※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
昨日は磐梯山に登ってそのまま帰宅するつもりだったが、翌る日曜も会津地方はそこそこ天気が良いらしい。ならばと、この機会に西会津の博士山に行くことにする。山スキーのガイドブックにときおり紹介される山なので一度登ってみたかったのだが、なにしろ首都圏からのアクセスが悪く、こういう時でないとなかなか行く機会がないのだ。
昨晩は柳津の道の駅で車中泊。ここから博士山へは県道32号を北からアクセスすることになる。思ったより近く、さらには途中に西山温泉があるためか、道も想像していたよりはるかに走りやすい。
県道32号沿い、枇杷首集落の辺りに2~3台駐車可能な路肩スペースがある。思ったより開けた場所で、こんなところに数時間車を放置するのかと思うとちょっと躊躇してしまう。
他に車はなく、結局この日登ったのは自分だけ。もう少し人がいるかと思っていたので少々意外だった。
到着時、辺りは深いガスに包まれ何も見えない。日が昇れば晴れ上がるだろうと、仮眠してガスが薄まるのを待つ。
7:15 656m 琵琶首駐車地点。
ガスがだいぶ薄まったところで出発。
まずは目の前の林道をシール登行。そのまま正面の尾根に取り付くのがもっとも効率的に見えるが、ガイドブックでも公開記録でも、ここから登っている例は見たことがない。理由はわからないが、自分もそれに倣って林道をしばらく進み、適当なところから尾根に登ることにする。
尾根上までの南斜面はすでに雪が消えているところも多く、シールで登れる場所を探して右往左往する。完全に春の様相だ。
868点の先で尾根の上に出たら、あとはこの尾根をひたすら登るのみ。ところどころ狭い箇所があり、地形図には表れない微妙なアップダウンもある。登る分には問題ないが、下りはさほど楽しめそうにない。ひとつ北側の尾根(以下、北西尾根)も滑降可能なようなので、下りはそちらを滑ることにしよう。
8:59 1153m 林道横断。
この林道から植生はガラリと変わる。ここまでは鬱蒼とした雑木帯で、こんな山がなぜ山スキー向きと言われるのか疑問だった。しかしこの先はきれいなブナの疎林帯で、たしかにここを滑るのは面白そう。少雪ゆえヤブは埋まりきっていないが、この程度なら問題ない。
1410mで北西尾根に合流。この辺りは尾根も広くてとりわけ快適に滑れそうだ。
しかし、その先は再び狭い尾根となる。多少ながらアップダウンがあり、雪庇も張り出している。快適に滑れるのはここから下になりそう。
ここまで登ると展望も良くなり、北には真っ白な飯豊連峰も望めるようになる。西側は木に邪魔されすっきりした展望は得られないが、それでも燧ヶ岳や守門・御神楽岳など、尾瀬や会越国境の山々が見え隠れする。
9:59 1476点ピーク。
目指す博士山はもう目の前。しかしこの先はアップダウンのある細い尾根で、山頂まで登っても滑って戻れそうにない。正直ここをゴールとしたいくらい。しかしまあ初めての山だし、いちおうは山頂まで登っておこう。
ちなみにここまでトレースをまったく見かけなかったが、ここから先は最近のトレースが2本残っている。昨日辺り南西尾根を往復したのかもしれない。
10:18-10:21 1481m 博士山。
山頂もまた木々に邪魔され360度の展望は得られない。北側は磐梯・吾妻の山々が見えるはずだが、霞んでいたためか、この時は気づかずじまい。後日写真を見てうっすら写っている磐梯山に気づいた程度だ。
せっかくの山頂だが、さほど魅力はなく、ここから滑降できるわけでもない。休憩もそこそこにシールのまま1476点まで戻る。
10:32-10:51 1476点ピーク。
休憩後、シールを外して滑降開始。
といっても1400mの尾根分岐までは細尾根が続き、快適に滑れるわけではない。山頂から北西の沢を滑り、途中でこの尾根に登り返すべきだった。そうすればアップダウンのあるつまらない区間をパスできたのに。
1400mで登りルートを外れ、北西尾根に入る。ここからは快適なブナのツリーランが楽しめるはず。
が、この選択は凶と出た。登りルート同様にブナの疎林帯ではあるのだが、はるかにヤブが多い。おまけに(これは登りルートも同様だろうが)重い腐れ雪で、のろのろとしか進まない。新雪やザラメ雪ならともかく、これでは正直楽しくない。少なくとも林道までは登りルートのほうがまだ楽しめただろう。
11:21 1100m 林道横断。
ここまでのところ、下りに北西尾根を選んだのは完全に失敗だった。しかしこの先はこちらの尾根のほうが滑りやすいはず。
――と信じていたのだが、最悪だったのは実はここから。
植生は杉の植林帯に変わり、しかもまだ若木で除伐や間伐が行われていない。滑るどころか通るのもやっと。これなら、たとえ尾根が細くても、アップダウンがあっても、雑木がちょっとうるさめでも、登りルートを滑ったほうがはるかにマシだった。
980mで杉の植林帯は終わり、雑木帯へ。これで一安心。尾根は狭く、樹間もけっして広くはないが、ヤブは上部よりはるかに少ない。これくらいならスムーズに滑れる。
810mで尾根を外れて南側の沢へ。植生は再び杉の植林帯になるが、こちらはある程度育っていて、十分なスペースがある。
最後は水田かなにかの広い雪原に出る。いちおう立ち入らないよう林道らしき場所を通り、ほどなく登りルートに合流して終了だ。
(2016/3/6)
会津田島から金山町・柳津町方面に抜けるR400沿いにある日帰り温泉施設。
いちおう博士山の最寄りといえるが、東京方面に戻る場合はそこそこ寄り道になる。
小さいけど露天風呂があり、料金も高くないが、それほど印象には残らない。湯も熱めで好みではない。
けっして悪い風呂ではないが、この程度なら、たとえ東京から逆方向でも西山温泉に行ったほうが良かったかも。
(2016/3/6)
大内宿名物の高遠そばを食べられる店。有名店ではないが、あんこ餅もあるというのでこの店にした。蕎麦だけでは物足りず、甘いものも食べたかったのでちょうどいい。
ネギ丸々1本を箸代わりにして蕎麦といっしょにかじりながら食べるという高遠そば、インパクトはあるが、味そのものには正直期待していなかった。せっかく大内宿に来たのだから、話のネタに一度は食べておくか、という程度。
しかしこれが意外にうまい。懸念していたほど食べづらくはなく、生ネギと蕎麦の相性もいい。観光とは切り離しても、普通に食事として良かった。