2010/03/20 焼岳

目的地
焼岳
地域
北ア主脈
日時
2010/03/20
コース
中の湯温泉旅館~焼岳~下堀沢~釜トンネル
メンバー
ダマ
装備
KARHU:XCD 10TH MOUNTAIN/22 Designs:TeleBulldog, Scarpa:T2('05)
天気
晴れ

コースデータ

コースタイム
中の湯温泉旅館[8:30]↑[10:40]1972m地点↑[12:10]北峰-南峰間コル↑[12:50]北峰[13:20]↓[14:40]梓川河畔↓[15:20]旧釜トンネル入口→[15:40]新釜トンネル入口[16:00]→トンネル出口(R158合流点)
山行時間
07:34
実移動時間
07:14
最高高度
2431m
最低高度
1352m
累積標高差(登り)
1153m
累積標高差(下り)
1376m
移動距離
10.88km
平均速度※1
1.5km/h

※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度

グラフ

記事

朝7時、158号沿いの道の駅「風穴の里」でダマと待ち合わせ、中の湯温泉へ向かう。
中の湯は旧国道(安房峠)を少し登ったところにあるのだが、158号との分岐点にはゲートが設けられ、宿泊客以外は立ち入れないよう旅館の人がチェックしている。私道でもないのに中の湯にそんな権利はあるのだろうかと疑問に思わないではないが、除雪費用を中の湯が出しているのかもしれないし、それに3連休ともなると、こうでもしないと違法駐車の車が連なり、狭い峠道でいろいろ支障をきたすのだろう。

中の湯泊まりの我々は堂々と中に入り、旅館の駐車場に車を停める。焼岳スキーのネックは駐車スペースがないという点にあるのだが、その点、ここに泊まれば旅館の駐車場に停めることができる。さらには峠をしばらく登ったところに位置するので、いくらか高度を稼げるというメリットもある。標高差200m程度とはいえ体感的にはその差は大きい。
帰りだって、一般的な下堀沢を滑って梓川に出た場合、釜トンネル入り口まで車で迎えに来てくれる。旅館自体も相当にいい感じなのだが、中の湯泊は焼岳に登る上でもいろいろとメリットがあるのだ。

08:25 1512m<br />
08:25 1512m
08:57 1584m<br />
08:57 1584m
09:48 1720m<br />
09:48 1720m
10:08 1828m<br />
10:08 1828m

8:30 中の湯旅館発。未除雪の九十九折りの車道を歩く。急斜面の苦手なダマがいるため車道をショートカットするのは避けたのだが、あまりの大回りにアホらしくなり、結局途中でショートカットして直登する。
やがて車道を離れ、南尾根に取り付く。これまで以上の急登で、ダマは全然登ってこれない。今日の雪なら板を担いで登った方が早いのだが、ツボ足に慣れていないダマはあくまでシール登行にこだわっている。いつもならこれも訓練とそのままにさせておくのだが、このペースでは何時に頂上に着けるかわからない。しびれを切らし、ツボ足で登らせる。これでやっとそれなりのペースで登れるようになる。

10:24 1894m<br />
10:24 1894m
11:07 2031m<br />
11:07 2031m
11:09 2037m<br />
11:09 2037m
11:54 2289m<br />
11:54 2289m

そんなこんなで時間を食い、11時頃やっと標高2000mの平原へ。適度に木々の点在する解放感溢れる場所で、正面に煙を吐く焼岳、右には穂高連峰を見渡せる。ここでのんびりキャンプでもすればさぞ気持ちがいいだろう。

ここから山頂まではカール状の地形となる。降雪後は危なさそうだが、今日のコンディションなら雪崩の心配はなかろうと、槍沢のような単調なカールを黙々と登る。

12:18 2395m<br />
12:18 2395m
12:54 2430m<br />
12:54 2430m
13:26 2406m<br />
13:26 2406m
13:31 2322m<br />
13:31 2322m

