※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
今週末はあまり天気が思わしくない。それでも会津地方はまだマシなようなので、ダマをさそって会津駒ヶ岳へ登ることにする。ちなみにダマは来週末まで休みだそうで、このあと鳥海山へ行くらしい。その道中にちょうど良いだろう。
この山を選んだ理由はもう一つ。このところ暖かい日が続き、昨日は暖雨まで降ったため、沢コースだと湿雪雪崩の懸念があったからだ。その点、会津駒ヶ岳なら樹林帯の尾根コースなので安心して滑ることができる。それに大半が樹林帯なので、ガスっても(山頂直下以外は)ホワイトアウトにならずにそれなりに楽しめるだろう。
さて当日、栃木を越え南会津まで来てみると、雨のパラついていた関東と違ってこちらは高曇り。会津駒ヶ岳の手前、三岩岳山頂もきれいに見えている。
そして三岩岳の旧道登山口まで来てみると、思った以上に雪が残っている。これなら下まで快適に滑れそう。
もともと三岩岳は下部の雪が消えているかな?と思って会津駒ヶ岳を選んだわけだが、個人的には三岩岳のほうが好みだし、このコンディションで三岩岳を選ばない理由はない。
ということで、最終的に会津駒ヶ岳は取りやめ、三岩岳に登ることにする。ダマもOKだそうだ。
駐車場所は、旧道登山口の北側150mほどのところにある路側帯。大戸沢側と違ってそれなりに駐車スペースがあるのがこのコースのいいところだ。
7:51 768m 駐車地点。
登山ルートは尾根上の旧道・国体コース。
残雪が多ければ、登山道北側の沢を登って効率的に尾根上の登山道に合流できる。しかし沢はもう割れていて避けたほうがよさそう。素直にNTT中継アンテナまで急斜面を登る。
初めて登ったときは雪がガチガチに凍りつき、登るのにかなり苦労した。今日は朝から気温が高く、雪はすでに緩んでいる。さほど苦労せずにシールで登っていける。とはいえ朝からこの雪質では、下山する頃にはどうなっていることやら……。
NTT中継アンテナから990mぐらいまでは細尾根で、今日のルートでは最も雪の消えやすいところ。いちおうまだギリギリ雪がつながっており、登る分には問題ない。ただ、下りはちょっと手間取りそうだ。
ここから上は尾根も広がり、スッキリしたブナの疎林帯を歩けるようになる。この辺りの感じは隣の会津駒ヶ岳とほとんど変わらない。
2時間弱で1308点。ここはちょっとした平原になっており、眺めも多少良くなる。左手、黒檜沢の向こうには山名の由来となった三ツ岩、そして正面に窓明山。まったく期待していなかった青空も広がりだし、気分よく登れるようになる。
9:53 1295m 旧道分岐。
ここから尾根は南西に弧を描いていく。ひとまず前方に見える1699点を目指し、引き続き尾根上を登る。
この尾根はさほど広くはないものの、立派なブナやダケカンバが点在し、とてもスッキリしている。気持ちまで明るくなるような感じの良い尾根だ。
ただ、直近の目標である1699点まででも、標高差は400mほどある。予想外の暑さも重なり、ジワジワと疲れが出てくる。
ところで、今日のダマはだいぶペースが遅い。
今シーズのダマは用具トラブルが多く(用具のせいだけでなく、扱いが悪い、体に合わないというパターンもある)、そのせいで遅れることが多かった。
今日は靴が合わないとのこと。3月の西吾妻山では特に問題なかったのに、スキー板との相性もあるのだろうか。
ともかく各ポイントでダマを待ちながら、ゆっくり登ることになる。
1699点を越えれば傾斜は緩くなり、植生もオオシラビソに変わる。左前方には山頂へのルートが見えるようになり、いよいよ最終ステージといった感じだ。
11:29-11:46 1816点。
この場所からは、登ってきたルートが良く見える。この先に進んでしまうと見通しが悪くなるので、ここでまた遅れているダマを待つ。
しかし――
今度は全然やって来る気配がない。普通なら様子を見に引き返すところだが、たぶん今日は途中でギブアップしている。ならば、先に山頂まで往復してしまおう。ダマもその間待っていてくれるだろう。
