※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
観測史上1位ともいう関東への大雪で、富士山は麓まで真っ白。降雪直後はインフルエンザで出掛けられなかったが、このチャンスを逃すわけにはいかないと、西高東低の日を狙って富士山御殿場口に向かう。
大雪から3週間も経っているが、途中の自衛隊の辺りでもまだ道路脇に多くの雪が積み重ねられている。さらに昨晩も降雪があったようで、馬返しの辺りからは路面にもうっすら雪が積もっており、道路上でチェーンを装着している車もある。予想以上の雪の多さで、まるで長野県を走っているようだ。
太郎坊駐車場への道路は除雪されていないため(というか雪がなくてもこの時期封鎖されている)、太郎坊トンネル手前のスペースに車を停める。
8:49 1227m 出発。
以前来たときは車道を使わず真っ直ぐ北西に登っていったが、今回は他の人の例に倣い、素直に太郎坊駐車場への車道をシール登行。多少遠回りになるが、歩きやすいし、まあいいだろう。
市内は晴れていたが、山頂は厚い雲に覆われており、この辺りもガスはかかっていないものの薄暗い。快晴を疑っていなかっただけにちょっと残念。
9:16 1413m 太郎坊駐車場。
夏道は真っ直ぐ車道の突き当たりから延びているが、二ツ塚を目指す場合は南側の沢の登るのが一般的なようで(こちらも登山道になっている)、途中で広い駐車場を横切ってそちらのコースへ出る。
駐車場を抜ける辺りからガスの中に突入。さらに登ると無木立の大斜面となり、目標物がなくなったためGPSを頼りに進む。地形的に危険な個所はないものの、この先もずっとこうだと全然楽しめない。そのうちガスも晴れないかと淡い期待を胸に登り続ける。
すると、思いが届いたわけではなかろうが、突如ガスが切れ始め、真っ白で広大なスロープが一気に目の前に現れる。スキー場でもこうはいかないだろうという圧倒的に真っ白な大バーンだ。これは期待以上。
このコンディションで、すぐ目の前の二ツ塚往復だけというのはちょっともったいない。どこまでいけるかわからないが、ともかく宝永山に向かって登れるだけ登ることにしよう。とりあえず11時、もしくは危険なくらい雪が硬くなるまでを目処にする。
11:00 1920m 次郎坊(旧二合五勺)。
終了目処としていた11時になったが、思いのほかペースが上がらず、二ツ塚兄山よりさほども登れていない。まだ時間は早いし、もうちょっと頑張って12時まで登ることにしよう。
ほどなく御殿場口登山道(大砂走り)に合流。等間隔に目印の木柱が並んでいるので、以降はそれに沿って登る。
ガスは先ほど以上に晴れることはなく、むしろだんだんと深くなっていく。先ほどまで切れ切れに見えていた宝永山も、もはや姿を現すことはない。
12:02-12:25 2161m 場所的には中途半端だがここまでにしましょう。
休憩している間にガスはこれまで以上に濃くなり、もはや途切れることもなくなってしまった。目印の木柱も見えない。ちょっと待ってもダメ。しょうがないと諦め、滑降開始。
完全なホワイトアウトのため上下の感覚すらなく、ろくにターンもできない。
それでも、しばらくすると次の木柱ぐらいは見えるようになり、それを頼りになんとか滑れるようになる。モナカ雪だし雪面もよく見えないので滑りづらいのに変わりはないが、これはこれで意外と楽しい。
12:45 1900m この辺りまで降りるとガスはだいぶ薄まり、滑るのに支障なくなる。斜度もいい感じで緩やかになり、モナカ雪のいい練習になる。
このまま夏道沿いに滑ろうかと考えていたが、こちらは風が当たるのか、下るにしたがいクラスト具合が酷くなってきた。モナカ雪の練習になるとはいえ、快適に滑れるのに越したことはない。二ツ塚登山道側はそれなりに雪も吹き溜まっていたので、そちら側を滑ることにしよう。
13:05 1633m 二ツ塚登山道合流。
沢といってもさほどの窪みはないのだが、雪は30cmほど吹き溜まっており、非常に滑りやすい。これは楽しい。そのまま駐車場まで快適に滑る。
13:21 1415m 駐車場脇。
このまま往路通りに車道を滑って戻ろうと考えていたが、間違えてトンネルへ真っ直ぐ下るルートに入ってしまう。といっても問題はないはず。前回もこちらを下ったが(その時は雪不足で担いで歩いた)、雪があれば滑るのに問題ない斜面だったはず。車道を滑るのよりも面白かろうと思い、そのまま滑り続ける。
が、そのうち木が濃くなってヤブ漕ぎに。失敗したかと思うが、それもわずか。すぐにまた適度な林間となり、そのまま駐車地点に滑り込んで終了である。
それにしても、ガスで苦しめられたにも関わらず、期待を遥かに超えて面白かった。また大雪のシーズンに来たいものだが、ここまで積もることはそうそうないか……