※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
今週末の高谷池ヒュッテの営業開始に合わせ、笹ヶ峰までの通行規制が解除された(実際には先週末も通れたらしい)。
例年ならこの山域のスキーはGWでも十分なくらい。しかし先週末の笹ヶ峰の写真を見ると、雪はもうだいぶ少なく、下まで滑ろうと思ったら来週ではもう遅いかもしれない。
なので、今週は笹ヶ峰起点で火打山か天狗原山・金山に登ることにする。後者の場合は長い林道歩きを伴うので、笹ヶ峰のさらに先、できれば杉野沢橋まで車で入れたらということにしておこう。
さて笹ヶ峰に着いてみると、火打山登山口の雪はもうまばら。火打山を選んだ場合、黒沢や鍋倉谷といった沢ルートは滑れないだろうし、通常ルートだって下部はあまり楽しめないだろう。それに思った以上に人が多く、ちょっと登る気もそがれる。
とりあえず車を先に進めると、除雪(自然融雪?)は黒沢の橋を渡ったところまで。期待したほどは進めなかった。しかし天狗原山・金山のほうはいまだ登ったことがなく、火打山より登りたい気持ちは強い。今日は天狗原山・金山に登ることにしよう。
最終除雪地点のちょうど手前に数台分駐車可能な路肩スペースがあり、ここに車を止める。
7:03 1292m 黒沢橋(駐車地点)。
ここから杉野沢橋まで林道歩き。林道上の雪はところどころ切れているのでシートラーゲンで歩く。
杉野沢橋の手前1kmくらいから雪がつながるようになる。ただ、初めての場所なのでこの先どんな感じになるかわからない。雪もしまっていることだし、まだツボ足で歩くことにしよう。
7:37 1258m 杉野沢橋。
ここで真川を右岸に渡り、河畔を上流方向に歩き続ける。河原は広く、雪もしっかり残っていて歩きやすい。これなら帰りもスキーを履いたまま戻ってこられる。
7:54 1298m 滝沢出合。
ここで広い河畔は終了。この先は崖のような急斜面となっており、正面からは滝沢が滝となって真川に流れ落ちている。
予定コースはこの滝沢と真川の間の尾根。どこかで滝沢を渡って左岸に出る必要がある。しかしもはや危ういスノーブリッジしかなく、無難に渡れる場所が見つからない。たとえ渡ったとしても、左岸はあまり雪が付いておらず、できればここを歩くのは避けたい。
今いる右岸ならば、急傾斜ながら雪が付いているルンゼがある。とりあえずこれを登って滝の上に出れば、どこかで左岸に渡れるだろう。
が、地図を確認せずに思いつきで行動するものではない。ルンゼを登り切って緩斜面に出てみると、滝沢の谷はますます深く、おまけに方向も離れていく一方。ここから左岸に渡るのは相当な手間だ。
仕方ない、かなり遠回りになるが、このまま右岸を登って薬師岳まで出てしまおう。そうすれば、あとは稜線伝いにすんなり予定コースに合流できるだろう。
途中の緩斜面でシール登行に切り替え、まずは正面に見える薬師岳東尾根を目指す。日陰のため雪がまだ硬く、途中からは傾斜も急になるのでちょっと登りにくい。
9:07 1689m 薬師岳東尾根。
あとはこの尾根をちょっと登れば薬師岳に着く。しかし尾根上は雪がなく、ヤブもひどい。ほどなく雪の付いた左斜面から巻けるようになるが、そこまで僅かな間ながらヤブ漕ぎが必要になる。
9:40-9:54 1800m 薬師岳。
ここまで登れば雪は十分付いていて、あとは北尾根を歩いてすんなり予定ルートに合流できると考えていた。
が、この尾根は東尾根以上のヤセ尾根で、雪もまったくなくてひどいヤブ。尾根上を歩くのはまずムリだ。
とりあえず東斜面ならなんとかトラバースできそうなので、こちらから巻くことにする。
といっても容易ではない。雪割れが多くて迂回を強いられるし、急傾斜で表層がグズグズのため、雪ごとずり落ちることもある。何度か滑り落ち、止められずに雪割れに落ちることも。
1720点の枝尾根辺りから先はだいぶトラバースしやすくなったが、それまではかなり苦しめられることになった。
11:38-11:47 1781m 天狗原山東尾根。
ここでやっと予定ルートに合流。たいした距離・標高差でもないのに薬師岳から2時間もかかってしまった。スタート地点から考えれば、4時間半かけて標高差500mしか登っていないことになる。無駄にも程がある。
ともあれここからはシールで普通に登ることができる。しかしすでに疲労がたまり、足取りは重い。登りやすい斜面なのだが、それでも休み休みになってしまう。
1900m辺りからは尾根が広がり、正面に天狗原山の広大な斜面が一望できるようになる。
