※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
今年もいよいよGWとなったが、前半の3連休は出張先の大阪で休日出勤。3日に帰省するとして、スキーに当てられるのは後半の3日間だけだ。ダマ、ピエールもカレンダー通りの休みということで、今年はこじんまりと2泊3日で月山・鳥海山の東北ツアーの計画を立てる。
が、いざ前日になってみると、東北は3日間とも天気が悪そう。その点、長野方面は多少はマシで、少なくとも土曜は晴れが期待できる。
ということで急遽、昨年に続いて白馬蓮華温泉に行くことに決定。金曜、日曜は宿への往復だけなので天気に応じてルートを選べばいいし、好天が期待できる土曜日にメインの山に登ればよい。昨年は雪倉岳に登ったので、今年は朝日岳というところか。 連休の真っ只中なので宿は混雑し、昨年のように優雅には過ごせないだろうが、まあそこは仕方ない。
朝8時、道の駅「白馬」集合。それから白馬のガストで朝食。だいぶゆっくりだが、これ以上早い時間に集合する気力はない。まあ白馬乗鞍まで登っても蓮華温泉まで3時間半。天狗原から直接なら2時間程度。山は早立ちが基本とはいえ、問題はなかろう。
11:40 1826m ゴンドラ駅発。
昨年同様、今年も残雪は多い。
雨は降っていないが、天狗原から上、乗鞍山頂辺りは深いガスの中。午前中は晴れ間も見えたとのことだが、夕方からは雨になるらしい。
まずは天狗原まで。今シーズンは体が十分に作れなかったので昨年のように軽やかに歩けるわけではないが、すぐそこなので問題はない。
12:39 2200m 天狗原。
ガスはいよいよ深く、視界はほとんどない。
状況次第では白馬乗鞍を越え、反対側の天狗の庭の尾根を滑ろうかとも考えていた。が、このガスの中で初めてのコースを滑るのは心許ない。
だからといって昨年のように乗鞍岳までピストンで往復しようにも、この視界では広大な東斜面もさほど楽しめないだろう。
ということで、このまま振子沢を滑ってさっさと蓮華温泉でくつろぐことにしましょう。
となれば後は1時間もかからない。行動を始めてまだ間もないが、ここでゆっくり昼休憩としましょう。
ところが、食事をとっている間にだんだんとガスが切れ、乗鞍岳が姿を現し始める。こうなると俄然やる気が出て、一転、乗鞍まで登ることにする。
12:58 休憩終了。
目の前の乗鞍岳へ向かう。
やはりガスが途切れたためか、数パーティーが同様に登り始めている。当然ここはぶっちぎりだが、一人女子高生くらいのおねーちゃんが、板を肩に担いだまま、同行の男どもを置き去りに我々とさほど変わらぬペースで登ってくる。かっちょいいっす。
13:40 2430m 乗鞍岳東端の2436点に到着。
天気はまだまだ持ちそう。せっかくなので、このまま白馬大池を越えて天狗の庭コースを滑ることにしましょう。
山頂は雪が溶けて一面のハイマツ帯。雪の繋がっている南側から回り込むが、ケルンの直前でこちらもハイマツ帯に阻まれる。さほど密集しているわけではなく歩くのに困るほどではないのだが、なにしろダマがいる。彼は人間よりも植物の味方なのだ。始めから素直に板を担いで登山道を歩いておけば良かった。
ダマはしばらく躊躇していたが、結局あきらめてハイマツを傷つけないよう慎重に歩いてくる。
13:52 2450m ケルン。
ダマが来るのを待って白馬大池に向け出発。ここからはザックに板を付けて登山道を歩く。乗鞍山頂は広いと頭ではわかっていたが、想像以上に横断に手間がかかる。
5分ほど歩くと眼下に白馬大池の平原が見え、池まで雪が繋がるようになる。
登山道は北西に延び池の北側を巻いているが、相変わらず雪は付いていない。ここはスキーを履いて大池を横断することにしましょう。
14:16 2378m 白馬大池東端。
そのまま北西に池を横断する。
左には船越ノ頭から蓮華岳、白馬岳へと繋がる尾根。最終日、金山沢へ向かう場合はこの尾根を登る必要があるのだが、思ったより高度差がある。といっても200mチョイなのだが、以前、船越ノ頭から白馬大池を見下ろした時はすぐそこに見えたのに、下から仰ぐとまた印象が違うものだ。
それにしても数時間前にここを登っていったパーティーが、よもやあんなことになろうとは。残念なことです。
そのまま乗鞍岳2469m点の北西尾根に出るべく、なだらかな西斜面を北へトラバースする。
空は再び厚い雲に覆われ、いつの間にかポツポツと雨が降り出す。
14:33 2378m 乗鞍岳2469m点北尾根。
尾根の最上端には達していないが、尾根上はハイマツが生い茂っているし、もうこの辺りからシールをはずしてトラバース気味に滑り込んでもいいでしょう。
それにしても乗鞍岳東端にたどり着いてからもう1時間弱。思った以上に手間がかかった。これで滑降コースがイマイチだったら、今後こちらのルートから蓮華温泉に行くのはやめよう。
14:45 滑降開始。
当初予想していたイメージだと、尾根は細いし傾斜は急だし、おまけに木も濃そうなので結構滑りづらいような気がしていた。
が、予想外に木はまばら。いい感じに滑り降りられる。
2308点の小ピークは左からトラバースし、北西尾根の右端に出る。眼下に湯気の立つ蓮華温泉の源泉、そして蓮華温泉ロッジが見下ろせるようになる。
15:12 2050m 天狗の庭。
いよいよ尾根は狭く、傾斜もきつくなるが、完全な無木立。こういう斜面は得意なのだ。ジャンプターン気味に調子よく滑っていく。
後はどこかで右手の谷へ降りればいいのだが、最適なドロップポイントがわからない。
途中、多少急だが谷底まで雪がつながっている斜面があり、ここから降りるかちょっと迷う。が、尾根上もまだ滑れそうだし、先行者のトレースも付いている。ということでまだ尾根上をまっすぐ進むことにするが、すぐに尾根上は木に邪魔されまともに滑れなくなる。
トラバースすればまだ先ほどの斜面に戻ることができる。かなり急だがなんとかなるだろうと、滑落しないよう慎重にトラバース。なんとか谷底にたどり着く。
ピエールも無難に降りてくるが、ダマは途中で滑落し、雑木帯に突っ込む。怪我はなさそうだが、急傾斜であり、木に板が引っかかって身動きできない様子。かなり手間取っているので助けに行く。
その間に雨はいよいよ本降りに。時間ももう16時近く、天気のせいで辺りはもう薄暗く気は焦る。が、ここを切り抜ければ後はすぐそこだ。
15:51 1670m 20分ほどでようやく脱出。後はなだらかで広い谷底を滑るだけ。
15:59 1453m 雪倉、朝日岳へ続く登山道へ合流。板を履いたまま3分ほど歩けば蓮華温泉である。