※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
今年のGWは有給を当てて9連休。5年連続で月山・鳥海山へ行くつもりだ。ただし5月1日だけ天気が崩れるらしいので、その前に越後駒ヶ岳でひと滑りすることにした。ダマも参加可能とのことだ。
GWに越後駒ヶ岳BCというのはちょっと遅めの感もあるが、今年の銀山平はまだまだ残雪が豊富らしい。白沢滑降は難しくても、一般的な尾根往復ルートなら問題ないだろう。
さて銀山平に着いてみると、確かに残雪は十分。天気も良いし、これなら楽しめるだろう。
駐車場所は石抱橋の先の最終除雪地点付近。今日はすでにいっぱいで、分岐路の手前に路駐することになる。下山時、雪崩の恐れがあるためこの辺りには駐車しないよう立て札が立てられていた。
7:09 777m 石抱橋。
橋の脇から雪原に上がってシール登行。R352をちょっとだけショートカットする。
昨年、R352は最初のカーブまで除雪されていたが、今年はさすがに大丈夫。シールでそのまま歩いて行ける。
ただし一箇所、白沢-北ノ又川出合付近はすぐ横の岩場から水が染みだし、3mほど雪が溶けている。ここだけ板を外したが、それ以外は柳沢までシールで歩き通すことができた。
45分ほどで柳沢出合。いつものように柳沢に入り、2番目の尾根に取り付く。昨年は朝から雪が緩く、表層がずり落ちてクラックに嵌まったりと苦労した。今年は問題なし。シールの利きは良く、急斜面でもしっかり登っていける。
8:43 1051m 道行山東南尾根。
柳沢からの急登を終え、まずは一段落。
ここからは道行山東南尾根を登ることになる。北に進路を変え、正面の道行山を目指す。
道行山の手前1090m付近は尾根が痩せており、雪が谷側へずり落ちて地肌が出ている。これはまぁいつものことで、この区間は雪の付いた右斜面から巻くことが多い。ただ、この右斜面は急傾斜で、クラックも多いため、けっして登りやすいとはいえない。
今年はちょうど雪切れ箇所に登山道があったので、板を担いで登山道から登ることにする。板をザックに付ける手間はかかるが、なんだかんだでこの方が早く登れる。
雪切れ箇所をやり過ごしたら1170mから再びシール登行。あとはもう面倒な場所はない。
9:33-09:41 1292m 道行山。
この辺りは風が強い。今日は夏山用のハットをかぶってきていたが、ちゃんと首ひもを掛けていたのに風で飛ばされてしまった。幸い(?)帽子は尾根上のクラックに落ちる。下まで3mほどあるのでいったんは諦めたが、雪壁は適度に柔らかく、腕や足先をバイルのようにめり込ませ、梯子のように上り下りできた。
道行山からはいったん下り。シールのまま標高差70mほど滑る。
あとは山頂まで長い尾根をひたすら登るだけ。先はまだ長い。それでも例年なら、風景を愛でながらそれなりに楽しく登っていたような気がする。しかし今日は気が乗らないまま。せっかくの晴天も単に暑いと感じるだけだ。
特に百草ノ池から1763点への登りがつらい。傾斜がそこそこあるので疲れも出てくる。登っていて面白みもなく、ここはもうひたすら我慢するしかない。
1763点でほっと一息。 山頂までまだ標高差250m近くあるが、この先は変化に富み、景観も素晴らしい。飽きずに登ることができる。
11:45-11:49 駒ノ小屋下1810m 。
駒ノ小屋直下の急斜面を前に、ここでシートラーゲンに切り替える。ここから駒ノ小屋まではいつも階段トレースが付いており、今日もアイゼンなしで楽に登っていける。
12:00-12:06 1890m 駒ノ小屋。
ここからいよいよ最後の登り。傾斜は再び落ち着き、スキーに適したすり鉢状の斜面となる。
ダマは引き続きシートラーゲン。自分はシール登行に切り替える。下部は傾斜が緩く、雪も緩んでいるのでツボ足だとちょっと登りにくいのだ。
山頂までは20分ほど。最後の疲れが出るが、1763点への登りほどではない。歩みは遅くとも、着実に高度を上げていける。
12:25 2001m 越後駒ヶ岳。
やっと到着。ともかく長かった。ダマは初めての越後駒ヶ岳で、多少は感動してくれるかと思ったが、やはり長かったという言葉が出ただけだった。
展望はそれなり。会津駒ヶ岳や燧ヶ岳・至仏山といった尾瀬の山々に、巻機山・谷川連峰、そして守門岳・浅草岳といった上越・会越国境の山々も見えている。ただ、全体的に霞みがちで、圧倒的に素晴らしい景観とまでは言えない。むしろ1763点のヤセ尾根越しに見える、奥深い会津の山々の方が印象に残る。
12:58 滑降開始。
