2014/05/05 鳥海山(矢島口)

目的地
鳥海山
地域
東北中部
日時
2014/05/05
コース
祓川~鳥海山(七高山)往復
メンバー
ダマ
装備
MADSHUS:EPOCH('13)/22 Designs:TeleBulldog, Scarpa:T2('13)
天気
高曇り

コースデータ

コースタイム
祓川第1駐車場[7:34]↑[8:43]七ツ釜避難小屋↑[10:31]鳥海山(七高山)[11:18]↓[12:02]祓川第1駐車場
山行時間
04:27
実移動時間
03:38
最高高度
2204m
最低高度
1182m
累積標高差(登り)
1085m
累積標高差(下り)
1086m
移動距離
8.8km
平均速度※1
2.42km/h

※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度

グラフ

記事

鳥海山2日目は中島台へのロングコース。車が2台あるので祓川からサクッと登り、千蛇谷、鳥越川を通って中島台へ滑り降りる予定だ。
1週間前のGW前半の記録を見ると、下山予定地のレクリエーションの森駐車場にはまだところどころ雪が残り(なので冬タイヤを交換しなかった)、途中のアガリコ大王で50cmほど残雪があったらしい。ところが1週間経ったこの日、辺りにはまったく雪がなく、結構歩かないと雪の出てくる気配はない。だいぶ雪解けが進んだようだ。
天気もあまり良くない。昨日の予報では夕方まて保つということだったが、今にも崩れそうな感じだ。
これから登り始めるパーティーもいるが、この雪、この天気ではあまりモチベーションが上がらない。今回は中島台への滑降は取りやめ、無難に祓川の往復にしておきましょう。
ということで車2台で祓川へ向かう。

07:24 1187m<br />
07:24 1187m
07:37 1185m<br />
07:37 1185m

祓川には上下2つの駐車場があるが、前回来たときは下の駐車場までほぼいっぱいだった。が、今日は上の駐車場もまだそこそこ空きがある。
ちなみに前回ダマは登山口にトイレがないと怒っていたのだが、ちゃんと上の駐車場にあるのであった。

7:34 1187m 出発。
このコースは遮るものがなにもなく、初めから正面に鳥海山の全貌を望むことができる。前回より雪は少なめで、尾根上など地表が出て黒々としている。
出だしは傾斜のない平原。この辺りは湿原になっていて、無雪期には木道歩きになるようだ

07:54 1253m<br />
07:54 1253m
08:29 1466m<br />
08:29 1466m

この平原を10分ほど歩くとタッチラ坂の急登。ツボ足の跡もあるが、50mも登ればすぐに傾斜は落ち着くので、シールのまま登る。
1402点の尾根はブッシュが露出しており、ここは誘導ポール通りに左から巻いていく。
ちなみに登山口からずっと等間隔に紅白の誘導ポールが並んでいたのだが、ところどころ遠回りになるところがあり、無視して歩いていた。しかしこの先は基本ポール通りに歩くことになる。

この先しばらく緩やかな斜面を歩き(御田と呼ばれる湿原らしい)、やがて七ツ釜避難小屋に向かって谷の中の急登となる。遠くからだと富士山のように単純な斜面を登っていくだけのように見えるが、実際登ってみるとさすがに変化はある。

09:01 1693m<br />
09:01 1693m

8:42 1570m 七ツ釜避難小屋。
急斜面の途中で唯一腰を落ち着けられる場所とあって、今日も多くのパーティーが休憩している。が、我々は足を止めずに通過。昨日のコースより傾斜は強いが、まだ1時間ちょいしか歩いておらず、余裕はある。
この先も単調な無木立の斜面の登りが続く。正面の山頂が同じ景色のまま、なかなか大きくならない。

ダマはここに来て俄然やる気が出てきたらしく、やはり中島台に滑り降りないかと言ってくる。千蛇谷の大滑降はもとより、アガリコ大王というブナの巨木が気になってのことだろう。別に構わんがせっかく車2台で来ていながらタクシーか。まあ天気が微妙なので山頂でどうするか決めましょう。

09:39 1940m<br />
09:39 1940m
10:13 2109m<br />
10:13 2109m

一見このコースは祓川から一直線に見えるが、実際には途中まで七ツ釜のある鶯川左岸の斜面を登り、上部は右岸(というよりもはや他の沢の源登の)七高山北東斜面を登ることになる。要は途中で左にトラバース気味に登る必要があるのだ。
今回は1970m辺りから誘導ポールに導かれてトラバースを開始する。しかしこの斜面、まださほどの傾斜ではないのだが、雪が硬く、トラバース気味に登っていることもありシールが利かずに滑りまくって難儀する。

