2016/05/06 鳥海山(湯ノ台~千蛇谷)

目的地
鳥海山
地域
東北中部
日時
2016/05/06
コース
湯ノ台~行者岳~新山~七五三掛~行者岳~湯ノ台
メンバー
単独
装備
MADSHUS:EPOCH('13)/Burnt Mountain Designs:Lite Spike 3pin('15), Scarpa:T2('13)
天気
晴れのち曇り

コースデータ

コースタイム
鳥海公園青沢線824m[6:45]↑[10:19]行者岳[10:28]↑[11:02]鳥海山[11:36]↓[12:03]外輪山・千蛇谷分岐↓[13:15]行者岳[13:21]↓[14:42]鳥海公園青沢線824m
山行時間
07:56
実移動時間
07:16
最高高度
2232m
最低高度
816m
累積標高差(登り)
2120m
累積標高差(下り)
2121m
移動距離
18.29km
平均速度※1
2.52km/h

※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度

グラフ

記事

05:53 817m<br />鳥海公園青沢線からの鳥海山
05:53 817m
鳥海公園青沢線からの鳥海山
06:46 817m<br />最終融雪地点に駐車
06:46 817m
最終融雪地点に駐車

この2日間、庄内地方はすっきりしない天気が続いて結局スキーはできずじまいだった。麓はまずまずの天気でも、登山口まで登ると風雨が激しく、とてもじゃないが山に入る状況ではない。さすが鳥海山、5月といえど冬型気圧配置になると一気に荒れる。
で、本日やっと晴天。明日はまた雨だそうで、GWのスキーはこれが最後になりそう。もともと今日は湯ノ台コースを滑って終わりにするつもりだったが、最後ということもあり、もうちょっと欲張ることにする。すなわち
①湯ノ台~新山~千蛇谷滑降(七五三掛まで)
②七五三掛~行者岳~湯ノ台コース滑降
の2本立て。
累積高低差はそこそこあるが、2日間休んだことだしなんとかなるだろう。

スタートは鳥海公園青沢線の最終融雪地点から。この道路は除雪車が入らないので、雪解け具合によってスタート地点が変わる。今年は標高817m、荒木橋の700mほど手前まで。今シーズンは雪が少なかったので昨年より上まで車で登ることができた。
一方で雪解けは昨年より遅いので、上部については昨年よりはるかに雪が残っている。昨年は心字雪渓ぐらいしか滑れなかったが、今年はいろいろ選べそう。

07:10 913m<br />しばらく車道歩き
07:10 913m
しばらく車道歩き
07:20 953m<br />車道をショートカットし、ブナ林を登る
07:20 953m
車道をショートカットし、ブナ林を登る
07:38 1048m<br />眼下に鶴間池
07:38 1048m
眼下に鶴間池
07:52 1159m<br />車道終点が近づくとすっきりした斜面に
07:52 1159m
車道終点が近づくとすっきりした斜面に

06:45 817m 鳥海公園青沢線 最終融雪地点発。
昨年はちょうどこの辺りで車道を離れ、荒木川左岸尾根に取り付いた。しかし今年はヤブが出まくっていて、この尾根を登るのはちょっと気が進まない。それに今日は行者岳直下の雪渓を登るつもりで、その場合は右岸尾根を登ったほうが効率はよいはず。なのでこのまましばらく車道を歩き、荒木橋を渡って右岸まで出てしまうことにする。
路面の雪はところどころ途切れているので板を担いで歩く。

07:11 鳥海公園青沢線914m。
橋を渡って最初の大きなカーブの先で車道を離れ、シール登行を開始。蛇行する車道をショートカットで登っていく。
この辺りは気分の良いブナ林で、ヤブもほとんどないのでスッキリ歩ける。

07:57 1203m<br />車道終点の駐車場
07:57 1203m
車道終点の駐車場
08:01 1231m<br />雪渓をチェック
08:01 1231m
雪渓をチェック
08:46 1558m<br />滝の小屋を見下ろす
08:46 1558m
滝の小屋を見下ろす
08:56 1619m<br />板を外して隣の雪渓に移動
08:56 1619m
板を外して隣の雪渓に移動

