※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
例年ならどの山に登ろうか迷うくらいの4月前半。しかし今年は雪が少なく、滑れる山がいよいよ限られてきた。それでも会越国境ならまだ大丈夫そうなので、今週は久しぶりに越後駒ヶ岳に行くことにする。
この越後駒ヶ岳、古くから知られるのは尾根を往復するコースで、自分もまたこのコースしか滑ったことがない。しかしヤマレコなんかの記録を見ると、下りは白沢を滑る人も多いらしい。後半は平坦な歩きになってしまうのがこのコースのネックだが、尾根コースより滑り応えはありそう。途中で道行山に登り返せば、その後半をパスして尾根コースに戻ることもできる。他にも山頂周辺はいろいろ魅力的な斜面がある様子。どこを滑るかは状況を見て判断しよう。
奥只見シルバーラインの夜間規制はすでに解除されており、朝6時前に銀山平に到着。
この辺りの残雪は50cmほど。木曜の雨で下部はもう雪が溶けているじゃないかと心配したが、これならまだ大丈夫。沢コースはともかく、少なくとも尾根コースについては例年の4月下旬くらいには楽しめそうだ。
6:09 776m 石抱橋。
今日はウロコ板なので柳沢までシールは不要。板を履いて雪原を歩く。ちなみに登山道は北ノ又川沿いに作られているが、この時期は通りにくいところがあるので、自分はいつも途中でR352に合流することにしている。
ところがR352に合流してみると、すでにここまで除雪が進められているではないか。こんなことは初めてだ。脇を歩くスペースもないので、板を持って凍結した道路を歩く必要がある。さほどの距離ではないが、ツルツル滑って歩きづらい。
除雪は最初のカーブの手前まで。その後は普通にスキーを履いて歩ける。途中2箇所、ほんの僅かながら雪が切れている箇所もあったが、この程度なら全然OKだ。
6:48 815m 柳沢出合。
ここでシールを装着し、まずは道行山南東尾根を目指す。
その際、いつもは柳沢に入って2つ目の尾根を登るのだが、今日は試しに最初の尾根から登ってみる。地図を見る限りはこの尾根でも問題ないはずなのだ。
しばらくの間は不都合を感じず。しかし尾根上は900mくらいから雪が途切れ、右斜面をトラバース気味に登ることになる。このトラバース斜面はあまりシールが利かずに登りにくい。途中で滑落してツリーホールに落ちたり、シールトラブルがあったりと、尾根上に出るまでえらい時間がかかってしまう。雪の状態が違うので単純には比較できないが、これならいつもの2つ目の尾根のほうが登りやすかった。
8:01 1053m 道行山南東尾根。
急斜面を終えて一息。が、この先は再び勾配が増し、雪が割れて地肌が出ているところもある。まぁこれはいつものこと。東斜面はかろうじて雪がつながっているので、そちらから巻いて登る。
8:53 1292m 道行山。
柳沢出合からすでに2時間。試しに登った尾根がイマイチだったこともあり、いつもよりだいぶ時間がかかった。
ここからは山頂までのルートがきれいに見える。いつも思うことだが、まだまだ先は長い。
滑降候補の白沢も観察。沢底までは見えないが、全般的に雪割れが目立ってあまり良さそうではない。下部は沢割れもしているだろう。途中で道行山まで登り返せばその沢割れ区間をパスできるかもしれないが、登り返しルートも雪の付きが微妙でちょっと手間取りそう。そもそも登り返す体力が残っているかどうかもわからないし、白沢滑降はやめておいたほうが良さそうだ。
道行山からはいったん標高差60mほどをシールを付けたまま下り、続けて小倉山に向けアップダウンのある尾根を登る。この区間はさほど高度差がないのでノンビリ歩ける。
小倉山はピークを踏まずに南斜面をトラバース。
小倉山を過ぎるといよいよ登りも本番。まずは目の前の前駒(1763点)を目指す。
