※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
東京本社に用事があるわけではないが、無理やり理由をこじつけて出張先の大阪から帰省。この山スキーの最適期、たとえ京都の桜が見頃を迎えようが、関西でジッとしている訳にはいかない。
この時期は会越国境の山々が好きで、前々から守門か浅草岳へ行こうと決めていた。どちらに行ってもいいのだが、ダマはオープンバーンが多い方が喜ぶかな?ということで、今回は守門大岳に行くことにする。
朝7時、道の駅「湯ノ谷」集合。コンビニで食事を取り、登り口となる二分の集落へ。相変わらずの大人気で、除雪最終地点にある数台の駐車ポイントはおろか、500mほど手前まで道路脇にびっしり車が連なっている。その数70台。東洋一の大雪庇なるもの目当て?の登山客が大いにしても、大盛況である。
08:40 390m 出発。
5分ほど車の連なる車道を歩き、最終除雪地点からシール登行。雪は十分で、数年前に来たときのように大平の集落まで車道を大回りする必要はない。
昨年も感じたのだが、この山の登山者は行程の割に早立ちする人が多く、この時間に出発する人は少ない。かなりの入山者が先行しているはずだが、当面は人影もなく、自らのペースで歩ける。
いつものように車道をショートカットして尾根に取り付き、しばし尾根を登った後、登山道に沿って左手の沢に降りる。あとは長峰まで大平からの夏道通りに沢床を登ればいいのだが、我々はいつも適当なところで沢を離れ、左の尾根に登るようにしている。まあどちらでもさほど変わりはない。
9:35 650m 長峰に続く尾根に上がると、一気に景色が開ける。今日は湿気が多く、来る途中、関越道のあちらこちらで深い霧に包まれ運転に苦労したのだが、ここから見る魚沼の平野もまた雲の下。標高はそう高くないのだが、雲海の上に谷川の山々が浮かび上がり、相変わらずの素晴らしい景色である。
10:07 767m 保久礼小屋。
あとは尾根上を一直線だ。
ここまでは言わばアプローチのようなもので、残りはまだ標高差700m近くあるのだが、効率よく登れるので1時間半もかからない。全般的に苦労なく登れる印象だ。
しかし樹林帯を過ぎ、真っ白な雪の回廊が望めるようになる辺りから、極端にペースが落ちる。大阪ではほとんど歩く機会がなく体力が落ちているためか、はたまたいつもより重めの板を履いているせいか。いつもなら山頂まで連なる人の列をごぼう抜きで登っていくところだが、そうもいかず、多くの人に交じって休み休み登る。
11:26 1430m 大岳山頂。
昨年は風が強く快晴にも関わらず寒い思いをしたが、今年は大丈夫。のんびり昼休憩する。
12:06 滑降開始。
しばらくは無木立の一直線の尾根。狭い尾根なので多くの登山者のトレースが集中して雪面はボコボコだが、雪はザラメだし、この太板なら快適に滑れるだろう。
しかし、、、実際滑ってみると、あまり面白くない。特に苦労もなく滑れるのだが、シュプールだらけでゲレンデを滑っているようなのだ。
昨年はそれなりに楽しめた記憶があるのだが、もしかしたら板の違いかもしれない。うまく滑れないのではなく、無難に滑れすぎるのだ。この板はザラメ雪を滑るには立派過ぎる。残雪期は軽量な細板で軽快に滑るほうが性に合っているようだ。
ピエールは昨年から取り組んでいるフォーム改正にここぞとばかり取り組んでいる。多少荒れているとはいえ、このゲレンデのような斜面は練習にはもってこいだ。
無木立好きのダマは、荒れた斜面を毛散らかして快調に滑っていく。
12:20 1032m キビタキ避難小屋付近。
下るにつれ雪は柔らかく、木も多くなってくる。
ここでダマの林間ダメダメモード発動。それほど樹間が狭い訳ではなく、これまでのように普通に滑れば容易にターンはできるはずなのだが、理屈じゃないのだ。腰が引け、スピードがコントロールできずに木にぶつかりそうになり余計恐怖を覚えるという悪循環。保久礼小屋への下りは終始ボーゲンで滑り続ける。
12:36 767m 保久礼小屋。
ここから20mほどの登り返し。つぼ足で登るが、ダマは「雪が柔らかくて潜るんじゃあ!」と意味なくイラついて登っていく。
12:44 782m 登り返し終了。ここからしばらくは傾斜の緩い尾根上を一直線だ。
板を付けている間に、先に準備を終えたダマが滑り初めてあっと言う間に視界から消えていく。まあどこかで待っているだろうと後を追ってしばらく滑り続けるが、どこにもいない。
やがて沢への滑降ポイント。ここから先にダマが進んでいるとは考えにくい。どこかで追い抜かしたかもと他の人に聞いてみるが、誰も見た覚えがないという。迷うポイントはないから大丈夫だろうと言う人もいるが、我々自身、数年前に間違って長峰から右の尾根に入ったことがあるのだ。今回もその可能性ありとしばらく待ってみるが、やって来る様子はない。目撃情報もなし。しょうがない、とりあえずもうちょっと先まで進んでみましょう。
13:07 571m 二分への登山道との分岐点。
待っているとすればここなのだが、ダマはいない。そのまま左の尾根に上がり、狭い樹林帯へ。ダマがこんなところを一人で滑っている訳がない。
さてどうしよう。携帯の電波は入らない。戻って探しに行く必要があるが、一人で車まで戻っているかも、という可能性は潰しておいた方がいい。往復で1時間以上かかるが、無駄を承知でいったん車まで戻ることにする。
13:25 396m 除雪最終地点。
ピエールにはここで待ってもらい、車まで戻ってみる。今日に限ってかなり遠くに止めざるをえなかったのが鬱陶しい。
さっさとダマがいないことを確認して急いで戻らないとと車までたどり着くと、、、
ダマは普通に着替え中でした。