07:58 1204m 滝ノ小屋登山口駐車場。
ここで車道は終了。この辺りは広い雪原になっていて、外輪山の様子も一望できる。残雪はまずまず。例年よりはるかに少ないのだろうが、それでも昨年に比べればだいぶマシ。特に隣の中沢雪渓というのが行者岳までまっすぐ雪が繋がっており、ここを登るのが良さそうだ。今いるマタフリ沢雪渓(貝型雪渓)からだと途中でハイマツ帯を越える必要はあるが、数メートル程度なのでさほど手間ではない。
ちなみに夏道はここから滝ノ小屋方向に延びていて、そちらに向かうトレースも多い。そちらからなら多少遠回りになっても雪はつながっているはず。どちらを登るかはお好みでいいだろう。

09:06 1657m<br />あとは行者岳まで雪渓が繋がっている
09:06 1657m
あとは行者岳まで雪渓が繋がっている
10:04 2023m<br />今日は日本海もきれい
10:04 2023m
今日は日本海もきれい
10:20 2150m<br />行者岳より振り返る。正面に月山
10:20 2150m
行者岳より振り返る。正面に月山
10:27 2154m<br />新山へ。外輪山上は一面の雨氷
10:27 2154m
新山へ。外輪山上は一面の雨氷

ハイマツ帯を越えて中沢雪渓に出たら、あとはこの雪渓を行者岳まで詰めるだけ。傾斜は緩いとはいえないが、シールが効くので真っすぐどんどん登っていける。
ちなみにこの中沢雪渓、行者岳まで雪はつながっているものの、他の雪渓と比べ必ずしも広いわけではない。といっても狭いところでもゲレンデのコース幅ぐらいはある。帰りもこの雪渓を滑るということで問題ないだろう。

10:36 2176m<br />梯子も氷付け
10:36 2176m
梯子も氷付け
10:39 2186m<br />千蛇谷を見下ろす
10:39 2186m
千蛇谷を見下ろす
10:46 2205m<br />外輪山から谷へ下る箇所
10:46 2205m
外輪山から谷へ下る箇所
10:52 2195m<br />氷結しているので慎重に
10:52 2195m
氷結しているので慎重に

10:19-10:28 2150m 外輪山稜線(伏拝岳と行者岳の間)。
ここでシートラーゲンに切り替え、外輪山コースにて新山へ向かう。登山道はあまり雪が付いていないので、アイゼンは履かないことにする。
この外輪山ルート、溶岩石がゴツゴツして歩きづらいのではないかと思っていたが、実際はよく整備されていて、テレマークシューズでも無難に歩ける。昨日までの雨で外輪山上は一面に雨氷がこびりついていたが、アイゼンなしでも大丈夫。眺望もいいし、思った以上に楽しめる。

行者岳から20分ほどで七高山からのルートに合流。ここでいったん千蛇谷まで下ることになる。この岩場のルートは完全に氷結しており、さすがにアイゼンなしで降りるのは緊張した。

10:54 2175m<br />新山への登り
10:54 2175m
新山への登り
11:06 2229m<br />今日は飛島も見える
11:06 2229m
今日は飛島も見える
11:07 2232m<br />月山を望む
11:07 2232m
月山を望む
11:14 2225m<br />山頂標識の代わり
11:14 2225m
山頂標識の代わり

谷まで降りたら一安心。この先は山頂まで十分雪が付いており、傾斜もほどほど。3日前に暴風で苦労したのがウソのようにサクサク登れる。

11:02 2232m 鳥海山。
山頂一帯にはほかに1パーティーがいるだけ。夜間規制している吹浦口・象潟口から登ってくるには時間的にまだ早く、矢島口からの登山者は、先ほどの氷結したルートを嫌ってのことかもしれない。
今日は3日前よりも空気が澄んでいて、ピークとはまた違う北側の岩峰に登ったりして眺望を楽しむ。ここからは日本海に浮かぶ飛島なんかもきれいに見える。
しかしあまり落ち着いてもいられない。まだ七五三掛からの登り返しが待っている。

