※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
ここ数年、山スキーメーリングリストやヤマレコでやたらと目にするようなった鍋倉山。面白そうだと思いつつも、飯山I.Cを降りてからの下道が長く、豪雪地帯なので厳冬期に行くのはちょっと躊躇していた。それだけの価値があるのならともかく、コースは短いし、途中に傾斜のない平原もある。少なくとも地図を見ただけでは、時間をかけて行くだけの価値を見いだせないのだ。
しかしシーズンは長いらしく、GWの記録も時折投稿されている。それであればまだ十分滑れるはずだし、道路の雪も消えアクセスしやすくなっているだろう。ということで、どんなものか試しに行ってみることにする。
7:50 551m 出発。
ひとまず北西に向かえば良いはずだが、細かいルート取りがわからず先行者のトレース通りに進む。地図を見ると、車道をショートカットするように登山道が延びており、その通りに登っているようだ。
8:06 651m 再び車道に合流。
あまり需要のある道路には見えないのだが、けっこう除雪が進んでいる。
そのまま車道の左端をしばし歩き、田茂木池のある平原に出る。新雪後だと下りラッセルに苦労しそうなところだが(登りトレースが使えるのでそうでもないか?)、雪の締まったこの時期なら、多少のストック漕ぎだけで滑ってこられそうだ。
平原の向こう端に小屋が見え、そちらに向かって歩いて行く。
8:26 740m ここから左の尾根に取り付く。けっこう急傾斜。もう一つ先の尾根から登ることもできるようだが、まあどこからでもいいだろう。
ところがここで想定外の事態が。シール先端の金具を反対足で蹴っ飛ばしてしまい、その勢いでシールが千切れてしまったのだ。例のゲッコのシールである。
テールフックはすぐに千切れてしまうと評判(?)だが、蹴った勢いとはいえ先端まで千切れるとは。これは酷すぎる。
テールフックはなくても構わないが(というか実際テールフックを外してエンドフリーで使っている)、先端を固定できないとどうにもならない。
しばらくはシリコンの再接着性を頼りに何度も張り直しながら登り続けるが、急斜面で限界。本格的に処置をしましょう。
ということでダクトテープで先端をグルグル巻きにする。こんな張り方ではそのうちスッポ抜けるかと思いきや、結果的に山頂まで剥がれることなく登ることができた。厳冬期の超低温時ならともかく、これくらいの気温であればダクトテープは頼りになる。
さて、急斜面を登り切って南東尾根上に出れば、あとは山頂まで適度な斜度の尾根が続く。ブナの巨木も目に付くようになり、登っていてたいそう気持ちがいい。
10:00 1283m 山頂。
お馴染みの新井・高田の平野部や、その向こうの頸城の山々が一望にできる。この辺りの山に登るのは初めてで、景色が新鮮に感じる。
さて、まだ時間は早い。戻る前に1本、北東のボール状の大斜面を途中まで滑ることにしましょう。
10:11 北東斜面への滑降開始。
最上部は無木立の急斜面で、新雪後は多少注意が必要かもしれない。まあその場合は北西の黒倉山コルから滑り降りればいいだけだ。
むろんこの時期は雪崩の心配もなく、急傾斜ながら快適に滑ることができる。
ちょっと下るとブナの疎林帯に入り、あまりの楽しさに久しぶりに歓声を上げながらの滑降となる。
10:20 1017m 雪は重く、傾斜もだいぶ緩くなる。この辺りで終了にして登り返しましょう。
時間はまだ早く腹もすいていないが、ポカポカして気持ちいい陽気なのでここで昼休憩にする。
10:37 登り返し。再びシールをダクトテープでグルグル巻きにするのは面倒なので、板を担いでツボ足で登ることにする。多少潜るが、まあ問題ない。
11:23 1280m 再び山頂。
シールを外し、下山ルートと決めていた東尾根を滑る。往路の尾根の1本北側の尾根だ。
先ほど滑った北東斜面と違い、こちらはメローな尾根が続く。豪快な滑りはできないが、今日のような春のうららかな日には、このようにマッタリしたコースのほうが楽しかったりする。
ブナの大木も多く、心が和む。
途中、こちらの尾根を登って来る多くの人とすれ違う。自分が登った尾根は取りつきが急だったので、こちらの尾根のほうが登りやすいのかもしれない。
尾根上はところどころ狭い箇所もあるが、総じて快適で滑りやすい。
11:47 848m この辺りになると尾根上は木が邪魔で滑りにくくなる。もう尾根から降りて左側の平原に出てしまおう。
ちょうど左は滑りやすそうな無木立の斜面になっており、平原に向かってドロップ。
平原に出た後も、小屋までなら比較的傾斜はありスムーズに滑っていける。
小屋から先はほとんど傾斜がなく、ストック推進を交えながらちんたら進む。
12:00 654m 車道合流。
あとは登ってきたルート通りに車道をショートカットし、登山道に沿うように滑っていく。途中雑木をよけながらの滑降となるが、これはこれで楽しい。
そのまま駐車地点のそばまで滑りこんで終了だ。
(2013/04/14)
露天風呂がえらい離れていて、内湯からは千曲川に面した屋外の通路(さすがに塀はある)を歩いて行く必要はあるが、全般的にきれいで居心地は良い。
(2015/03/08)
冬は露天風呂への屋外通路は通れない様子。
この日は野沢温泉スキー場帰り(?)の若い団体がやってきて、体を拭かずに脱衣所をうろついたりと最悪だった。ただ、最寄りのスキー場にはそれぞれ温泉があるし、普段はここまで来るスキー客は少ないはず。たまたま運が悪かっただけと信じよう。