※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
今シーズン3度目の乗鞍岳。ありふれていてなんの新鮮味もないが、この時期にデブリや藪漕ぎ、林道歩きもなく、駐車地点まで快適に滑り続けられる山があるのは有り難い限り。
すでにスキー場は営業終了しており、位ヶ原山荘までのスキーバスもまだ運行していない(もともとの予定は今日からだったが、残雪が多いため29日からに延長されたらしい。危なかった)。登りは多少長くなるが、ゲレンデ上部は雪が残っているし、三本滝レストハウスまで車で入れるので登る距離もたかがしれている。この時期なら雪も緩んで山頂まで普通に登れるはずだし、人もまださほど多くないので今がかえって狙い目だ。
今シーズンは雪が多かったそうだが、雪解けは早く、位ヶ原から上は5月中旬~下旬の様相。とはいえサマースキーで有名なところだし、1ヶ月季節が早く進んでいてもまだまだ普通に滑ることができる。
ここ数日の好天のおかげで雪も適度に緩んでおり、雪質的にもちょうど良い具合。クトーがあれば山頂までシールで登れるほどで、山頂から駐車地点まで終始快適に滑り続けることができた。
7:42 1805m 三本滝レストハウス発。ここは乗鞍スキー場の最上部リフト下に位置し、ツアーコース入口までリフト1本分だけ登る必要がある。
ゲレンデはまだ雪が十分残っており、シールで登る人も多い。が、朝一で雪は締まっているし、ツボ足のトレースも多数残っている。傾斜もそこそこあるし、ここは板を担いで登りましょう。
ダマはクトーを付けシール登行を選択。ただ、下から見た時には気づかなかったが、ゲレンデ内を除雪済みの道路が2箇所横切っているため、シール登行の場合はその度に板を脱着する必要がある。ダマはそれに手間取ったのかだいぶ遅れたが、リフト上(ツアーコース入口)まで普通なら30分程度の登りだ。
8:12-8:22 1975m ツアーコース入口。ここからは切り開きのルート。すぐ目の前に急斜面が控えているのでしばらくツボ足のまま登ることにする。
駐車場の車の多さに比べ、バラけているためか人はさほど多く感じない。
9:20 2374m ツアーコース終点。切り開きはここで終了。ここから位ヶ原まではボール状の無木立の斜面。いかにもスキー向きで厳冬期には魅力的に映ったものだが、残雪期の今こうして見てみるとただの薄汚れた斜面にしか見えない。
ここを登り切ると位ヶ原。視界が開け、肩の小屋口に向かってたくさんの人が雪原を歩いているのが見える。
ただ、今日は肩ノ小屋へは寄らず、朝日岳と蚕玉岳の間の沢を登る予定。そちら方向は途中ハイマツで覆われているが、よく観察すると伊奈川右俣の延長上を細く雪渓がつながっている。なので肩の小屋口は経由せず、ハイマツの間を通って直接そちらに向かう。
2680mでハイマツ帯は終了。ここでアイゼン登行に切り替える。まだしばらく傾斜は緩く、雪もさほど硬くないのだが、なにしろ普段は強風吹き荒れる3000mの独立峰(正確には違うが)。急にアイスバーンになってもおかしくない。早めにアイゼンを履くのに越したことはないだろう。
ダマはそのままシールで登る様子。クトーを付けているのでしばらく大丈夫だとは思うが、アイゼンに切り替えるタイミングが遅れ、途中で立ち往生しないかちょっと心配。
10:58 2933m 朝日岳・蚕玉岳間コル。空気が澄んで眺望は良く、薬師岳から鑓・穂高といった北アルプスの山並みがきれいに見える。
あとは乗鞍岳山頂の剣ヶ峰まで稜線上をちょっと登るだけ。風はほとんどないし、凍結している箇所もさほどない。ところどころクトーの歯が立たないところもあったというが、ダマはシールで登り切れたほどだ。
11:14 3022m 剣ヶ峰。山頂はさすがに人が多い。それでもバス運行前なのでだいぶマシなはずだし、見た目より奥行きがあるので寛ぐスペースは十分ある。
山頂の神社の後ろ(鳥居があるので正面か?)に回ると煙を吐く御嶽山が間近に見え、西には白山も真っ白に浮かんでいる。風もほとんどないのでゆっくり休憩できる。
12:01 滑降開始。当初は頂上小屋~蚕玉岳間の沢を滑ろうと考えていたが、雪はさほど硬くないので、このまま頂上直下の沢を下ることにする。
ほどよく締まった雪質で、斜面も荒れていないので非常に滑りやすい。
途中、左に軽くカーブする辺りで雪の硬い場所は残っていたが、そこ以外は極めて快適。きれいに整地されたゲレンデのようでどんどん滑っていける。
下部(2650mくらい)はハイマツが広がっているが、登りルート同様に沢の延長上に雪がつながっているため、雪原の広がる登山道方向にトラバースする必要もなく、真っすぐ位ヶ原へ滑り降りることができる。
途中で春山バスが運行される乗鞍スカイラインを2度横切ることになるが、この辺りはまだまだ除雪される気配はなく、気づかないまま通り過ぎる。
傾斜の緩い位ヶ原はあっという間に通過。2430m付近から再び傾斜は増し、ツアーコースまでボール状の快適な斜面となる。
厳冬期であればもっともパウダーを楽しめるところではあるが、この時期は何の変哲もない普通の斜面。とはいえ標高が高いので雪はまだ適度に締まっているし、傾斜もそこそこあるので快適に滑っていける。
12:18 2374m ツアーコース終点(下りの場合は入口か)。ここからは切り開きのコースで、皆ここを滑るため雪はさらに荒れまくり。いい加減疲れたのでダラダラ滑っていきたいものだが、真面目にテレマーク姿勢をとらないと足を取られて転びそうになる。それでもストップスノーでないのが幸いで、傾斜は緩いがどんどん滑っていける。
12:30 1975m ツアーコース入口(終点)。ここからはゲレンデ滑降。道路を横断する際に2回スキーを外す必要はあるが、眼下の駐車場まではあっという間だ。ダマは途中で足が痙って動けなくなっていたが……
(2014/12/23)
Mt.乗鞍スノーリゾートの下にある人気の日帰り温泉施設で、人は多いが広いのであまり混雑感はない。
ともかくここの湯は大好き。乳白色で、硫黄臭は強いがむしろいい臭いにすら感じる。
湯上がりに着たTシャツにもこの臭いはこびりつき、1回や2回の洗濯では取れないほど。
(2015/2/7)
「広い」と書いたが、スキーシーズン土曜夕方のラッシュに耐えうるだけのキャパはない。
脱衣所も洗い場も内風呂も露天風呂もいっぱい。
ただ、待ちは発生しなかったし、なにしろ湯がいいのでこの程度なら目をつぶれる。
(2015/2/7)
食べログによると、営業は「売り切れまで(大体16時から19時位)」ということだったので、事前に電話で確認。この日は17時までということだったので、入浴前のボサボサ頭のまま行く。
食べたのは月山山菜蕎麦にも似た「とうじ蕎麦」。値段は高いけどこの手の蕎麦はけっこう好み。
奈川の郷土料理らしく、以前はそれほどメジャーでもなかったような気がするが、最近はあちこちで見かける。ただ、どこも値段は高い。
この店は蕎麦(鍋)のアフターで雑炊を頼めるところが良い。蕎麦だけでは物足りないが、雑炊のお陰でかなりお腹いっぱいになる。