※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
09:50 1805m 第6ペアリフトトップ。
すでにいつものような立派なトレースがついているが、すぐ前を団体ガイド登山の連中が歩いており、すぐに前が詰まるのは必至。初めからラッセルで道を切り開いていく。とはいえ雪は深くさすがに登るのに時間がかかるので、そう簡単に前に出ることはできない。
斜面がある程度開けてところで、団体さんはその斜面を横断するようにトラバースを始める。ここがチャンスと直登で一気に抜きにかかるが、よく見ると彼らは雪崩対策として、一度に横断せずに一人一人順番に歩いている。内心、この程度の斜面でそんなことしてたら登れる山がなくなってしまうよと思わないでもないが、せっかくガイドさんが教育を施している前をガシガシ登っていくのはさすがに気が引ける。ここはガイドさんを尊重して尾根の端の樹林帯を歩くことにしましょう。
その後は前に人もいなくなったので、先行者のトレースを借りて楽勝で登る。
10:22 2036m 前武尊山。
シールを外し、さっさと剣が峰とのコルへ向かう。
コルまでは細い尾根。滑りにくいとはいえいつもは苦労する事はないのだが、この日はシュプールがジェットコースターのように細くついていたため、スピードをコントロールできずに苦労する。
コルでは先行パーティーがシールを外している。ここまでシールのまま降りてきたようだ。
荒砥沢にはまだシュプールはなく、本日最初の滑降の様子。これはいい。
本日は気温がかなり高く、ベタ雪になっていることも予想されたが、ここまでラッセルしてきた感じではそう酷くはない。それなりに楽しめるはずだ。
10:38 2005m 滑降開始。
いつもに比べたら多少重めだが、予想通りそう悪くない。セミファットの板を履いていることもあり自在にコントロールが効く。ただ、雪のせいか板の特性か、はたまた滑り方を忘れてしまったのか、雪の上で踊るような軽やかなターンにならない。それができれば言うことないのだが。
10:49 1750m 登り返しポイント。
昨年はこのまま荒砥沢を滑ったのだが、激しい降雪が続いていて今にも雪崩れそうで怖い思いをした。なので今日はここから登り返して十二沢から戻ろうと考えていたのだが、やっぱり面倒臭い。
雪は多いとはいえ今日は降っていないし、気温も高く雪も多少落ち着いているので昨年のようなことはないだろう。このまま荒砥沢を滑り続けることにする。
が、甘かった。気温が高ければそれはそれで雪崩の危険はあるのだ。沢底は滑りにくいので左右の急斜面の中ほどをトラバース気味に滑るのだが、あちこちで雪崩れている。その上をさらに斜面を切るように滑るのはあまり気分がよくない。
さらに下部は傾斜も緩くなり、この雪ではまったく滑らない。この荒砥沢コースは各書籍で紹介されているように武尊山域を代表するコースなのだが、実際は他の人が滑っているのを見たことがなく、シュプールがついていることさえ少ない。この状況ではそれも頷けるというものだ。
11:27 1145m 東尾根へのいつもの取り付きポイント。
ここでゆっくり昼食。気温は相当高い。もう沢は広く雪崩の心配はないのだが、頭上の木の枝から次から次へと雪が落ちてくる。水分を多量に含んだ重い雪のため、これがぶつかると意外とシャレにならないのだ。
11:57 休憩終了。東尾根へ登り始める。
このビンディングにはクライミングワイヤーが2つ付いているのだが、それなりに急傾斜なので丈の高い方を使ってみる。
――お、かなり楽だ。ただでさえ歩行モード付きで登りやすいのに、さらにガシガシ登れる。買ったときは雪が付くので片方ハズす人も多いですよと言われたのだが、残しておいて良かった。
と思ったのもつかの間、ちょっとでも斜度が落ちると無理な姿勢となって余計に疲れ、なにより春のような今日のコンディションではやはり雪が付きまくる。多少はしょうがないとはいえ、足の下に巨大な雪の固まりができるのは邪魔である。多少のメリットは捨てて、やはり片方外すことにしよう。
12:36 1600m 東尾根稜線上に到着。
目標地点より500m西、標高差で50mも無駄に登ってしまった。より高いところに登ったからといってその分滑れるかというとそんなことはなく、1549点を越えるまで尾根上は傾斜が少なくほとんど滑れないのだ。
元々1549点の東に向かって左へ斜めに登るつもりだったのだが、途中小沢があったり木が密だったりで左に進めず、結局無駄なルートをとってしまった。次回からはもうちょっと下から取り付くことにしよう。
しばらく尾根上をちんたら下り、1490mで南東の尾根へ。ここからは傾斜も出て快適に滑れる。
途中、木に赤テープが貼ってあるのを発見。ほかにもここを滑る人がいるようだ。このルートは滑りが楽しめる上、荒砥沢からの林道歩きを大幅にカットできる。ほかにも目を付ける人がいて当然か。
雪は重いが、太板なので問題なく滑れる。林道を一本横断し、そのまま下の林道に出るべくさらに尾根上を滑る。
13:20 1343m 林道合流。
いつもはちょうど十二沢との合流点に出るのだが、木の少ないところを選んで滑った結果、ちょっと西に出てしまった。道路まで、身長程度の法面を降りるのにちょっと苦労。
あとはゲレンデに出るまで20分ほど林道をシール歩き。初めてこの東尾根ショートカットコースを滑った時は、林道歩きが大幅に短縮されたためだいぶ短く感じられたものだが、もう慣れてしまい、20分の林道歩きが非常に長く感じてしまう。