9:58 2041m あとちょっとでトラバース地帯も終わるので、そこでアイゼンを履こうと思っていたが、もはやシールでは滑りまくって効率が悪い。安定しない場所だがここでシートラーゲンの準備をし、アイゼンに切り替えましょう。

アイゼン登行にしてからは順調この上なし。キックステップの跡も多少ながら残っていて、どんどん登っていける。
しかしシートラーゲンの人はそれほど多くなく、ほとんどがシールのまま登っている。雪は硬く傾斜も急なのでみんななかなか登れずに苦労しているが、アイゼンを持ってきていないのだろうか。
ダマはスキーアイゼンを選択。しかしさほどペースは上がらない。

10:36 2192m<br />
10:36 2192m
10:50 2192m<br />
10:50 2192m

10:31 2204m 七高山。
最後はさすがに疲れたが、予定通り3時間で登れた。シールの連中はまだ遥か下だ。
ちなみにこのGW期間中の鳥海山の滑走記録は驚くほどたくさんヤマレコにアップされていたが、この日の祓川コースは、どれもこれも強風と雪の硬さに苦労したと書かれている。中には上まで登れず途中で諦めた人もいるようだ。
自分はそれほど酷くは感じず、独立峰なんてこんなもんだと思っているのだが……

20分程でダマも到着。この雪ではスキーアイゼンでも厳しかったようだ。アイゼンを付けるタイミングを逸したと言っていたので、途中でアイゼンを履こうにも急傾斜で適当な場所がなかったのかもしれない。
天気は今にも崩れそうで、ダマも中島台に下りる気はなくなっていたので、このまま祓川に戻ることにする。

11:22 2148m<br />
11:22 2148m
11:30 1973m<br />
11:30 1973m

11:18 滑降開始。
滑り出しは硬く雪面も荒れている。その一方で良く滑る雪質なので、うまくスピードを殺せないと暴走気味になる。
初めはカンが戻らず手こずるが、やがてジャンプターン気味に調子よく滑っていけるようになる。
無木立大斜面の得意なダマは、さすがに今日の雪質では苦労していたが、やはり途中でジャンプターンをやりだす。初心者にありがちな、ジャンプ自体が目的となってしまったような無駄なものではなく、雪面に引っかからないようターンの瞬間に軽く板を浮かせてすばやく切り替えるという、いつの間にマスターしたのやらちゃんとした恰好いいやつだ。なんだまた一段とグレードが上がったぞ。

11:31 1957m<br />
11:31 1957m
11:41 1670m<br />
11:41 1670m
11:46 1508m<br />
11:46 1508m
11:46 1507m<br />
11:46 1507m

標高が下がると比較的雪も緩んできて、普通に滑っていけるようになる。ただしこのコースは人が多くて雪面が荒れているため、昨日ほどスムーズには滑れず、スピードを出すと板が暴れてそれを押さえつけるのに余計な体力を使う。

七ツ釜避難小屋で左の雪渓に入るが、そのまま曲がらず真っ直ぐ行くと猿倉口ルート。祓川ほど有名ではないが、駐車場も除雪されており普通に滑っていけるらしい。祓川より200mばかり低いところにあり、その分行程は長くなるが、祓川往復だと短いぐらいなのでむしろちょうどいいかもしれない。今度来る機会があったらこちらのコースにしてみようか。

七ツ釜避難小屋を過ぎてからもまだまだ快適な斜面は続く。しかし昨日のようにはいかず、調子に乗ってスピードを出していると荒れた斜面に足を取られ、ダマともども何回か転倒してしまう。

12:00 1184m 駐車場着。
スキー場のようなこのコースにしては多少時間はかかっているが、それでもあっという間だった。
ここでちょうど雨が降り出す。ギリギリ間に合った(イヤ着替える前だからギリギリアウトか)。中島台にしなくてやはり正解だったか。

周辺情報

にかほ市温泉保養センターはまなす ★★★★★
300円

(2014/5/5)
国道7号沿いの宿泊可能な温泉入浴施設。
あまり温泉的雰囲気の建物ではなくさほど期待していなかったが、この辺りの日帰り温泉の例に漏れず、実にコストパフォーマンスが高い。
茶褐色の塩泉がなかなかいい感じで、設備も充実。これで300円とは。