11:37 2190m<br />鳥海山神社
11:37 2190m
鳥海山神社
11:42 2031m<br />千蛇谷の滑降
11:42 2031m
千蛇谷の滑降
11:45 1852m<br />振り返る
11:45 1852m
振り返る
11:58 1843m<br />トラバース地点より稲倉岳と千蛇谷
11:58 1843m
トラバース地点より稲倉岳と千蛇谷

11:36 滑降開始。
まずは七五三掛分岐まで千蛇谷を滑る。3日前もかなり楽しめはしたが、実際のところ雪は少々重めだった。しかし今日は絶妙のフィルムクラスト。思うがままに板が回り、3日前以上に快適に滑れる。
この時間になると、吹浦口・象潟口からの登山者がポツポツと登ってくる。自分と同様この2日間停滞していたという方々もいて、久々の快晴の下、この素晴らしい斜面の滑走を楽しみにしている。

12:03 1838m<br />行者岳まで登り返し
12:03 1838m
行者岳まで登り返し
12:18 1912m<br />千蛇谷源頭
12:18 1912m
千蛇谷源頭
12:34 1995m<br />文殊岳より新山
12:34 1995m
文殊岳より新山
12:35 1993m<br />次は伏拝岳
12:35 1993m
次は伏拝岳

11:48-11:52 1807m
ここで千蛇谷の滑降は終了。休み休み滑っているのだが、それでもあっという間だった。快適に滑れるのはいいが、逆に物足りなく感じる。
ここで板を担いで七五三掛まで外輪壁をトラバース。アイゼンは履かないことにする。雪はほどよく柔らかく、トレースも残っているので普通に歩いていける。

12:03 1838m 外輪山・千蛇谷分岐。
ここからは外輪山コースを使い、行者岳まで登り返す。雪が中途半端に残っていて、先ほどの行者岳から上のルートに比べると若干登りにくい。とはいえたいしたことはない。2日間完全休養できたこともあり、さほど疲れを感じずに登ることができた。

13:04 2122m<br />伏拝岳付近
13:04 2122m
伏拝岳付近
13:23 2031m<br />行者岳より滑降開始
13:23 2031m
行者岳より滑降開始
13:29 1756m<br />それでも十分楽しい
13:29 1756m
それでも十分楽しい
13:36 1670m<br />このハイマツ帯を越えて右の尾根に
13:36 1670m
このハイマツ帯を越えて右の尾根に

13:14-13:21 2157m 滑降ポイント(伏拝岳-行者岳中間)。
いよいよ本日のラスト、湯ノ台コースの滑降。昨年はちょっと下の文殊岳から心字雪渓を滑ったが、雪質が素晴らしく、とても楽しく滑ることができた。違う雪渓とはいえすぐ隣、今年も楽しめるはず。
しかし雪はすでに腐れ気味で、昨年ほど滑りはよくない。そのうえ細いクラックがところどころ隠れているので油断もできない。といっても昨年の心字雪渓や今日の千蛇谷が素晴らしすぎただけ。これはこれで十分に楽しめるのだ。

13:55 1325m<br />途中で違う雪渓に。ヤブ漕ぎで戻る
13:55 1325m
途中で違う雪渓に。ヤブ漕ぎで戻る
14:09 1151m<br />車道合流後はショートカットで
14:09 1151m
車道合流後はショートカットで

1600mくらいまで下りたら、どこかで右手のハイマツ帯を越え、隣の雪渓に移る必要がある。
ちょっと上から越えやすそうな場所を探し、往路より下の場所でハイマツ帯を横断する。
しかしこれは失敗。本来、ハイマツ帯を横断したらそのまま西側にトラバース気味に滑り、マタフリ沢の右岸まで出る必要があったのだ。しかしハイマツ帯を横断した場所が下過ぎて、もはや雪のつながった箇所は通り過ぎてしまっている。マタフリ沢までの間はひどいササヤブ帯で、ヤブの密度といい幅といい、先ほど越えたハイマツ帯の非ではない。
素直に雪のつながった場所まで登り返すべきだったのだが、この先にもまだ横断しやすい場所があるだろうとそのまま滑降。しかしそんな場所は見当たらず、やむなく途中でヤブ漕ぎを実施。これが半端なく大変で、短い距離ながら相当苦労することになった。

