※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
黒姫山といえば麓のスキー場からの往復コースが人気。しかし自分は戸隠大橋からの南西斜面しか滑ったことがない。スキー場からの東斜面は見た感じ木が濃そうだし、距離も短い。これならすぐ隣の大定番コース、妙高三田原山にでも行ったほうがよほど楽しめそうに思えたからだ。
といいつつも、いつも三田原山というのも芸がない。1度くらいは試してみるかと、晴天が見込まれるこの週末に行ってみることにする。
リフト2本でゲレンデトップへ。実際にはこの上にもう1本リフトがあるのだが、もはや季節を問わす運行することはないようだ。
9:15 1177m 第2リフトトップ出発。
先行者は10名ほど。人気のコースなのでもっと多いかと思っていたが、よく考えたらこのリフトは先ほど運行開始したばかりだった。実際、帰宅後にヤマレコのレポートを見たところ、この30分後にはかなりの人数が入山していたようだ。
まずは急傾斜のゲレンデをジグザグに登っていく。以前、ゲレンデ内の登行は雪崩の危険があるため禁止されているというレポートを読んだことがあるが、最近はそんなことはなく、みんなここを登っていくようだ。とはいえ禁止されるのも頷けるような斜度。雪の状況によっては早々に無木立のゲレンデを離れ、右の尾根に取り付いたほうがいいかもしれない。
新雪は60cmほど。昨日は好天だったためクラストしているかと思われたが、驚くほどフカフカ。これはうれしい誤算。
トレースはしっかりついており、それを借りて黙々と登っていく。
10:07 1526m 非稼働リフトトップ。
しばらく雑木の生い茂る緩斜面を歩いた後、再び斜度の増した斜面をジグザグに登る。
トレースがあるにも関わらず、シーズン最初の山行ということもあってかペースが上がらない。
リフトトップからは目指す外輪山稜線がすぐそこに見え、あっという間に登れそうだったのだが、思い違いだった。いや、実際に近いのだが、あっという間に登るだけの体力がないというのが正解かもしれない。
11:40 1972m 外輪山稜線着。
しばし休憩後、黒姫山本峰に向かって外輪山を南に進む。
外輪山上は狭く、激しく起伏しているため極めて歩きにくい。ちょっとした下りで木の枝に引っかかり一回転してしまう。今回はトレースがあったのでまだよかったが、降雪後だとかなり苦労するだろう。
黒姫山本峰が見えたところで写真を撮ろうとすると、、、あれ?カメラがない。先ほど転んだところで落としたか?
戻って探すが、見つからず。雪に埋もれているだろうし、まず無理だ。早々に諦めましょう。
再び黒姫山に向かうが、途中でふと思い直す。黒姫山本峰に登っても何もいいことはない。どうせ稜線上はまともに滑れないし、写真を撮る楽しみもない。ちょうどドロップポイントにいることだし、ここから滑り降りることにしよう。
休憩後、滑降の準備をしていると、遠くから後続パーティーの話し声が聞こえてくる。彼らを待ってカメラのことを聞こうかとも思うが、まさか拾ってくれてるなんて、そんな都合のいいことはないだろう。
しかし滑りだそうとしたまさにその瞬間、「すみませ~ん」と呼び声が届く。そのまさかだった。期待していなかっただけに実にうれしい。
12:42 1998m 滑降開始。
急傾斜で木の間も広いとはいえないが、新雪だし問題なく滑れるだろう。。。と思いきや、モナカ雪だった。登ってきた斜面はフカフカだったため油断していたが、稜線上のこの辺りはずっと陽に当たっている。モナカ雪になるのも当然だった。
GPSに設定したルートはずっと尾根上を滑るものだが、左の沢のほうが木が少なく、快適に滑れそう。沢といってもちょっとした窪地のようなものでいつでも尾根に戻れるだろうし、先行者のシュプールもある。ということで左の沢へ。
沢の中は雪もフカフカで、非常に滑りやすい。コンディションのいいときの前武尊荒砥沢とか西吾妻北斜面のような感じで、これはもう抜群に面白い。昨年度はいろいろな山に行きながらこれぞという滑りはできなかったのだが、久しぶりに歓声を上げたくなるような滑降となる。
さて、いつまでも予定ルートを外れて沢を滑り続けてもいられない。そろそろ尾根に戻ろうかと考えていると、ちょうど先行者のシュプールも右の尾根に向かっている。まさにコースを知り尽くしているような感じで、頼りになりそうだと追っていく。
すると、目の前にこの上なく快適そうな疎林帯のスロープが。もはや歓声を超えて「マジか」と声が出る。まさか黒姫山にこんな斜面があるとは思わなかった。
しばらく滑ると、今度は先行者のシュプールは左に向きを変え、沢を越えてさらに北東の尾根に延びていっている。もはやこのシュプールを信じ切っているので、後を追って左の尾根に。
本日は滑降ルートとしてGPSに2本設定してきており、これまで南側のルートを滑ってきたが、この尾根は北側のルートにあたる。
こちらは登りルートから近いこともあり、他にも幾つかのシュプールが残っている。これまでのような疎林帯とまではいえないが、木の間は十分広く、相変わらず雪も良いので快適に滑り続ける。
シュプールを追って滑り続けたところ、いつの間にやらGPSに設定していた北側尾根のルートからも外れ、さらに北の、登りルートとの間の枝尾根を滑っていることに気づく。まあ相変わらず滑りやすい斜面だし、問題はなかろう。
やがてこの枝尾根は尽き、右手の沢へ。しばらくは沢底も問題なく滑れたが、やがて左からの沢が合流したところでV字の深い谷になる。谷の左上にはリフトが動いており、もうゲレンデの真横に達しているようだ。
沢は狭く左右の斜面の滑りやすそうなところを選んでトラバース気味に滑る。必ずしも困難な地形ではないが、もはや疲れきって力が出ず、転びまくる。もういいや。さっさとゲレンデに合流したい。
13:57 950m やっと沢を抜け、ゲレンデ横の平原へ。斜度はほとんどないが、トレースがあるのでそれに乗れば十分滑る。下りラッセルすることなくあっという間にゲレンデに合流することができた。
(2014/1/25)
黒姫高原スノーパークや信濃町I.C付近には温泉がないものと思っており、以前はわざわざ妙高の方まで出向いていた。
しかしホテル・旅館の立ち寄り湯であればちゃんとあるのであった。
ここもその一つ。
往々にしてスキー場近くの日帰り温泉は混雑するものだが、このホテルは帰り道とは関係ない奥まった丘の上にあり(クロカンコースがあるほう)、さらにホテルの立ち寄り湯ということもあってか、外来客はあまり来ない。
これといった特色はなくあたかも普通の風呂のようではあるが、ホテルの日帰り入浴にしては安いし、なによりすいているのがよい(ホテル客が入る夕方以降はわからないが)。