※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
今年のGWは白馬方面の雪倉、朝日岳辺りに行こうかとも思ったが、ダマは2006年に引き続いて東北ツアーに行きたいらしい。確かに前回岩木山を滑れなかった悔しさはあるし、八甲田だってもっと腰を据えて滑りたい。何より車で移動しながら日帰り登山を繰り返すだけなので、準備もさほどいらずに楽なのがいい。
ということで今年は岩木山、八甲田を中心に、途中ダマの好きな月山に寄って行くことにする。ホテルは取れそうにないので全車中泊。現地集合、下山する度に一旦解散して翌日まで自由行動という、我々ならではのお気楽な計画だ。
まずは月山。ダマは前日から山形入りするとのことで、朝7時に月山最寄りの道の駅「にしかわ」にて待ち合わせる。
今回は車2台のため、1台を下山予定のネイチャーセンターに止める予定だったが、ネイチャーセンターの駐車場はあまり除雪されておらず、数台しか止められない。今はまだ余裕があるが、この状態で置きっ放しにするのはちょっと気が引ける。ちょっと下ったところにきれいに除雪された大きな駐車場があったので、そこに止めることにする。何の駐車場かわからないが、近くにある月山荘の駐車場にも見えないし(そもそも月山荘自体に十分な駐車場がある)、特に問題ないハズだ。
ダマの車で月山スキー場まで登り、リフト1本で姥が岳ゲレンデへ。さて登ろうかというところで天気は一変、あっと言う間に分厚い雲に覆われる。まあ天気予報でも昼前に一時雨とあったので仕方ない。午後から再び晴れるとあったので早々に回復するのを期待しましょう。
しばらくは山頂に向け姥が岳、牛首の右斜面をトラバース。その頃にはガスも深まり、あろうことか雪面もガチガチのアイスバーンになる。これはダメだ、アイゼンを履こうということで、思わぬところでダマのアイゼンデビュー。当然ながらその効力にびっくりで、なぜこれまで使ってこなかったのだろうとダマは後悔しきりである。
それはともかく、このガスでは山頂まで登ってもまともに滑れそうにない。特に上部は草付きや岩の露出が多かったはずだし、その後もトラバースが続くのでたいして面白い訳ではない。さてどうしようとダマに打診すると、他の山なら即止めましょうというところだが、前回の印象がよっぽど良かったのか、いやに積極的だ。よろしいならば登りましょう。もはや辺りは厳冬期の様相を呈しているが、ちょうどいい訓練にもなるでしょう。
風雪の強まる中トラバース地帯を抜け、山頂へ向け最後の登り。
やがて神社のある平原に出ると、もはや風の強さは半端じゃない。真っすぐ歩けないし、風が痛くて顔を晒してもいられない。神社の陰で待機しても風はすぐにはおさまりそうもないし、そもそもこの辺りは岩だらけで晴れていてもスキーでは滑れない。もうこの辺りで止めにしましょうと、完全な冬山装備で退却に入る。
板を担いだまま斜面を下り、通常ならこの辺りから滑れるはず、というところまで下りても板を履く気になれない。GPSとにらめっこしながら確実に歩いて下る。
後の話だがこの日遭難者が出たらしい。翌日には発見されたそうだが、この天気ではさもありなん。
そのまま牛首の辺りも稜線上を歩き、姥ヶ岳へのコルへ到着。普通ならここから北斜面をグルッと巻いて西斜面へ出るのだが、このホワイトアウトの中をトラバースなんてしたくない。ここは確実に稜線上をそのまま登り、姥ヶ岳北方の1688m峰から西斜面を滑ることにする。
11:55 滑降開始。しばらく互いを見失わないよう慎重に滑っていくと、、、およよ、滑降方向の湯殿山神社方面が一気に晴れ上がっていくではないか。思わずダマも奇跡だと喜ぶ。雪質も最高で、そのまま湯殿山のコルまでの大斜面を、これまでの鬱憤を晴らすかのように快適に滑る。月山山頂からの雄大な眺めを堪能しながらの滑降こそできなかったが、まあこの大斜面をガスにまかれずに滑れただけで良しとしよう。
さて、この先であるが、当初は湯殿山を登り、石跳沢ではなく湯殿山南斜面を滑るつもりでいた。この天気でいったんは諦めたが、今は湯殿山方面は時折晴れ間も見える。このまましばらく待てば一気に回復するのではないかと、昼食がてらしばし様子を見る。が、回復どころか雨が降り出してきた。仕方ない、このまま石跳沢を滑りましょう。
石跳沢は最初の数ターンこそゲレンデのような滑りやすさだが、その後は重い腐れ雪となり、あまり面白くなくなる。ブナの点在する開放感溢れる沢なので雪さえ良ければ最高なのだが、まあこの時期、標高の低い南斜面の沢に適度なザラメ雪を期待するだけ無駄というものか。
そのままチンタラ滑り、12:50 ネイチャーセンターに到着。このまま駐車場まで車道を歩いて戻ってもいいのだが、いつもの如くそのまま左岸をスキーで強引に下る。この辺りかなというところで偵察がてら沢の上に出てみると、まさにピンポイントで駐車場に出ることができた。
(2010/4/30)
道の駅「にしかわ」に隣接する日帰り温泉施設。
ともかく安い。
露天風呂など特別な設備があるわけではないが、ボディーソープやシャンプーなどアメニティーグッズもちゃんと揃っていて、値段の割にちゃんとしてる。
4月以降は朝6時から営業しているので、ここで車中泊して朝風呂を浴びることもできる。
隣の道の駅もレストランや売店など施設が充実しており、当然入浴後にソフトクリームだって食べられる。
月山I.C.ができたので通り道ではなくなってしまったが、それでもここに寄るためわざわざ西川I.C.で乗降するくらい、なにかと便利な道の駅である。