14:15 1003m<br />ブナ林の滑降
14:15 1003m
ブナ林の滑降
14:34 857m<br />最後は車道上
14:34 857m
最後は車道上

往路のコースに戻ったら一安心。ほどなく滝ノ小屋登山口駐車場に至り、車道をショートカットして快適なブナ林を滑る。
昨年は春が早かったため、ブナ林はヤニが落ちまくっていて、まったく板が滑らなくなった。
今年は大丈夫、というより昨年が異常だっただけ。雪面はまだきれいで、心地良いブナの緩斜面をのんびり滑ることができる。

14:23 鳥海公園青沢線912m地点。
カンスケ沢登山口(鶴間池へのルート)の下のカーブで車道と合流。あとは駐車地点まで車道を戻るだけだ。
路上の雪は消えているところも多いが、道路脇はそこそこ残っている。板の脱着を繰り返しながらも、7割ほどは滑って戻ることができた。

周辺情報

湯の台温泉 鳥海山荘 ★★★・・
日帰り入浴 510円

(2015/5/5)
「山荘」という名前だが、立派なホテル。
旅館やホテルの風呂の場合、夕方以降は宿泊者のみになるところも多いが、ここは21時まで外来入浴可能。
泉質はさほど特徴を感じなかったが、露天風呂からの眺望はすごい。
塀や樹木など遮るものがなく、だだっ広いだけの高原がはるか彼方まで広がっているのだ。
美しさに感動するというより、ちょっと呆気にとられる感じ。
方角的に鳥海山が見えないのは残念だが、代わりに遥か遠く月山や、日本海に浮かぶ粟島まで見えるらしい(この日は気づかなかった)。
鳥海山の周りには安くて素晴らしい温泉施設がいろいろあるが、ここは湯ノ台口から近いし、湯ノ台コースを滑った後は今後もここになるだろう。


海鮮どんや とびしま ★★★・・

(2014/5/4)
  ズケ丼 680円 ★★★★・

酒田港そばの人気の海鮮料理屋。1Fは鮮魚店になっていて、その2Fにある。
朝7時から朝食営業をやっていて、中でもズケ丼が人気の様子。これを食べるため、登山前にわざわざ酒田まで行くことにした。
このズケ丼、食べログの写真なんかを見ると様々な刺身の切れっ端が乗っているようにみえる。が、少なくともこの日はマグロのみ。それでも十分うまかったので、特に不満はない。
GWのこの日は朝7時前から長蛇の列。といっても店内は広く、セルフサービス制なので、回転も速い。せっかくここまで来たのだからと並んで待ったが、その甲斐もあったというものだ。
ちなみに午後の部(11:00~19:00)の通常メニューも魅力的。夕飯もここにすれば良かったかもしれない(象潟にも良さげな海鮮料理はあるのだが、いろいろと大外れだった)。


(2016/5/2)
  ダンディーセット(海鮮丼とサクラマスの煮付け) 1200円 ★★★・・

18時過ぎに入店。GWのこの時間ということもあってか、お勧めメニューはすべて売り切れだった。
前回訪問後、この地方はサクラマスが有名で、しかも煮付けがうまいということを知ったので、この日はそのセットを食べて見る。
まず海鮮丼は普通極まりない。地魚なんかを使った人気の丼は売り切れだったので、これは仕方ないところか。
サクラマスは小骨が多すぎ、おいしさよりも食べづらいことのほうが印象に残った。
この日の食事だと、せいぜい星3つといったところ。


(2016/5/6)
  王様の海鮮丼 1620円 ★★★・・

先日と同様、良さそうなメニューはすべて売り切れ。残りメニューのうち、もっとも豪華そうなこれを頼む。
ウニ、イクラ、カニ、中トロなど高級食材が乗っているので「王様」なんだろうが、ちょっと中途半端。
これなら安くても新鮮な刺身がたくさん乗っていたほうがありがたい。もちろんこれを選んだ自分が悪いのだが。