※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
今年のGWは5年連続で月山・鳥海山。ただし天気予報サイトの「てんきとくらす」では初日の天気がCランクになっている。正直ここの予報はあまり当てにできないが(実際、登山日和だったようだ)、いきなり庄内まで行くのも大変なので、初日は燧ヶ岳で一滑りすることにした。ここなら「てんきとくらす」もAランク。間違いなく楽しめるだろう。
理由はもう一つ。この山は例年なら5月半ばでも十分楽しめるのだが、今年はすでに熊沢田代の雪が消えているらしい。なので早めに滑っておきたかったのだ。
ピエール、ダマは東北までは来られず、燧ヶ岳だけピンポイントで参加するとのこと。非効率だが各自の車で御池駐車場に集合することにする。
広大な駐車場はしっかり除雪済み。晴天のGWという割りには思ったより車が少なく、駐車場の広さからするとガラガラといっていいくらい。
いつもは登山口に近い奥のほうに停めるのだが、今日はトイレや売店のあるゲート側に駐車。最近は下山してそのまま売店前の靴洗い場でスキー板を洗っているので、こちらに停めたほうが何かと都合が良いのだ。
8:09 1504m 御池駐車場。
今日は駐車場所の関係で沼山峠ゲート側から入山。ゲートからちょっと入れば雪の壁もほとんどなく、容易に雪上に出ることができる。
雪は例年の5月中旬並み。つまりいつも登っている時と同じくらいの残雪量で、これなら十分に楽しめそうだ。
緩やかなオオシラビソの樹林帯をしばらく縫うように歩くと、ほどなく広沢田代への急斜面。ここはいつものように板を担ぐ。シールでも登れる傾斜だが、ヤブが多くてジグザグ登行がしづらいのだ。それにこの時期はツボ足トレースもたくさん残っているので、このほうが楽に登れる。
広沢田代でいったんシールに戻した後、1986点への急斜面で再びシートラーゲンに切り替え。やはりツボ足トレースが残っていたからだが、板の脱着の手間を考えると時間的にはそう変わらないだろう。
9:27 1986mピーク。
ここは広沢田代と熊沢田代に挟まれた小ピークとなっており、燧ヶ岳までのルートが一望できる。
数日前のヤマレコの写真では、熊沢田代は完全に雪が解けて木道が出ていた。しかしここから見る限り、雪はしっかりつながっている。雪が降った様子はないし、あの写真はいったい何だったのか。ともあれここで再びここでスキーを履き、田代までシールで下ることにする。
しかしこれは早計だった。上から見えなかっただけで、田代の手前側はやはり雪が消えていた。まぁそれもわずかな区間。ちょっとの間、板を持って木道を歩けばいいだけだ。
熊沢田代を過ぎるといったんオオシラビソの樹林帯に入るが、すぐに森林限界上に出る。あとは富士山のような単調な1枚バーンだ。
このまま直上すると山頂の北側に出てハイマツ帯に遮られてしまうので、ちょうど山頂に出られるよう、ひたすら左斜め上へと登っていく。
10:31-11:10 2343m 俎嵓。
ひとまず到着。もはやかつてのように2時間は切れないが、悪くない時間だ。これでこのまま下山というのはもったいない。途中までナデッ窪を滑ることにしよう。
このコースは以前から計画していたのだが、なにしろガリー状の急斜面なのでコンディションを選ぶ。ここ数年は直前になぜか季節外れの大雪が降り、雪が不安定なことが多かった。今日は久しぶりに訪れたチャンスなのだ。
ダマも乗ってくれたが、ピエールは面倒くさいとのこと。それでも昼寝して待ってくれるというので、12時半を目処にちょっと滑ってくることにする。
まずは俎嵓の南側の肩から南東斜面へ。かなり急傾斜だが、ザラメ雪なので問題なく滑れる。ただ、ナデッ窪源頭に出るためには途中で尾根を越え、ミノブチ岳の西側に出る必要がある。フォールラインに向かって思う存分滑ることはできず、尾根から下がりすぎないようトラバース気味に滑ることになる。
それはまぁいいのだが、いざナデッ窪分岐の近くまで来てみると稜線上はヤブだらけ。板を外さずに尾根を越えられそうにない。なので予定を変更し、このまま適当な斜面を滑ることにする。ナデッ窪じゃなくても良い斜面はいくらでもある。板を担いでヤブ漕ぎしてまでこだわる必要はないだろう。
ということでミノブチ岳の南東尾根を適当に滑っていると、途中で南西側に向かっているシュプールを発見。そちらはナデッ窪のある方向。もしやと思ってついていくと、やがて眼下にナデッ窪につながる大斜面が。一度は諦めたナデッ窪だが、ここから滑り込むことにしよう。
11:22 ナデッ窪2070m。
ここから沢底の滑走。しかしわかっていたことではあるが、沢の中はさほど広くなく、だいぶ薄汚れている。見上げるとそこそこ広くてスッキリきれいな斜面が広がっているので、ちょうど上部の面白そうな斜面を飛ばしてしまったことになる。残念な気もするが、ここまでの斜面も楽しめたのでまぁいいだろう。
