2015/03/07 小日向山(東斜面)

目的地
小日向山
地域
北ア後立山
日時
2015/03/07
コース
二股~ソデガラ沢西尾根~小日向山~東斜面~県道白馬岳線~二股
メンバー
単独
装備
MADSHUS:EPOCH('13)/22 Designs:TeleBulldog, Scarpa:T2('13)
天気
晴のち曇

コースデータ

コースタイム
二股[7:19]↑[7:47]ソデガラ沢西尾根末端↑[11:54]小日向山[12:28]↓[13:49]県道白馬岳線合流↓[14:30]二股
山行時間
07:11
実移動時間
06:17
最高高度
1905m
最低高度
826m
累積標高差(登り)
1162m
累積標高差(下り)
1163m
移動距離
12.6km
平均速度※1
2km/h

※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度

グラフ

記事

今週末の北アルプスはそこそこ天気が良く、雪も落ち着いていて雪崩の危険は少ないらしい。それならばと、土日使って白馬に行くことにする。日曜のほうが風がなく登山日和らしいので、以前から課題だった唐松岳を日曜に、土曜はその手前の小日向山に登ることにしよう。
まずは小日向山。白馬エリアの中では地味な存在だが、ガイドブックなどに取り上げられることも多く、以前から気になっていた山だ。
ここは厳冬期のパウダーが魅力の一つのようだが、このところ好天続きのため今回それは望めない。ただ、初めての山だし、ラッセル覚悟でパウダーを狙うより、まずは確実に山頂まで登っておきたい。なので雪の落ち着いた今週末はむしろちょうど良かったりする(というかこういうコンディションを狙っていた)。
滑降ルートとしては大きく北斜面と東斜面が対象になるが、今回選んだのは東斜面。どちらも最後に県道白馬岳線に合流するが、未除雪とはいえ傾斜は緩いので、道路上をスムーズに滑って戻れるかどうかわからない。北斜面のほうが滑り応えがあるようだが、車道を戻る距離も長くなるため、まずは比較的戻る距離の短い東斜面で様子見だ。
登りは南斜面から。こちらは明日滑る予定のガラガラ沢の下山ルートにもなっているので、下見に丁度いい。

朝7時前、登山口の二股に到着するが、予想に反し車は全然停まっていない。ガラガラ沢など八方の各沢の下山口になるため車をデポする人も多いはずだが、そういう人たちは八方のゴンドラリフトで入山するため、営業時間に合わせてスタートはもっと遅いのだろう。
二股の駐車場は一部除雪されていて数台ほど駐車可能。本来除雪車のUターンスペースに当てられているようだが、みんなその分のスペースを残してここに停めているようだ。

07:22 829m<br />二股の橋より不帰キレット
07:22 829m
二股の橋より不帰キレット
07:32 878m<br />登りは南回りルートで。南股入沿いの林道を歩く
07:32 878m
登りは南回りルートで。南股入沿いの林道を歩く
07:56 953m<br />1278点の尾根の末端から取り付く
07:56 953m
1278点の尾根の末端から取り付く
09:08 1191m<br />1150mまで登れば尾根上も登りやすくなる
09:08 1191m
1150mまで登れば尾根上も登りやすくなる

07:19 837m 二股発。土曜はガスがかかりやすいとのことだったが、雲はちょうど八方尾根でせき止められ、唐松岳から白馬側は雲ひとつない快晴だ。これはうれしい誤算。
まずは南股入沿いの林道を歩く。雪道ではあるが、ガラガラ沢などメジャールートの下山道となるため硬く圧雪されており、雪もまだカチカチに凍っている。まったく潜らないので板を背負って普通に歩くことができる。