山頂までは緩やかな斜面を歩くだけ。ペースを上げればさほどダマを待たせずに済むはず。しかしそれなりに距離があり、思ったより時間がかかる。
12:21-12:32 2060m 三岩岳。
今日は霞が多く、中越や会越国境の山々もうっすらとしか見えない。とはいえ、もともと今日は雨・ガスでなければラッキーぐらいに考えていた。これだけ見えれば十分だ。
さて滑降。
上部は針葉樹林の点在する緩やかなスロープ。この三岩岳旧道コースは隣の会津駒ヶ岳とだいぶ似通っているが、このスロープがある分、会津駒ヶ岳より個人的には気に入っている(それと人が少ない点も)。
雪が良ければこの素晴らしい斜面をどんどん滑っていける。しかし今日はストップスノー気味。板が走らず、期待していたほど楽しめない。滑降前は、このスロープをダマが滑れないことを残念に感じていたが、この雪質ならまぁいいかもしれない。
12:47-13:06 1722m。
ダマはここで待っていた。痛みが激しくなり、どうしても先に進めなくなったとのこと。ダマはまだ時間が欲しいとのことで、自分も食事がまだだったので、ここでゆっくり休憩。
ここからは雪質的にだいぶ滑りやすくなり、それなりに楽しく下れるようになる。
特に1699点からコル(旧道分岐)までは、適度な傾斜のダケカンバ~ブナの疎林帯。上部のオオシラビソのスロープとはまた違った面白さがある。会津駒ヶ岳にも似たような尾根はあるが、人が少なくて雪が荒れていない分、より快適に滑れる。
ダマはだいぶ痛みをこらえているようで、斜滑降を繰り返してなんとか降りてくる。
しかし下っているうち、だんだんと普通にターンできるようになっていく。滑っているうちに血が通ってきたのか、痛みが引いてきたそうだ。登りの場合、重いスキー板を履いて足を上げる動作が良くないのかもしれない。
13:26 1295m 旧道分岐。
ここはちょっとしたコルになっていて、ここから標高差10mほどの登り返しがある。まぁたいしたことはない。ステップソールのない普通の板でも、ストック漕ぎなどで進むことができる。
1308点は右から巻き、尾根上に戻ったら再び滑降。これまでに比べ木は若干濃くなるが、十分に楽しく滑ることができる。
しかし快適なのは1000mぐらいまで。このコースのネックがここからNTT中継アンテナまでの狭い尾根だ。
雪が多ければ、尾根を避けて北側の沢を滑って戻ることができる。が、沢はすでに割れているのでやめたほうが無難。細木が密生する狭い尾根を、ストック漕ぎを交えてチンタラ進むことになる。
雪はギリギリつながっており、途中で右斜面から回り込んだりして、なんとかスキーを外さずに済む。ただ、実際のところ板を持って歩いたほうがよほど早かっただろう。
NTT中継アンテナからは急斜面。雪が良ければこの斜面も楽しい。しかし今日は腐れ雪。膝が悪いこともあって思い切った滑りができず、キックターンを多用して下ることになった。
ともあれ時間はかかったが、天気が崩れる前に無事下山。雪質はイマイチだったものの、もともと雨・ガスは覚悟の上、体力維持目的の山行だったので、それを考えれば十分に満足だ。
(2004/4/25)
たまには趣向を変えようと「駒の湯」に向かうが、休業のため結局いつもの燧の湯へ。
空いていて良い風呂なのだが、入り慣れたせい(?)か新鮮味にかけ、なんとなく2つ星。
が、檜の湯船は心が落ち着き、公園から丸見えの露天風呂もおおらかで好きだ。
(2017/4/8)
三岩岳最寄りの「窓明の湯」は移転休業中だったため、やむなくここに入ることにした。
窓明の湯は、秋ごろ「駒の茶屋」のあった場所に新築されるらしい。
(2017/4/8)
会津田島にある和食ファミレス的な店。
いちおう手打ちそばを売りにしているが、各種定食や会津郷土料理などメニューも豊富。
檜枝岐からはちょっと寄り道になってしまうが、そば以外のものを食べたい場合はいいかもしれない。