の郷土料理をいろいろ食べることができ、ネットでの評判も良い。
実際、料理はそれぞれ美味しかった。
ただ、ダマは美味いけど味付けが濃いといっていた。東北出身の自分はあまり感じなかったが、まあ秋田だし実際そうなんだろう。
酒にもかなり力を入れているようで、珍しい銘柄も多く、ダマはしきりに関心していた。
ちなみに市内の歓楽街にあるため車でのアクセスは面倒で、どこかへ行く途中に立ち寄るような店ではない。
今回は仕方なかったが(当初は大館辺りのアクセスの良い店に行くつもりだったが、時間が遅くなりそうだったので急遽秋田市内で店を探した)、本来なら秋田市内に泊まってじっくり腰を落ち着けるべき店。