11:24-11:32 ナデッ窪1990m。
事前に2000m辺りまでと決めていたので、ここでナデッ窪の滑走は終了。この先はさらに沢が狭まり、枯れ枝などの落下物も多い。折り返しポイントとしてはちょうど良いだろう。
登り返しはシールを選択。傾斜は強いが、雪が柔らかくてシールが良く効く。自分の場合、ツボ足トレースがないとシールのほうが早いのだ。
一方でダマはシートラーゲン。1986mピークへ登る時とはなぜか反対のパターンになった。
2175mでガリー状の地形は終了。火口と思われるこぢんまりとした広場に出る。斜面の変わり目にハイマツ帯が広がっていたが、3mほどの幅でギリギリ雪はつながっていた。
正面には溶岩ドームの御池岳。今回の登り返しルートはヤマレコの過去記録を踏襲しており、それにしたがってまずは西側の肩に向かって登り、そこから南斜面をトラバースして東の肩を目指す。
が、これはまったく意味がなかった。普通に雪はつながっていたので、初めから東の肩を目指して直登すればいいだけだった。シールの自分はさほどのロスではないが、シートラーゲンのダマはこのトラバースにだいぶ手こずっていた。
12:19 2236m ナデッ窪分岐。
俎嵓はすぐ正面だが、さてこの先どう登るか。
もう板を担いで登山道を歩いてもよいのだが、稜線(登山道)の左右は雪が残っているので、もう少しシールで粘りたい気もする。
滑走に使った東斜面は急すぎてシール登行は厳しそうなので、西側から登ることにしよう。スキーのトレースも残ってるので、こちらからなら山頂直下までシールのまま登れるかもしれない。
しかしこれは判断ミス。急傾斜のため途中で板を担ぐことになり、単に遠回りになっただけ。しかも上部は雪が切れており、結局は板を担いで登山道を登ることになった。
12:50-13:05 2343m 再び俎嵓。
先ほどまで曇っていた北西側もスッキリ晴れ渡り、越後三山や平ヶ岳まできれいに見渡せるようになった。混雑していた山頂もほとんど人がいなくなり、自由に景色を堪能することができる。
とはいえすでに予定より30分オーバー。ゆっくりしていられない。ダマが登ってくるのを待って、ピエールの待つ北側の肩まで下る。
さいわいピエールはちょうど昼寝を終え、様子を見に行こうとしていたところだった。
13:20 滑降開始。
このところ降雪がなかったので斜面はだいぶ荒れている。それでも滑りやすいザラメ雪なので十分に快適。雪も薄汚れているとはいえ、この時期は砂埃を被ってストップスノーになることもある。今日はいちおう板が走るので、さほど気にはならない。
13:34-13:38 1952m 熊沢田代。
ここで雪切れ。とはいえどうせ1986点まで登り返しになるので、雪があっても板を担ぐことには変わりない。
今回は試しにG3の公式サイトに載っていたTips――スキー板を一方のショルダーベルトの下に通し、肩に乗せてしまう方法――を試みる。思ったより安定して両手がフリーになる点は良かったが、ビンディングが首に食い込んできてけっこう痛い。自分の場合、あまり有効ではなさそうだ。
1986点から再び滑走。相変わらず荒れているが、雪質的には滑りやすい。
広沢田代の先の急斜面はすでにヤブがだいぶ起き上がっている。それでもいつもの5月中旬に比べればだいぶマシ。ピエールは先日の浅草岳で開眼したという通り、この樹林帯の急斜面もサクサク滑ってくる。
一方でダマはというと、オープンバーンは格好良く滑るものの、相変わらず樹林帯は苦手のよう。別人かというようなへっぴり腰で降りてくる。
ともあれ最後は沼山峠ゲート前に降りて終了。ちょっとだけだけど念願のナデッ窪も滑れたし、鳥海山に行くついでの山行にしてはまずまずの内容だった。
(2018/04/28)
檜枝岐にある日帰り温泉施設。
近くの「燧の湯」は単純硫黄泉、こちらは単純泉なので泉質的には燧の湯のほうが良さげだが、実際のところ違いは感じない。
設備的にも大きな違いはなく、どちらに行くかは気分しだい。一般的にもどちらが人気ということはなさそうで、「燧の湯」が混雑していてもこちらは空いていたり、はたまたその逆だったりする。
強いて言えば「燧の湯」の待ち合わせスペースは背もたれ付きの椅子がないので、その点は「駒の湯」のほうがいいかも。
際立った良さはないが、登山帰りに汗を流すには十分。
(2018/4/28)
裁ちそばで有名な檜枝岐村を代表する蕎麦屋のひとつ。
ただ、裁ちそば自体あまり好きではないし、どちらかというと近くの「まる家」のほうが好きなので(ただし冬季休業)、最近は寄ることも少なくなってきた。
別に不味いわけではないが、この値段ではどうしても高いと感じでしまう。
まぁほとんどの蕎麦屋がそうなのだけど……。