※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
前日、帰省途中の友人たちと初めて八幡平スキー場を滑ったのだが、関東近郊のスキー場では考えられない良質の新雪を味わうことができ、気に入ったので本日も一人で滑ることにした。
ここには茶臼岳へのお手軽ツアーコースがある。といっても下調べしておらずに地図も持ってきていないので、終日ゲレンデで楽しむつもりでいた。が、前の日に手つかずの新雪を滑れたのはたまたまであって、この日のオフピステゾーンは大部荒らされていて、昨日ほどの面白さはない。結局、誘惑に負けてツアーコースを滑ることにしたのであった。
標高差100mちょいの登りでここまでパウダーを楽しめるコースというのはそうそうない(距離はあるので1時間近くは歩く)。しかもパウダーの質が関東日帰り圏内の山とは一線を画している。
お手軽コースゆえハイシーズンには多くの人が入り、すぐに荒らされてしまうようではあるが、この日は天気が良くないせいか人は少なめ(そもそも大晦日だ)。おかげで短いながらもバックカントリーの要素を十分に味わうことができた。
第3リフトを降りると目の前に「大黒森山頂」への標識があり、2パーティが入山準備をしている。私もシールを貼り、10:25出発。トレースはしっかり付いている。
しばらくコース上は木が切り開かれており、たとえガスが濃くても迷うことはない。コース標識も多い。ただ、こちらは枝に隠され見落としてしまうこともある。
途中多くのスキーヤー、ボーダーを追い抜く。スノーシューなし、ザックもなしで、ボードを持ったまま新雪に埋まりながら進もうとしているボーダーもいる。私が追い抜くまでの間に彼は1歩しか進めていなかった。こういうのを見ると、登山届を強制するスキー場が正解なのかとも思ってしまう。
しばらく歩いているうちにコース標識をロスト。左手が急斜面で落ち込んでいるが、このような地形は想像していなかっため、間違ったトレースについてきてしまったかなと思う。やはり地図もなしに行き当たりばったりで入山すべきではない。結果的には尾根のちょっと左端を歩いていただけで、問題なく小屋に行き当たる。
小屋から先は灌木が中途半端に埋まっており、デコボコしてシールでは歩きにくい。おまけに初めて使うナイロン100%のシールが急斜面では効かない。急斜面といってもちょっとだけなのでまだ良かったが、いきなり本格的な山でこのシールを使っていたらえらいことになっていた(後日シールの毛をムリヤリ逆立ててからは多少マシになった。ナイロンシールはこうやってから使うのが常識なのだろうか?)
小屋からは数分で山頂に着く。
山頂直下はたいへん良い斜面(P5)。これだけ質の高いパウダーを快適に滑れるのは初めてといってもいいくらい。しかしすぐに傾斜は緩くなり、尾根上をほとんど直滑降で進むようになる(P6)。といってもよく滑る雪なので、灌木がすべて埋まれば、この程度の斜面でも自由にターンできるようになって意外と楽しめるのではないか。
1448mの尾根の左側をトラバースすると、斜面は再び広々とし、傾斜も出てくる。
さて、この斜面も撮っておこうとシャッターを切るも、何も反応しない。さては低温でやられたかと思って見てみると、バッテリーカバーが開いている。バカな話で、バッテリーだけどこかにを落としてしまったのだ。機種はOLYMPUSのμ-10、生活防水機能のついたまさにアウトドア向きのカメラであるが、革のグローブで扱っていると、気づかぬうちにフタが開いてしまうという欠点がある(これはその後何度も経験し、現在はフタをテープで止めるようにしている)。
ということで写真はないが、ここから先は沢に向かって快適な斜面が続く。沢の手前で、距離は短いものの極めて傾斜の強い斜面にぶつかる。一般のスキーヤーがこんな斜面を滑れるわけないので、たぶん通常のコースとは違うところを滑っているのだろう。この雪の深さではちょっとくずれて体が埋まるだけでもシャレにならない。慎重に下る。
沢から先はほとんど斜度はないように見え、かつ駐車上はまだまだ先のようだ。相当な距離をスケーティングを交えつつ戻らなければならないかと覚悟したが、それは杞憂だった。確かに斜度はないが、すべるすべる。ほとんど突っ立ったままの状態で沢沿いをぐんぐん滑り、未除雪のアスピーテラインに出てからもぐんぐん滑り、見る間に駐車場が近づいてくる。スケーティングのひとつもせずそのまま車まで辿り着いてしまった。
荒天でも楽しめそうな、ともかく手軽で快適なルートである。北東北の人々がまったくうらやましい。
(2003/12/31)
松尾八幡平ICへの通り道にあるわけではないが、ちょっと足を延ばす価値はある。
無色透明の湯だが、湯ノ花が浮かんでいるところは本格的温泉街の施設らしくて良い。