2013/05/05 薬師岳

目的地
薬師岳
地域
北ア主脈
日時
2013/05/05
コース
太郎平小屋-薬師岳往復-北ノ俣岳-飛越トンネル
メンバー
単独
装備
MADSHUS:EPOCH('13)/22 Designs:TeleBulldog, Scarpa:T2('13)
天気
快晴

コースデータ

コースタイム
太郎平小屋[7:02]↑[8:48]薬師岳山荘↑[9:55]薬師岳[10:13]↓[10:26]避難小屋[10:55]↓[11:24]薬師峠↑[13:42]北ノ俣岳北450m地点[13:57]↓[14:46]寺地山↓[15:18]1827m地点(休憩)[15:30]↓[16:27]飛越トンネル(歩行)↓[17:02]飛越トンネル手前2km地点
山行時間
10:08
実移動時間
08:47
最高高度
2923m
最低高度
1323m
累積標高差(登り)
1401m
累積標高差(下り)
2407m
移動距離
21.49km
平均速度※1
2.44km/h

※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度

グラフ

記事

北ノ俣・薬師岳ツアーの2日目。朝起きると天気予報通りの快晴で、小屋を出て太郞兵衛平の大平原に立つと、北アルプスの素晴らしい山並みが目の間に広がる。昨日はガスで視界はなく、以前夏に来たときもやはり悪天で何も見ることはできなかった。なのでこの辺りからの風景を見るのはこれが初めてだ。

07:01 2329m<br />太郎平小屋より薬師岳
07:01 2329m
太郎平小屋より薬師岳
07:15 2339m<br />雲ノ平、槍ヶ岳方面
07:15 2339m
雲ノ平、槍ヶ岳方面

7:02 2329m 太郎平小屋発。
まずは太郞兵衛平を薬師峠に向かって歩く。周りの連中はシールを付けているが、自分のスキー板はステップソールが付いているのでシールなしのまま歩ける。平原を15分ほど歩き、薬師峠へ標高差50mほどを滑り込む。

7:19 2293m 薬師峠。
ここでシールをつけ登行開始。
傾斜は多少強いもののシールで十分登れるだろうと踏んでいたが、日陰ということもあって雪はまだ硬く凍り付いており、滑りまくってすんなり登れない。5分ほどであきらめ、板を背負ってアイゼン登行に切り替える。

07:56 2460m<br />薬師平より振り返る
07:56 2460m
薬師平より振り返る
08:38 2668m<br />薬師岳山荘手前
08:38 2668m
薬師岳山荘手前

薬師平まで登ると傾斜は緩やかになるが、雪は締まっているので板は背負ったまま。
この辺りで夏道は大きく右に迂回し南尾根を登るようになっているが、今回は南西斜面をそのまま直登する。
薬師岳山荘手前の緩斜面になると、強風で雪が飛ばされ地表がうっすらと露出している。帰りは夏道通りに滑った方が良さそうだ。

08:43 2692m<br />薬師岳山荘
08:43 2692m
薬師岳山荘
09:34 2895m<br />避難小屋横のケルン
09:34 2895m
避難小屋横のケルン

8:45 2692m 薬師岳山荘。
大きな小屋でほぼ全体が雪の上に現れているが、まだ営業はしていない。
ここで10分ほど休憩。

9:34 2895m 避難小屋跡。
薬師岳はすぐ目の前で、ほとんど平坦ともいえる吊り尾根を歩いて行くだけだ。この先スキー板を持っていっても滑って戻れるわけではないが、わざわざデポするほどのこともないでのそのまま進む。

09:55 2923m<br />山頂より剣・立山方面
09:55 2923m
山頂より剣・立山方面

9:55-10:14 2923m 薬師岳山頂。
途中で写真を撮りまくったため避難小屋から時間はかかっているが、実際はあっという間だ。
これまでの南東方面の北アルプス核心部の絶景に加え、北側の五色平の向こうに立山や剣、そしてその向こうに五竜や鹿島槍の山々が見渡せるようになる。
写真を撮りまくった後、板を担いだまま避難小屋まで戻る。

10:26 2895m 避難小屋跡。
先ほどとは違い、大勢の人で賑わっている。
さて、ここまでさほどの標高差ではないのでサクッと登れるだろうと考えていたのだが、思った以上に疲れが溜まり、予定より遥かに時間がかかった。この先、南斜面の薬師沢右俣を滑ってから北ノ俣岳に登り返そうかとも考えていたが、やめておいた方が無難かもしれない。ということで薬師沢は諦め、登山道沿いに滑って下山することにする。

10:55 2893m<br />避難小屋から南西尾根の滑降ルート
10:55 2893m
避難小屋から南西尾根の滑降ルート
11:07 2672m<br />薬師岳山荘より西斜面
11:07 2672m
薬師岳山荘より西斜面
11:13 2539m<br />薬師平上部南尾根より黒部五郎岳
11:13 2539m
薬師平上部南尾根より黒部五郎岳
11:17 2461m<br />太郎山より太郞平小屋、薬師岳を振り返る
11:17 2461m
太郎山より太郞平小屋、薬師岳を振り返る

10:55 滑降開始。
雪はまだ硬めだが、そう悪くはない。
薬師岳山荘から先は露岩を避け、登山道通りに南尾根を滑り降りる。この尾根が実に快適で、登ってきた南西斜面のようにクラストしていることもなく、雄大な景色の中楽しく滑ることができた。