単調な尾根の登りが続き、疲れも出て少々うんざりする。
10:45 1761m 前駒。
いったん勾配が落ち着き、細い尾根ながらやっと一息付ける。
この先は駒の小屋までヤセ尾根が続く。
そして駒の小屋直下の急斜面。ここはいつものように板を担ぐ。ツボ足の跡が階段状についていて、さらにはシール登行とは違う筋肉を使うためか、疲れた体でも意外と楽に登れる。
11:11-11:14 1890m 駒の小屋。
ここから再びシール登行。山頂まで見た目はまだちょっとありそうだが、実際の標高差は100mちょっとしかない。シールで歩くと再び疲れを感じ、ペースはぐっと遅くなるが、それでも思ったほど時間はかからない。
11:32 2001m 越後駒ヶ岳。
ようやく到着。今日は一人なので4時間半くらいで登れると踏んでいたが、えらい時間がかかった。やはり寄る年波には勝てない。
ここまではずっと人里離れた深山の中を登ってきたわけだが、山頂に立つと魚沼の街並みが眼下に見下ろせ、いつものことだが多少拍子抜けする。目の前の八海山も、この位置から見るとちょっとしょぼい。
といいつつも、実際のところ展望は良い。守門・浅草岳や燧ヶ岳、平ヶ岳、巻機山等々、スキー登山でお馴染みの山々をぐるりと見渡すことができる。
12:08 滑降開始。
当初は尾根の南側の沢を途中まで滑り、前駒まで標高差100mほどを登り返そうと考えていた。が、もはやそんな気力はない。いつも通りの尾根コースにしよう。
まずは駒の小屋まで無木立の広い斜面を滑る。標高差はさほどないが、ザラメ雪で非常に楽しい。
駒の小屋直下の急斜面は尾根の南側を滑り、そのまま南斜面をトラバースしてヤセ尾根を抜ける。
前駒からの白沢滑降は前述の通りパス。いつも通り尾根上を滑る。小倉山~道行山間は多少アップダウンがあるものの、尾根コースだって十分楽しいのだ。
雪質は、百草ノ池辺りまでは快適なザラメ雪。その後はストップスノーが混じって多少滑りづらくなる。緩斜面なんかは直滑降で勢いよく滑っていきたいところだが、ブレーキがかかってちょっと怖い。
道行山は標高差60mほどの登り返しが必要。板を手に持ったままツボ足で登る。雪がしまっていてどんどん登っていけるので、さほど苦にはならない。
13:06 1292m 道行山。
ここからしばらくは荒沢岳に向かっての快適な緩斜面。ただし例年に比べヤブが目立ち、思ったほどは楽しめない。
やがて尾根上は雪が切れるので、往路通りに東斜面から巻く。急傾斜でクラックも多いが、雪はつながっており、スキーを外したりせずに尾根まで戻ることができる。
柳沢への下りは、いつもなら北ノ又川から2番目の尾根を滑り降りる。が、今日はここを通っていないので雪の付き具合がわからない。念のため、往路通りにその先の尾根(の北斜面)を滑ることにする。
疎林帯の滑りやすい斜面ではあるが、トラバースばかりになるので思ったほどは楽しめない。やはり2番目の尾根を滑るべきだったか。
13:45 816m 柳沢出合。
ここで事実上滑降は終了。あとは北ノ又川左岸をのんびり滑り歩きするだけ。4.5kmほどの平坦な道のりだが、景観が良いのでそれほど苦にならない。
最後はR352に合流。ここからは若干下り気味になるのに、ちょうどその区間が除雪されているのはちょっと悲しい。板を脱ぎ、除雪された道路を数分歩いて終了だ。
(2016/4/9)
これまで越後駒ヶ岳の帰りは日帰り専用施設のユピオと決まっていた。しかし内風呂一つで何の特徴もないため、立ち寄り入浴可能なこのホテルに行くことにした。
折りしも土曜夕方のチェックイン客でフロントは混雑していたが、日帰り客でも親切丁寧に対応してくれた。
広い岩風呂など設備はなかなかで、ホテルだけにシャンプーなどアメニティーも良い。
循環湯で泉質自体はさほどのものではないが、ユピオよりはだいぶ好印象。