※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
お馴染み会津駒ヶ岳に行く途中にある三岩岳。一度滑ってみたいと思っていたが、南会津はなにしろ遠い。高速道を降りてからが長く、峠越えもあるため、積雪期に雪道を走ってここまで来る気にはなれないのだ。
これが会津駒ヶ岳なら、路面の雪が消える4月以降でも十分楽しめるのだが、登山口の標高が高い三岩岳はそうはいかず、その頃には下部の雪は完全に消えている。それでは十分楽しめないということもあって、ちょっと二の足を踏んでいた。
そんな折、ヤマレコに最近の記録がアップされ、なんだか無性に登ってみたくなる。
下部は雪が切れかけているようだが、全般的にはまだまだ十分楽しめそう。このところ好天続きで道中の雪も消えているはずだし、さっそく行ってみることにする。
候補は尾根伝いの旧道(国体)コース。他にも沢沿いの新道(黒檜沢)コースなんてのもあるようだが、こちらはすでに沢が出ているかもしれない。まぁどちらを滑るかは現地の様子を見て決めましょう。
登山口駐車場はスノーシェード内の小豆温泉分岐を曲がったところ。まだ除雪されておらず2台ほどの駐車スペースしかないが、幸い朝早いので他に車は止まっていない。
ちなみに下山後に気づいたのだが、旧道登山口近くに10台ほど駐車可能な路側帯があり、みんなここに停めているのであった。
06:42 795m 小豆温泉駐車場発。
道路を渡ってすぐ目の前が黒檜沢。しかし沢はすでに轟々と雪解け水が流れていて、ここを歩くのはぞっとしない。予定通り旧道コースを登ることにしよう。
スノーシェード内を5分ほど歩き、旧道コース登山口へ。スノーシェードを出たところでさっそくシールを付け、NTT中継アンテナのある尾根まで直登する。ただでさえ急傾斜の上、雪がまだ硬く、シールでは登りにくくて少々手こずる。本来の登山口はもうちょっと先なので、面倒がらずにそちらから回り込んだほうが良かったかもだ。
07:15 894m NTT中継アンテナ。
ここからしばらく細い尾根道が続く。傾斜はほとんどないものの、雑木がうるさく、雪もところどころ切れている。無理せず板を背負って歩くことにする。
30分ほどで尾根は広がり、傾斜も出てやっとすっきりとしたスキー向きの斜面となる。雪も完全に繋がり、再びシール登行に切り替える。
さらに1時間ほどで1308点のある平原へ。広々とした開放的な場所で、正面には窓明山が望める。休憩にはもってこいの場所だ。
8:49 1290m 黒檜沢コース合流。
ここはちょっとしたコルになっていて、先ほどの1308点から緩やかに20mほど下ることになる。
ここからが第2ステージ。右前方に見える1699点に向け、S字状の尾根を登る。さほど広い尾根ではないが、下部はブナ、上部はオオシラビソの疎林帯となっていて、登っていてなかなか気分がいい。
1600mで右にカーブするところまで登ると、黒檜沢の向こうに「三ッ岩」が望めるようになる。山名の由来となった、山頂から300mほど東にある岩峰だ。山頂はもうちょっとだけ奥の方にあるので、この辺りからはこの岩のほうがよく目立つ。
09:52 1699点。
ここから傾斜は緩くなり、尾根もだんだんと広がってくる。左前方に見える三ッ岩に向かい、左斜面をトラバース気味に登る。
1816点から先は広大なスロープ。あとはこの緩やかな斜面を登るだけ。あっという間に登れそうだが、疲れが出て足が止まり、なかなか山頂は近づかない。
10:59 2060m 三岩岳。
展望を楽しみながらゆっくり昼休憩といきたいところだが、山頂一帯だけオオシラビソが密生し、眺めが悪くて休憩場所もとれない。もっともちょっと西に移動すれば展望は開け、会越・尾瀬の山々を一望できるようになる。特に北西の越後駒ヶ岳や守門・浅草岳なんかはまだまだ真っ白でよく目立つ。空気も澄んでいて、遠く飯豊山なんかも見える。
ただ、風が強くてゆっくりできない。ちょっと下り、途中にあった避難小屋の辺りで昼食をとることにする。
11:16 滑降開始。
上部は針葉樹の点在する広大なスロープで、なんとも贅沢なゲレンデのよう。雪質は必ずしも良いとはいえず、新雪ストップスノーとクラスト雪が混在して少々滑りにくいが、ロケーションが素晴らしいので実に気分良く滑っていける。
11:25-11:41 1841m 避難小屋。
屋根が出ているだけなので風よけにもならないが、なんとなくここで昼休憩。
休憩後、引き続きメローな大斜面を楽しむ。だんだんと雪は柔らかく、この程度の傾斜ではストップがかかって滑りにくくなるが、それでも楽しいことに変わりはない。
11:46 1699点。広大なスロープもこの辺りで終了。
この辺りからポツポツと登ってくる人とすれ違うようになる。今日は自分だけかと思っていたが、単にスタートが早かっただけで、想像していたよりも入山者は多い。といってもせいぜい3~4組程度。快晴の日でこうなのだから、やはり会津駒ヶ岳なんかに比べるとはるかに少ない。
ここからは尾根上の滑降。
すぐ隣の会津駒ヶ岳と似たような感じだが、人が少なく、雪が荒れていない分だけ滑っていて楽しい。
1308点のピークは右から巻いていく人のほうが多いようだが、ステップソールの自分はこの程度の傾斜なら苦もなく登れる。右から巻くよりその後の滑降が楽しめるだろうと、そのまま1308点を経由し、尾根上を真っすぐ滑る。
下るにつれだんだん木は濃くなってくるが、まだ十分快適。
12:18 985m 快適な滑降はひとまずここで終了。この後はNTT中継アンテナまで、ところどころ雪の途切れた狭い尾根が続く。
左の沢は雪が残っているように見えるが、繋がっているかどうかわからない。この先は谷が深くなるので、ダメだったからといって簡単に尾根まで戻ることはできない。ここは安全に尾根上を進むことにしよう。
登りは板を背負って歩いたが、下りはできるだけスキーで粘る。ところどころ板を外しながら、できる限り雪を拾って滑り続ける。
12:36 893m NTT中継アンテナ。
ここから車道までは再び滑降可能。無理にスノーシェード入口を目指さず、快適そうな斜面を選んで滑る。
その結果、入山地点よりちょっとばかり下ったところで車道に合流。ちなみにその近くに10台ほど駐車可能な路肩スペースがあり、みんなここに車を停めているのであった。
ともあれ、あとは小豆温泉まで10分ほど車道を歩いて終了である。