11:24 2292m 薬師峠。
ここでいったん滑降は終了。シールを付け、太郎平小屋に登り返す。

12:24 2345m<br />北ノ俣岳への登り
12:24 2345m
北ノ俣岳への登り
13:04 2464m<br />
13:04 2464m

12:01 2329m 太郎平小屋。
休憩なしで登り続ける。
ここから神岡新道分岐までは標高差300mちょっとしかなく、距離は長くともさほど時間はかからずに登れるだろうと思っていた。
しかしまったくの見込み違い。
昨日の新雪は5cm程度でこんなのラッセルのうちにも入らないのだが、これまでの疲れもあり、これがジャブのように効いてくる。ついにこれ以上前に進む気力がなくなって途中で15分ほど休憩。

そうこうしてるうちに雲が多くなり、ガスで視界も悪くなる。昨日のように一気に崩れるかもしれない。あまり悠長にはしていられない。まだ先は長いのだ。

14:00 2570m<br />北ノ俣岳西尾根の滑降
14:00 2570m
北ノ俣岳西尾根の滑降
14:10 2303m<br />
14:10 2303m
14:14 2170m<br />
14:14 2170m
14:19 2031m<br />北ノ俣岳を振り返る
14:19 2031m
北ノ俣岳を振り返る

13:42-13:57 2610m 滑降開始ポイント
滑降ルートの神岡新道分岐はもうちょっとだけ先だが、この辺りからトラバース気味に下っていける。もう登りたくない。シールを外し、ここから滑ろう。
ということで滑降開始。
標高差600mの大バーン、楽しみにしていた斜面だが、クラストしまくり。あまり快適には滑れない。
中間部は新雪が10cmほど積もっていて滑りやすくなるが、それもわずかな区間。さらに下るとその新雪は腐りまくり、今度は重い湿雪に苦しめられる。それでもそれなりに楽しめるのだが、快適なザラメ雪を期待していただけにちょっと残念。登りの苦労が報われなかった感じだ。

14:30 1935m<br />寺地山への登り返し
14:30 1935m
寺地山への登り返し
14:47 1977m<br />寺地山より北ノ俣岳
14:47 1977m
寺地山より北ノ俣岳

14:23 2015m
快適な滑降はこの辺りまで。この先は細い林間の尾根で、さらに寺地山まで標高差50mほどのダラダラとした登りが続く。そこそこの標高差はあるが、ステップソールのまま登ってしまう。

14:46 1981m
寺地山南斜面をトラバース。ここからは再び下りになる。
この先の尾根は傾斜のほとんどないところもあるのだが、板がよく滑って意外と楽しむことができた。

15:16 1833m<br />飛越新道分岐手前
15:16 1833m
飛越新道分岐手前

15:18 1827m 神岡新道分岐。
滑り出しは遅かったが、手間取りそうだった寺地山付近をスムーズにパスできたのでここまでいいペースで滑れてきている。これならさほど遅くならずに下山できそう。
10分ほど休憩し、往路通りに北西尾根へ入る。

15:38 1661m ここから小ピークに向け40mほどの登り。往路は登山道通りではなく、確か南斜面をトラバースしてきたはず。ということでここもトラバースだ。GPSを確認せずにどんどん歩いて行く。
が、なんか記憶と違う。GPSを確認すると、全然別の方角に下り過ぎているではないか。
正規ルートに戻るのに50mほどの登りが必要になったが、シールを付けずにリカバーできたので良しとしよう。

16:10 1675m<br />有峰湖展望台への下り
16:10 1675m
有峰湖展望台への下り
16:17 1584m<br />登山道を離れ登山口右手の尾根へ
16:17 1584m
登山道を離れ登山口右手の尾根へ
16:25 1469m<br />飛越トンネル登山口合流
16:25 1469m
飛越トンネル登山口合流
16:31 1428m<br />車道を駐車地点まで戻る
16:31 1428m
車道を駐車地点まで戻る

16:18 1584m
ここで登りルートを外れ、飛越トンネル南側の尾根へ。往路はトンネル北側の登山道を使ったが、昨晩同宿した人に聞いたところ、この南側の尾根はまだ雪が繋がっていて十分滑り降りられるとのこと。
尾根への降り口はわかりにくかったが、トレースを頼りになんとか間違わずに済んだ。
あとはこの尾根を下るだけ。狭く急傾斜で木も多いが、春スキーにはよくあるパターンだし、板を担いであの登山道を歩くのに比べれば遥かにマシ。最後、道路に出る手前で沢を越える必要があるが、まだぎりぎりスノーブリッジが繋がっていた。

16:28 1445m 車道合流。
800mほど雪の付いた道路上を快適に滑る。しかしそのあと雪は途切れ、板を担いで駐車地点まで歩く。

17:02 1323m 駐車地点。
その手前から左右の山林がざわめいており、何かと思ったらとんでもなくたくさんの猿が駆け回っている。猿なぞ珍しくもないが、さすがにこれだけいるとビックリする。集団で襲いかかれないかと不安になるくらいだ。
それにしてももう17時。10時間フルに行動している。途中で薬師沢なんかに滑り降りていたら、真っ暗闇の中で下山する羽目になっていただろう。