07:47 928m ソデガラ沢出合。
予定ではまだしばらく林道を歩くつもりだったが、雪がまだ硬いのでツボ足でどんどん登って行けそう。ここでアイゼンを履き沢の西側の尾根を登ることにする。
が、甘かった。表面こそ凍っているものの、中は柔らかくツボ足では潜ってしまう。
途中で諦めシール登行に切り替えるが、もともとシールでは登りにくい細い尾根。段差が激しくて登れないところもあり、ところどころ尾根を捨てて西側の斜面をジグザグに登る。
振り返るとすぐ下に林道。苦労した割にいくらも登れていない。予定通りもっと林道を歩いてから尾根に取り付くべきだった。
1150mでやっと尾根は広くなだらかになり、普通にシールで登っていけるようになる。

09:24 1283m<br />1278点。正面に白馬槍を見ながら快適な尾根を歩く
09:24 1283m
1278点。正面に白馬槍を見ながら快適な尾根を歩く
10:13 1527m<br />快適なブナの疎林帯が続く
10:13 1527m
快適なブナの疎林帯が続く
10:24 1571m<br />唐松沢。今日は最高のコンディションだったらしい
10:24 1571m
唐松沢。今日は最高のコンディションだったらしい
10:25 1572m<br />こちらはガラガラ沢遠景。アップで見るとシュプールだらけ
10:25 1572m
こちらはガラガラ沢遠景。アップで見るとシュプールだらけ

9:23 1288点。いったん緩斜面となり、正面に鑓ヶ岳、杓子岳が望めるようになる。
この先は素晴らしいブナの疎林帯。この南斜面は雪質の関係かあまり滑られることはないようだが、斜面自体は非常に魅力的。本日は東斜面を滑るのだが、なんだかこちらの斜面のほうが結果的によっぽど楽しめたような気さえする。

10:29 1597点。見晴らしの良い平原で、スキー場上部から唐松岳まで、八方尾根が一望できるようになる。ガラガラ沢や唐松沢など北面の沢の様子もよくわかる。ガラガラ沢はもはやシュプールだらけだ。

10:36 1590m<br />1597点。左前方に小日向山山頂が
10:36 1590m
1597点。左前方に小日向山山頂が
11:15 1723m<br />白馬岳~乗鞍岳の稜線。金山沢もよく見える
11:15 1723m
白馬岳~乗鞍岳の稜線。金山沢もよく見える
11:35 1829m<br />小日向山への最後の登り。あちらの斜面も快適そう
11:35 1829m
小日向山への最後の登り。あちらの斜面も快適そう
11:59 1905m<br />山頂より白馬岳。だいぶガスが湧いてきた
11:59 1905m
山頂より白馬岳。だいぶガスが湧いてきた

1660mで再び緩斜面となり、ここで初めて左前方に小日向山が姿を現す。あと少しではないかと思っていたが、まだまだ遠くてガッカリ。まぁちょっと歩くと実際はそれほど遠くないことに気づくのだが。
ちなみに本日予定している下りルートはここから東尾根を滑ることになる。

1700mを超えると尾根は西にカーブし、ここから小日向山まで最後の登り。
北側には白馬岳から乗鞍岳の稜線がきれいに見え、人気の山スキーコース、金山沢も一望できるようになる。
細い尾根を越えると広い緩やかな斜面となり、お椀型の山頂(実際はその手前)が間近に見えるようになる。
あとわずかだが、ここで一気に疲れが出て足が止まる。緩やかな斜面なのに、最後は休み休みだ。

11:54 1905m 小日向山山頂。すぐ目の前に白馬三山があるのだが、ちょっと前からガスが湧いてきて、鑓ヶ岳・杓子岳はうっすらとしか見えなくなっている。
多少残念ではあるが、元々ガスがかかるという予報だったし、下手すればこの小日向山も真っ白だったかもしれない。これくらいですんで何よりというべきだろう。

12:30 1885m<br />山頂直下の滑降。すでに雪はグダグダ
12:30 1885m
山頂直下の滑降。すでに雪はグダグダ
12:37 1757m<br />ちょっとだけヤセ尾根を通過
12:37 1757m
ちょっとだけヤセ尾根を通過
12:45 1646m<br />登りルートを外れ東側の尾根を滑る
12:45 1646m
登りルートを外れ東側の尾根を滑る
13:02 1445m<br />この程度の傾斜ではなかなか滑らない
13:02 1445m
この程度の傾斜ではなかなか滑らない

