※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
連休最終日の今日は、行動時間が短くかつ東京まで帰りやすいという理由で安達太良山にする。
この山も入門者向けコースとして有名だが、ここだけを目的に遠路はるばるやってくるほどの価値は感じられず、メジャーな割には今回が初めての登山になる。まあ今回のように東北遠征のついでに軽くちょっと、というような場合には良いかもしれない。晴天率が高いのもうれしい。
一般的なスキー場からの往復コースでは物足りなさそうなので、今回は塩沢温泉へのコースを滑ることにする。駐車場へ戻るのが多少面倒だが、タクシーで1000円程度だというし、それだけで倍の滑走が楽しめるのであれば単に往復するよりも良いだろう。
スタート地点まではゴンドラ1本なので駐車場でさっそくシールを付ける。人気コースだけあって、この時点ですでに登山者や山スキーヤーが目に付く。
ゴンドラを降りてすぐ、登山道の看板に導かれて出発。しばらくは斜度のない五葉松(?)の密生する林の中を縫うように進む。往復コースの場合ここを戻ってくる必要があるはずで、これはちょっとスキーになりそうもない。
10分ほどで視界は開け、頂上方面がガスの中に見え隠れするようになる。一見あっという間に着きそうに見えるが、実際の山頂は意外に奥深く、登るにつれ、それまで山頂だと思っていたピークにまだまだ先があることに気づく。
稜線まで出るとガスの中。GPSに設定したルート通りに進んだが、まあこの時期は高い方を目指して登っていけば間違いない。
10:07 山頂直下の広場に到着(P7)。結構歩いた気もするが、たかだか1時間程度だ。
ここで板をデポし、「乳首」と呼ばれる山頂に登る。登山道のある東面は切り立っており、アイゼンがないとちょっと緊張。下りは雪の付いた南側の斜面を適当に降りたが、この時期はこっちのほうがよっぽど安心して降りられた。
さて下り。GPSに設定したルートは山頂を経由して東面を滑るようになっているのだが、スキーを履いての山頂経由はちょっとキビシイ。ガスで下の様子が見えないが、山頂直下はかなり急斜面に見える。とりあえず少し戻り、斜度が緩くなった辺りをトラバースすることにする。
まずは東面の尾根が目標か?と思いそこまでトラバースし、GPSで確認すると進みすぎている(P8)。地図を出して確認してみると、なんだ、わざわざトラバースしたこの谷をそのまま滑ればいいんじゃないか。たぶん晴れて視界が利けば山頂直下からなんてことなく滑れていたんだろう。ちょっとクラスト気味だが、なかなかの斜面だ。
標高1540m地点で沢をはずれ北へちょっとトラバース。すると東側にかなり魅力的な沢が延びているのが見える。GPSを見ると多少方角がずれているが、まあ後で復帰できるだろう。標識は見あたらないが、しばらくこの沢を滑ることにする。
快適に途中まで滑ってGPSを確認すると、、、あ、これは下りすぎ、目指すルートは左に目立ってきた尾根の向こうだった。まあ致命的ではない。トラバースして尾根を越え、篭山(P9)の直下を最初はハの字で、雪が硬くなったところで板を脱ぎ、正規のルートの上部へ出る。
正規ルートを見下ろすと、登ってくる連中が意外といる。この時点では塩沢温泉からの入山者かと思ったが、ゴンドラを使わずに下から登る正規の登山ルートだと後でわかった。
篭山から谷底まではなかなかの斜面で、ここからも豪快に滑れる……と思いきや、塩沢温泉へのルートは下まで降りずに途中でトラバースする必要があった(P10)。
この先は勢至平へ向かい、傾斜は緩やかながら五葉松(?)の疎林の広がる魅力的な斜面になる(P13)。ほとんど直滑降なのでP14の地震観測局の脇まですごい勢いで進む。
P14からは南東に向きを変える。ほとんど傾斜はないが、立派なトレースがあるためジェットコースターのようにドンドン進むことができる。
が、ここは100m程度滑ったら東に方向を変えなければならない。そのことをピエールに伝えていなかったため、ピエールはトレースに乗って遙か彼方まであっという間に滑り去ってしまった。追いついた頃には、正規ルートとの間は深い沢で隔てられている。これは最初の間違いと違い、板を外さずに正規ルートに復帰するのは無理そうだ。
ではこのトレースはなんなんだろうと地図を確認すると、何のことはない、あだたらスキー場からの正規の登山道だった。ここを降りていけば普通に駐車場に戻ることができる。山スキールートとして紹介しているガイドブックを見たことがないのは多少気がかりだが、まあなんとでもなるだろう。このままトレースに沿って降りることにする。
まずは樹林帯を滑ることになるが、木はそれほど濃くなく、斜度もそこそこなので意外に楽しい。
しかしそう思ったのもつかの間、樹間は狭くなり、細くクネクネしたジェットコースター状の深いトレースになる。こうなると厳しい。
しばらくの間スピードコントロールに苦しみながら滑っていくと、トレースがところどころ林道と交わるようになる。大きく蛇行する林道をショートカットしてトレースが延びているようだ。となれば、これは林道を滑ったほうが楽だ。斜度はなくなるが、幸いこちらにもトレースがあったためそれに乗って快適に進むことができた。
標高1000mの地点に橋があり、それを渡ると林道は多少登りになる。ハの字でなんとか登ると、林道のすぐ脇にスキー場ゲレンデが現れる。林道はまだ先に伸びているようだが、また登り返しがあるとイヤだし、ここはもうゲレンデに出て一気に戻りましょう。
合流地点はゲレンデの下部で、あとはカチカチのバーンを滑ってあっという間に駐車場だ。