※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
5年前、妙高からの帰りにたまたま戸隠スキー場の横を通りかかり、そういえばここを起点とした飯縄山へのお気楽周遊コースがあるはずだ、と地図もないのに登ってみたことがある。しかしそれは甘い考えで、案の定下りの尾根を間違え、ゲレンデまで1時間以上の林道歩きをするはめになった(林道に出られただけでもラッキーというものだろう)。さらには下山地点にあった風呂に車で行こうとしてもたどりつけなかったり、変な民宿でソバを食ってしまったりと、全体としてかなり悔いの残る山行であった。
それ以来雪辱せねばと思いつつも、高速道を降りてからのアクセスが面倒で今ひとつ乗り気になれなかったのだが、「長野まではなんとか天気はもちそう」との予報に接し、久しぶりに行ってみることにする。
下山後風呂に直行できるようにと、スキー場のメインの駐車場ではなく、神告げ温泉のある中社ゲレンデ方面に車を置く。
リフト2本を乗り継いで一度輿水ゲレンデのベースまで降り、そこからリフト2本を使ってゲレンデトップへ。1mほど階段登行すれば、そこがスタート地点の瑪瑙山だ。
瑪瑙山からはいきなり下り。降雪直後でたまたま20cmほど新雪がかぶっているが、その下はガチガチのハードバーン。ブナと白樺の疎林の魅力的な斜面なのだが、日当たりが良いのでこの時期は降雪直後でなければこんな状態なのだろう。
あっという間にコルの最低部まで滑り降り、シールをつける。あとは目の前に見える飯縄山北峰まで尾根上を一直線だ。すぐに1700mの小ピークが現れここは右から巻いたが、そこそこ急な斜面なので雪が落ち着いていないとちょっと危ないかもしれない。そのまま尾根上を進むのが正解かも。そこを過ぎるとあとは危ない個所はない。山頂直下は多少斜度がきつくなりジグザグに登る必要があるが、シール登行で楽に登れる。コルからは45分余で北峰に着く。
長野方面はガスの中。ちょうどこの山がガスを遮っており、戸隠周辺だけぽっかり晴れ渡っている。これはラッキーだった。
休憩もそこそこにそのまま南峰へ。登りはあまりなく、馬の背を10分ほど進めば楽に南峰へたどり着く。風もなく本来はゆっくり食事をとるところなのだろうが、まだたいして行動していないのでシールをはずして早速滑り出す。
滑り始めてすぐに左に向かうトレースが現れるが、これは登山道を往復する登山者のもの。スキールートは真っ直ぐ、雪庇の発達したデコボコしたヤセ尾根上だ(P7,P8)。
ルートを確認していると単独スキーヤーが抜かしていき、デコボコの尾根上を避けて左斜面をトラバースしていく。しかしそちらのルートは後で登り返しが面倒そうで、私はヤセ尾根上をそのまま真っ直ぐ進むことにする。最初あまりのデコボコぶりに躊躇するが、2~3歩階段登行したらあとは何でもない。先程の単独スキーヤーはまだ下で手間取っている。下手にトラバースせず、こっちが正解のようだ。
デコボコ地帯を抜けると少しの間快適な斜面。しかし調子にのって飛ばさないこと。すぐに間違えやすい尾根の分岐がある(P9)。前回間違ったのはここだ。P9の広場から木の濃い右前方を覗くと、進むべき尾根が見える。
尾根をちょっと下ると木は薄くなり、快適な斜面が続く。しばらくは迷うポイントはないが、なにしろ初めてのコースなので細かくきってGPSを頻繁に確認しながら進む。その間に先程のスキーヤーにまた抜かされる。
日の当たる尾根上はさすがに雪は良くない。Banditであればなんてことないが、細板であれば苦労するかもしれない。
やがて次の尾根への分岐ポイント。しばらく前から先行スキーヤーのトレースが消えていたのだが、ここで右斜面からトラバース気味に復帰している。このルートにはかなり習熟しているようなので、雪の悪い尾根上をあえて避けて滑っていたのかもしれない。
P14を過ぎると、あとは快適なカラマツの広い斜面。斜度は緩いが、雪は落ち着いているので快適に滑れる。ほとんど直滑降で、あっという間に林道に合流する。
林道はシールをつけずにスケーティングを交えながら進んだが、途中までは心持ち登り気味で多少疲れる。思い切ってシールを付けてしまった方が楽だったかもしれない。それとカラマツ林の途中で右に進めば林道をショートカットできるはず。次回試してみよう。
途中に出てくる小屋(忍者村?)からは除雪車が入りきれいに圧雪されているので、ここからは板が滑るようになる。万が一車がやってきたら避けようがないが……。
なんだかんだ言って合流地点から10分程度で神告げ温泉にたどりつく。駐車場は雪が付いているので、そのまま車まで滑り込めるのがうれしい。あとはそのまま着替えを持って温泉だ。
(2005/2/27)
中社ゲレンデにある立派な温泉施設。それゆえ夕方過ぎるとだいぶ込むのかもしれないが、昼のこの時間はガラガラだった。食事処も霧下蕎麦を中心とした魅力的なメニューが並ぶ。次回はここで食べてみよう。
風呂自体は至ってシンプルだが、下山してそのまま入浴できるというのは大きなポイントだ(なにしろ風呂の駐車場に車を止めているわけだし)
駐車場:無料
ゲレンデトップまで:300円×4枚(または3枚)