12:28 滑降開始。しばらくは登りルート沿いに滑る。
山頂直下からいきなり腐れ雪。山頂で温度計を見たら10度近くあったのでなんだこりゃと思ったのだが、これはひどい。3ピンテレマークのステップソール細板では気楽に滑れず、腰を落として真面目に(?)取り組む必要がある。

12:44 1660m ここで登りルートを外れて東尾根へ入り、さらに途中で北東のボール状の斜面に滑り込む。
急傾斜のブナの疎林帯だが、ちょっと若木がうるさく、斜面自体は登ってきた南斜面のほうが魅力的に感じる。
相変わらず雪は重く、かなり中までズブズブ。木のない急斜面をやむなく横切った時など、表層から30cmくらいが一気に崩れ落ちていった。あとで雪崩情報を確認したら標高の低い樹林帯のほうが雪崩の危険度が高くなっていたが、さもありなんだ。

13:13 1316m<br />奥ノ滝ノ沢を越えて1263点の尾根へ
13:13 1316m
奥ノ滝ノ沢を越えて1263点の尾根へ
13:29 1213m<br />1263点から北側のボール状斜面を滑降
13:29 1213m
1263点から北側のボール状斜面を滑降
13:51 1044m<br />県道白馬岳線を二股へ
13:51 1044m
県道白馬岳線を二股へ
14:27 845m<br />二股の最終除雪地点
14:27 845m
二股の最終除雪地点

しばらく滑ると傾斜は緩くなり、奥ノ滝ノ沢の上部に入り込む。残雪期のザラメ雪なら快適な林間滑降が楽しめるのだろうが、今日の腐れ雪ではほとんど板が滑らず、ストック漕ぎを交えて進む。
1263点で北側の尾根を越え、今度は北側の斜面を滑降。ここから再び傾斜が増し、慣れてきたのかそこそこ楽しく滑れるようになる。

やがて林道に合流。そのまま猿倉からの県道白馬岳線まで林道上を滑る。ここも板はあまり滑らず、ほとんどストック漕ぎだ。

13:49 1057m 県道白馬岳線に合流。もちろんまだ未除雪で、道路上は多数のトレースが付いている。
それに乗って二股まで一直線、といきたいところだが、今日の雪ではトレースがあってもあまり滑らない。ほとんど歩くようにこの長い林道を進む。
結局40分ほど、飽き飽きしたところでようやく二股の駐車スペースまで戻ることができた。

周辺情報

白馬塩の道温泉 倉下の湯 ★★★・・
600円

(2015/03/07)
いつも行っていた「ガーデンの湯」は閉店したらしく、代わりにこちらに。
八方尾根スキー場そばの温泉よりは多少すいているかと思ったが、スキーシーズン真っ只中の土曜夕方とあってさすがに大混雑。浮かれた若い団体さんたちに囲まれまったく落ち着けない。
浴槽は大きいが、半露天のものが一つあるだけ。ビニールカーテンで寒気を塞げるようになっているが、この日はもう夕方なのに全開で、やたら寒かった。
とはいえ泉質自体は良さそうなので、すいていればまぁ悪くはないのだろう。


道の駅小谷 鬼の厨 ★★★・・
野豚の温玉カツ丼 1,100円 信州サーモン刺身 550円

(2015/03/07)
白馬のめぼしい飯屋がどこも大混雑だったため、車中泊の予定地だった道の駅小谷で夕食。
日替わりのかまど飯定食がお勧めらしいが、この日のおかずはイマイチだったので無難にカツ丼を頼む。野豚というのが売りらしいが、まあ悪くないといった程度。
取り立てて素晴らしいメニューがあるわけではないが、道の駅に併設されている食事処にしてはゆったり落ち着いて食事できるし、下手な蕎麦屋なんかよりはよっぽどいいかもしれない。