※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
土曜は北日本が高気圧に覆われるというので、ダマを誘って磐梯方面に行くことにする。場所はいつもの西吾妻山。磐梯山もいまだ登ったことがないので捨てがたいが、こちらは必ずしも山スキー向きとはいえない。自分一人なら登山として楽しめればそれでいいが、今回はダマがいることだし、またの機会にしておこう。
ところがダマは途中のSAで寝過ごしたとかで、別行動をとることに。そういうことなら、この機会に磐梯山を試してみるか。どんなコースか確かめてみて、面白かったら後日ダマを誘えばいい。
スタートは裏磐梯スキー場から。表磐梯側も山スキーの対象となっており、滑降記録なんかを見るとむしろ表側のほうがよく滑られている。しかし裏磐梯コースのほうが景観がよく、下部の平原はスノーシュー・トレッキングの人気コースにもなっている。総合的に何かと楽しめそうだ。
ちなみにこの裏磐梯スキー場、たいした規模ではないので下からハイクアップしてもいいのだが、ゲレンデ内はどうやら歩行禁止らしく、ゲレンデトップまでリフトに乗る必要がある(後でわかったが、手前の駐車場からならゲレンデ外を歩いて登れるらしい)。
となると営業開始の9時まで待たなければならず、それならばと結局はダマを待つことにする。さほど長いコースではないので、多少スタートが遅れても問題ないだろう。
9:58 1106m 裏磐梯スキー場ゲレンデトップ。
まずはほとんど傾斜のない平原をシール登行。木曜の降雪でトレースはいったんリセットされたらしいが、コース上はすでに新しいトレースでいっぱい。予想以上の人の多さだ。
10分ほどで銅沼。目の前には1888年の山体崩壊跡が荒々しい姿を見せており、なかなかの景観。この先にはイエローフォールという目玉もあることだし、トレッカーに人気があるのも頷ける。
ちなみにスキー登山の場合はここで右に折れて中ノ湯経由で登るのが普通だが、今日は火口壁コースから時計回りで周回することにする。これなら途中でイエローフォールにも立ち寄れる。
10:27-10:40 1195m イエローフォール。
一般に紹介されている写真だとなかなか見応えがあるのだが、今年は規模が小さいようで、色もあまり濃くはない。正直期待外れだが、さほどの寄り道でもないのでまあ良かろう。
トレッキングコースはここまでで、この先は登山者の領域。尾根の末端まで回り込み、火口壁コースの登山道に合流する。
スキーのトレースはもはやなく、周りはみな登山者。直登する登山者を尻目にシールで登っていく。しかしだんだんと傾斜はきつくなり、やがてシールでは登りづらくなる。この先はあまり雪が付いていないはずなので、1375mで板を背負ってアイゼン登行に切替。若干潜って歩きづらい箇所はあったが、ツボ足でもさほど苦労せずに登っていけた。
11:27 1445m 磐梯山-櫛ヶ峰稜線。
眼下に檜原湖などの湖沼群、その先には吾妻連峰や飯豊山が見渡せるようになる。そして稜線をちょっと進むと目指す磐梯山の山頂が。もうすぐそこだと思っていたが、まだけっこうある。
ここからは爆裂火口の縁に沿っての稜線歩き。黄金清水を越えるまではあまり雪が付いておらず、岩や泥の上を歩くことになる。下りはこのルートを滑るわけではないが、この時期に泥道を歩くというのはちょっと悲しい。
12:03 1628m 弘法清水小屋。
ここまで来ればあと一息。この先の斜面は雪をかぶった灌木でデコボコしており、その間を縫うように登る。
小屋からはあっという間に登れそうだったが、標高差は200m近くある。いつも以上に疲れを覚え、思った以上に時間がかかる。
12:34 1812m 磐梯山。
たかだか2時間半ほどのルートなのに、なんだかえらい疲れた。対してダマは元気いっぱい。聞けば明日、三浦のハーフマラソンに出場するらしい。大会前日にこんなことしてていいのだろうか?(しかもさっさと帰って体調を整えようなんて気は毛頭無いらしく、夜は喜多方まで出向いてラーメンを食ってた)。
山頂からは遮るものなく360度見渡せるが、霞がひどくて期待していたほとの展望は得られない。すぐ目の前の猪苗代湖ですらはっきり見えないほど。しかしちょっと下には平らな広場があり、風もないのでゆっくり休憩できるのはありがたい。
13:24 滑降開始。
登ってきた北尾根ではなく、北西側の広い斜面を滑る。しかし灌木でデコボコしている点は登りルートといっしょ。なかなかターンができず、斜滑降や横滑り、キックターンを多用して下っていくことになる。
ただ、登っていた時に感じたほど滑れないわけでもない。クラストもしてないし、ちょっとスペースがあればなんとかなる。これはこれで十分楽しい。
ちなみに後で振り返ってみると、すぐ隣にオープンバーンがあった。さほど広くはないが、こちらを滑っていればさらに楽しめただろう。
傾斜がゆるくなってくると灌木も少なくなり、普通に滑れるようになる。短い区間ながら実に快適。
1600mで山頂ドームの滑降は終了。ここからは尾根の西斜面をトラバースする。さいわいトレースが残っており、それに乗ってどんどん滑っていける。ただし雪はかなり深くまで腐っており、油断すると雪ごとずり落ちてしまう。実際ダマはなんどもずり落ち、単純なトラバースルートながらもそこそこ時間がかかる。
14:25 1473m 八方台ルート展望台。
トラバースはここまで。この先は広い沢を自由に滑っていける。腐れ雪ながらも快適なツリーランを楽しめる。
14:42 1303m 中ノ湯跡。
ここで八方台ルートを外れて裏磐梯方向へ。北向きの沢地形のため雪は深く、傾斜もほどほど。重めの雪質ながら楽しく滑ることができる。
ほどなく平原に出て滑降は終了。銅沼への下りでちょっとだけ滑れる箇所はあるが、あとはストック漕ぎや逆ハの字でゲレンデまで戻る必要がある。とはいえさほどの距離ではない。面倒に感じることもなくゲレンデまで戻ることができた。
ともあれ初めての磐梯山、天気にも恵まれ、期待以上の面白さだった。
あまり山スキー向きでないと言われており、快適に滑れる斜面は確かに多くはなかったが、個人的には滑り自体も十分楽しめた。
爆裂火口などの景観も素晴らしいし、西吾妻山の樹氷原とはまた違った楽しみ方ができる。今後、西吾妻のパウダーが期待できない場合なんか、こちらに登るのもありかもしれない。
(2016/3/5)
裏磐梯から喜多方へ抜けるR459沿いにあるクアハウス。
ウォーター・スライダー付きプールがあるなど施設は充実しているが、冬季は露天風呂がやっていないし、風呂目当ての我々にはさほどメリットはない。
お気に入りの休暇村裏磐梯より営業時間は遅いので、休暇村裏磐梯に入り損ね、かつ喜多方方面に行く用事(余裕)がある場合に寄るぐらいか。
(2016/3/5)
喜多方ラーメンの元祖と言われている店。混んでいるかもと心配だったが、まったくそんなことはなかった。
麺はかなりツルツルしており、個人的にその点はあまり好きではない。しかしスープはあっさりした中にもコクがあり、総合的には十分満足。
餃子は大きくて食べ応えがあるが、ラーメンといっしょだと立派すぎの感も。