※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
先週、用事もないのに山スキーだけのために出張先の大阪から一時帰宅したばかりだが、シーズン最後の追い込みとばかり、今週末もまた山スキーのために帰宅。目指すは白馬大雪渓だ。
先週携帯を東京に忘れていったためピエール、ダマとは事前に連絡がとれず、さらに東京に着いたのは土曜の夜。これからいきなり声をかけてもそうそう都合はつかないだろうが、試しに連絡してみると、ピエールはOK、ダマもちょうど独りで白馬に出掛けようとしていたとのこと。
ということで朝6時、猿倉の駐車場に集合 。7時前には出ようと思っていたが、なんだかんだで遅くなってしまった。
7:28 1230m 猿倉駐車場発。
大阪からの強行軍のためか、体調が悪く吐き気がする。まあ10年ほど前まで登り始めはいつもこんなだったし、1時間もすれば胃も落ち着く。しばらくは吐かないようゆっくり歩きましょう。
長走沢辺りまで十分に雪は付いていないだろうから、しばらくは板を担いで歩く。
先行パーティーは皆、駐車場横の林道(砂防ダム建設道路というらしい)を登っていく。猿倉山荘裏手の登山道を登ったほうが早いのだが、確かに林道のほうが歩きやすいし、もしかしたら雪が早々につながってシール歩きができるかもしれない。我々も林道を歩くことにしよう。
長走沢の手前200mほどから雪が繋がりだしたので、ここでシール登行に切り替える。まあすぐに長走沢渡渉で担ぐことになるのだが。
8:02 1339m 長走沢。
昨年は橋がかかっていたのだが、今年はない。そういえば昨年は山開きの日だったので、それに合わせて橋が架けられたのかもしれない。
もちろんこの時期スノーブリッジなど残っている訳もなく、渡渉ポイントを探して5分ほど右往左往する。
渡渉したら再び林道上をシール登行。以降、雪が途切れることなく、シール登行を続けることができた。
8:43 1545m 白馬尻小屋付近。
いよいよここから大雪渓。しばらくは傾斜が緩いのでそのままシール登行。
まだ登り出しだというのにダマは遅れ気味。体調が悪いのかとピエールが心配するが、彼の場合遅いからといって疲れているとは限らない。たぶん後半、我々が疲れ始める頃からペースが上がり、独走を始めることだろう。
というか、そういってる間に急にペースが上がり、我々を抜き去って以降独走状態になるのだが。
10:21 2167m 傾斜が急になってくる辺りで、先行しているダマがシール登行からシートラーゲンに切り替える。う~む今回は早めに自分で判断したか。ダマの苦手な急斜面になったら追いつけると思っていたが、こうなるとますますダマの独走状態になるだろう。
ピエールも追従してシートラーゲン。自分はシール歩きが苦手ではないので岩室辺りまでこのままで行こう。
10:39 2300m 岩室。
岩が手頃な椅子となり、絶好の休憩ポイントなのだが、ダマ、ピエールは休まずに黙々と登り続ける。
ここで自分もシールをやめて担ぎ上げの準備。
11:37 2550m 小雪渓。
一昨年は少なくとも白馬頂上宿舎辺りまでは疲れを覚えることなくガシガシ登れたものだが、今日はこの辺りでもう疲労困憊となり、徐々に足が止まり出す。
12:03 2703m 頂上宿舎横。小雪渓終了。
ここで急斜面は終わり、再びシール登行に切り替える。
一昨年は白馬山荘まで雪がつながっておらず、途中で登山道に出てそこに板をデポして山頂まで往復したのだが、今年は雪もまだ多く、直接山荘までシールで登る。
12:25 2810m 白馬山荘。
先に着いていたダマが「上まで行きますか」と聞いてくる。ここから上は雪がつながっていないので板をデポして登ることになるが、ガスで視界が悪いので登るメリットはほとんどない。しかしピエールはスキー登山での白馬岳は初めてのはずなので、一応記念に登っておきましょう(ちなみにアルパインで中央稜からは登ったことはあるそうだ)。
ピエールがくるのを待ち、板をデポして登り始める。先に登っていったダマはザックさえ持たずにまったくの空身。でもここから山頂までって近いようで結構あるんだよね~。
12:54 2931m 白馬岳山頂。
ガスで視界はないが、風はむしろ白馬山荘の辺りよりも穏やか。ゆっくりしても良いのだが、さすがに腹が減った。さっさと山荘に戻って昼食にしましょう。
13:06 下山開始。10分ほどで白馬山荘に戻る。
ここで昼休憩。やはり体調がいまいちなのか、軽食しか持ってきてないのに少ししか食べられない。まあ復路は登り返しがあるわけでもなく、サッサと下山できるので心配はいらないが。
13:50 滑降開始。
頂上宿舎横まで緩斜面をゆったり滑り、小雪渓に滑り込む。白馬鑓に向かっての急斜面の滑降で、雪面は荒れているが雪は適度に柔らかく、なかなか滑りやすい。
ダマは絶好調。一昨年、傾斜がもっともきつい辺りではキックターンで下っていたのだが(暴走せずに確実に降りる手段をとったということでむしろ評価できる)、今年はキックターンの必要もなく、無難にテレマークターンを決めている。
さらに中程度の傾斜になってからはもはやダマの独壇場。この時期特有の縦溝をもろともせず、豪快に滑っていく。無木立なら斜面が多少荒れてようがもはや関係ないようだ。
ピエールは体調不良で1ピッチ滑るたびに大休止。自分も下部までくると疲れきって休んでばかりになる。
14:30 1550m 白馬尻小屋手前。
そろそろ雪渓の滑降も終わるはず。小枝や落石も多く、縦溝もいよいよ深くなっているためあまり快適ではない。ダマはこんなところでも無難に滑っているのであるが。
やがて喉状の細い斜面が現れる。ピエール、ダマはそのまま滑り続けるが、おかしいこんなところを登った覚えはない。辺りを見回すと、案の定右斜面にトラバースの跡が。ここで雪渓を抜けるのだった。
ダマもピエールもずっと下まで降りてしまったが、まあなんとでもなるので緊迫感なくのんびり構えていると、ちょうど同じタイミングで滑ってきた人に「リーダーならちゃんとしなきゃダメですよ」とたしなめられてしまった。
まあこのまま雪渓を滑っても、少なくとも金山沢出合で林道に戻れるはず。とりあえず自分だけ正規ルートを滑り、上から声をかける。声が聞こえたのかどうかわからないが、ピエールたちはそのまま雪渓を滑り続けることにしたようだ。ならば急いで先に行って、金山沢出合で待ち構えなければ。
14:45 1406m 金山沢出合付近。
ダマたちは無事こちらに気づき、適当なところから林道に登ってくる。
後は林道をノンビリ滑るだけ。一昨年は山開きの企画と重なり、ここで100人を超える多量の登山者に巻き込まれてしまったが、今年はむろんすんなり滑れる。
14:58 1345m 長走沢。
往路はちょっと上に回って飛び石を伝って渡ったが、もう多少濡れても構わない。このまままっすぐ、水が流れる堰堤の上をパシャパシャ渡っていきましょう。幸い濡れることも水流でバランスを崩すこともなく、すんなりと渡れる。これなら往路もこうすれば良かったか。
後は、雪の消えかけた林道を雪を拾いながら滑る。こういう時ステップインのビンディングは実に有効で、板の着脱を繰り返しても苦にならない。板もボロボロなので、道路脇のわずかな雪を拾って滑るのも気にならない。
そうやって駐車場のすぐそばまで滑り続けることができた。