そして右側には焼山・火打山を背景に金山谷の広大なスロープが。スキーヤーにはあまりにも魅力的な景観だ。下部は沢が割れているだろうから今日は滑れないが、いつか雪の多い年にこの谷を下まで滑ってみたい。
正面の天狗原山東斜面は遠目で見るとシールで簡単に登れそうだったが、上部はかなりの急傾斜。2030mでアイゼン登行に切り替える。雪は適度に柔らかいのでキックステップで簡単に登れるものの、それでもかなり緊張する。ピッケルとまではいかなくても、せめてピック付きストックが欲しいところだ。
13:09-13:15 2160m 天狗原山南尾根。
急斜面が終わりほっと一息。あとは目の前の山頂に向け、広くなだらかな尾根を登るだけ。
山頂までいくらもないが、雪が柔らかくてツボ足では歩きにくいので、再びシール登行に切り替える。
13:22 2196m 天狗原山。
やっと到着。予定していた金山もすぐ目の前に見える。しかしもうこんな時間だし、登ったところでいいことはなさそう。今日は割愛しよう。
ここまで登ると西側の展望が新たに開け、目の前には黒々とした雨飾山の布団菱が望めるようになる。その左奥には北アルプスのパノラマ。しかしこちらは霞がひどくてはっきりと見えない。
13:44 滑降開始。
ゆるやかな南尾根上を少々滑り、適当なところで東斜面にドロップ。左に焼山・火打山、正面に妙高山を見ながら広大な金山谷源頭を滑る。
かなりの急傾斜で、グズグズに緩んだ表層の雪が滑るそばから崩れ落ちていく。といっても体ごと持っていかれるほどではなく、クラスト雪よりはるかに安心して滑ることができる。ところどころクラックがあり、急傾斜のため直前まで気づきにくいので注意は必要だが。
ほどなく傾斜も落ち着き、素晴らしい斜面を思う存分滑降できるようになる。
このままずっと金山谷を滑り続けたいところだが、今年の積雪量ではどう考えても無理。残念ながら途中で往路の尾根に戻る必要がある。
ということで、途中で1849点に向けトラバース。薬師岳経由で無駄に時間を使っていなければ、もっと下まで滑ってから登り返してもよかったのに。
1849点からはしばらく細尾根を滑り、薬師岳からの稜線を合わせたところで今度こそ予定ルートの滝沢左岸尾根に入る。
雪は腐っているが、1701点までは広い尾根で、ヤブも少ないのでそれなりに快適に滑れる。
1701点から先は、元々は尾根の左側の沢を滑る予定だった。しかし今日は沢が割れていて無理。このまま尾根を滑るしかない。
ヤブの目立つ細尾根で、見た目はちょっと苦労しそう。しかし腐れ雪でうまい具合にブレーキがかかり、なんとかヤブをかいくぐって滑っていける。
途中からは左斜面も滑れるようになったので、そちらをトラバース気味に下りていく。トラバース主体とはいえなかなか楽しい。
1430mでちょっとした平原に入る。ルートがわかりにくくなるので、GPS片手にのんびり直滑降で進む。
14:37-14:44 1391m。
この先で再び傾斜が増すというところで雪が途切れる。下はひどいヤブで体を入れるスペースもない。いやいやここからは登山道があるはずだと辺りを見渡すと、ちょっと先に赤テープが。行ってみると、まさに登山道の入り口だった。
ということで板を担ぎ、登山道を下る。急傾斜で、テレマークブーツではなかなか下りにくいが、ヤブ漕ぎしなくて済むのはありがたい。半分くらい雪が残っているので時々道を見失いそうになるが、まぁ無難に下っていける。
14:57-15:01 1298m 滝沢出合。
登山道を下っていけば橋があるんじゃないかと期待したが、むろんそんなものはない。
スノーブリッジは危ういので、もう多少濡れてもいいやと石伝いに渡る。幸いインナーの中まで濡れることなく徒渉できた。
再びスキーを履き、河畔を歩く。シールこそいらないが、傾斜はまったくないのでほとんど歩きだ。
15:32 1244m 杉野沢橋南1km。
ここで雪切れ。この先もちょくちょく雪は出てくるが、あまりつながっていないし、そもそも駐車地点までは上り勾配。板を担ぎ、20分ほど林道を歩いて終了だ。
(2004/3/14)
こぢんまりとした清潔な風呂であるが、スキー場のすぐ近くにあるということで冬はキャパシティ的に厳しそうだ。
14時頃行ったこの日はまあ許せるほどだったが、それでも洗い場がいっぱいで待たされた(以前平日に行ったときはガラ空きで、好印象を持ったのを覚えているのだが……)。
450円で貸しタオル付き。ロッカーも100円を入れることなくキーが掛かる(たいがい返金されるが、面倒なのでそういうロッカーはきらい)。
内湯しかないが、余計な設備はいらん派の私としてはこれで十分。