まずは駒ノ小屋まで。ここはすり鉢状の無木立の斜面で、まさにスキー向き。雪面もフラット。雪質は柔らかめだが、そう悪くない。正面の荒沢岳や奥深い会津の山々に向かって颯爽と滑っていける。
続いて駒ノ小屋の下の急斜面。登路の狭い尾根ではなく、右斜面から巻いて滑る。こちらはけっこうな急傾斜で、沢筋には多量のスラフが流れた跡も見える。
ただ、今日は問題なさそう。いちおう多少の湿雪スラフが流れるため、一人ずつ順番に滑ることにしたが、それほど危険を感じない。ダマも無難に滑ってくる。かつて、ダマをこの山に連れてくるにはこの斜面が心配だと思っていたが、少なくとも今日のような雪質なら問題なさそうだ。
適当なところで尾根上に戻り、続いて1763点からの滑降。ここは山頂直下と同じくらい楽しめるところだ。
しかし今日は期待ほどではない。昨年4月初旬に登ったときは今日よりずっと雪が少なかったのに、雪面がきれいでけっこう楽しめた。
しかし今日は縦溝やトレースで荒れまくり。スキー板がはじかれ、あまり快適には滑れない。残雪が多いからといって、やはり4月前半とは違うのだ。
小倉山を過ぎ、1241点の手前まで来るとほとんど傾斜がなくなる。ここからはステップソールを活かして進むことになる。
1262mで板を持って道行山まで登り返し。標高差は30m程度で、ツボ足のトレースも多いのでさほど手間には感じない。もちろんこんな登り返し、ないに越したことはないのだが。
13:55-14:04 1292m 道行山。
ここから再び滑降。傾斜は緩やかでも、雪面がフラットならこの先もしばらく楽しめる。しかし今日はここも縦溝だらけ。やはり快適には滑れず、ただただ標高を落としていくだけだ。
この先、南西尾根上は雪切れ箇所がある。どうしようか迷った末、結局いつものように左斜面から巻くことにする。登るのは手間でも、スキーでならスムーズに尾根まで戻れるだろう。
まずは沢に向かって標高差50mほど滑降。ここは急傾斜で、気温も高いため、湿雪スラフが縦溝に沿ってずっと下まで流れていく。なるほど縦溝はこうやって出来ていくのか。
その後、尾根に戻るべくトラバース。いつもと同じ1090m付近で尾根に上がろうとするが、今年はクラックが大きく、スキーのままでは尾根に上がれそうにない。やむなくトラバースを続けることになる。急傾斜で雪シワ・クラックも多いため、ただのトラバースとはいえかなり厄介だ。
結局、スキーのまま尾根に上がれそうな場所は見つからず、板を外して10mほど登ることになる。これなら往路と同様に登山道を歩いた方が早かった。
あとは往路通り。途中で登山道のある支尾根を滑り、柳沢河畔へ出る。相変わらず縦溝は多いが、それなりに傾斜が強く、縦溝を蹴散らして滑れるので意外と楽しめる。
14:50 817m。
ここで北ノ又川沿いの登山道に合流。あとはストック漕ぎやクロカン歩行で40分ほど登山道を滑って終了だ。北ノ又川沿いの景観の良いルートとはいえ、ちょっと余分な感はある。
ともあれこれでGWの初日は終了。好天でそれなりに楽しめると思っていたのに、なんだかイマイチな結果に終わってしまった。行程の長さはともかく、雪が荒れていて滑りが楽しめなかったというところが大きい。
とはいえ下山後、同じタイミングで降りてきた方々に「最高でしたね」と話しかけられたので、普通なら十分楽しめるコンディションだったのかもしれない。贅沢になったのか、もしくはこの程度の山行をサクッとこなすだけの体力・技術が足りないせいなのか……。
(2017/4/30)
銀山平にある日帰り温泉。これまで越後駒ヶ岳の帰りは大湯温泉と決めていたが、せっかく登山口の近くにあるのだからと、寄ってみることにした。
いちおう4月上旬から土日は営業しているらしい(GWから通常営業)。
窓が大きく開放的な檜風呂(内湯)と、大小の露天風呂がある。
泉質は特に印象に残らないものの、浴室の雰囲気は悪くない。
大湯温泉のホテル湯元も悪くはないが、下山後にすぐに汗を流せるという利点は大きい。今後もここでいいだろう。
(2017/4/30)
寺泊、魚の市場通りにある居酒屋。場所がら海鮮系が売りのようで、定食類もそれなりにある。
越後駒ヶ岳から日本海経由で鳥海山に行く途中で立ち寄った。登山帰りに寄ることはそうないだろう。
この辺りは観光客向けの店が多いものの、夜に営業している店は少ない。その点では貴重な店だ。
19時過ぎに入ったので店内は飲み客ばかり。ちょっと肩身が狭かったが、実際のところ気にすることはないのだろう。
海鮮丼はなかなかゴージャスで、味も良い。ただ特筆すべき点もなく、値段相当と言える。