12:10 南峰と北峰の間のコルに到着。目指す北峰は岩がゴツゴツと積み重なっており、隙間からは間断なく噴煙が吹き上がる。ここから直接北峰に登るのは厳しそうだ。
先行者のトレースは北峰の東側の尾根に向かってまっすぐ延びており、もしかしたらそちらからなら山頂に登れるかもしれないと、とりあえず行ってみることにする。時おり噴煙に巻かれ、さらに最後は岩と氷の混じった急傾斜のトラバースとなり、ちょっとイヤなところだ。途中でダマが断念しかけるが、尾根に上がってしまえばもう安心で、穂高・槍や上高地・大正池といった絶景も控えている。ここまで来て戻るのももったいないので、板をデポさせ、ステップを切ってあげて無理やり登らせる。

後は山頂まで一挙手一投足で、技術的にも何ら難しいところはない。ところどころ雪が付いていないので板をデポして登りはじめるが、ダマはなぜか躊躇。後ろにいた別の単独行者が登り始めるのを見て決心したのか、続いて登り始めるが、タイミング悪く私が大岩を落としてしまい、そのせいか結局断念。一人で360度の大展望を楽しむ。端っことはいえさすが北アルプス。笠ヶ岳や裏銀座の山々、そして槍穂と、夏の風景とは一線を画す雄大な景色が広がる。

ダマは北峰西側のコルまで戻り、私はそのまま山頂直下の稜線から滑ることにする。

13:20 滑降開始。雪は重い。まあクラストしているよりマシなのだが、無難に滑りながらも快適さはいまひとつ。ダマもおろしたての八甲田FPSを使いこなせずに苦労している。

13:34 2208m<br />
13:34 2208m
13:46 2014m<br />
13:46 2014m
13:52 1943m<br />
13:52 1943m
14:08 1898m<br />
14:08 1898m

りんどう平の緩斜面では雪はいよいよ重く、つんのめりそうになるのを堪えながら滑る。
2050mで中の湯からの登り道と別れ、下堀沢右岸の尾根を滑る。適度な林間で、ザラ目になっていればさぞ面白かっただろう。それでも穂高を見ながらの広々とした斜面で、非常に気分は良い。
下堀沢の右を滑っていれば問題ないとルートを気にせず滑っていたが、途中左に寄りすぎ、30mほど登り返し。山頂でダマと別々になった関係で飯を食いそびれていたので、ここで小休止。

ラストは大正池へ向かっての急斜面。コースガイドなどでは樹間が狭いとしばしば書かれるところだが、この程度ならさほど問題はない。無難に滑降終了地点まで降りる。

14:21 1645m<br />
14:21 1645m
14:41 1458m<br />
14:41 1458m
15:17 1437m<br />
15:17 1437m
15:27 1452m<br />
15:27 1452m

さて、この先であるが、梓川をどこで渡るか。当初は観光を兼ねて大正池まで戻り、そこの橋を渡ろうかと考えていたのだが、いざ下まで降りてみると、大正池までは心持ち登り気味。シールを付けるのも面倒なので、梓川右岸をそのまま下り、途中適当な場所で渡渉することにする。
結局これだという登渉点も見つからないまま、いい加減これ以上下ったらマズいというところで渡渉。私はなんとか飛び石を伝って濡れずに対岸に着くが、ダマは何度か試したあげく、開き直って川の中をジャバジャバ歩いてやってくる。さすがダマである。

河原から道路に出ると、そこはちょうど釜トンネルの入り口。所々氷の張ったトンネル内を注意深く歩いていくと、、、ん???封鎖されている。どういうことだこれは?
しばらく考えた末、これは旧釜トンネルではないかと思い至る。新釜トンネルはこんな感じだったと思いこんで歩いていたのだが、まったくの勘違いで、そもそも新釜トンネルができてから上高地に来たことなんてないのであった。

しばらく上高地方面に戻ると右手に分岐があり、見間違いようのない新しく立派な新釜トンネルが口を広げている。真っ暗ではあるが、きれいに舗装され路面も乾いている。なるほどこれなら安全に歩くことができる。
20分ほど歩き、トンネルを出たら終了だ。出口にある中の湯売店で迎えの車を呼んでもらい、優雅に旅館に戻る。