※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
4日ぶりに晴天が見込まれる鳥海山。しかし青空を期待できるのは午後からで、朝までは雨が残るらしい。おまけに暴風予想は相変わらず。こちらは終日おさまりそうにない。
いちおう今日に備えて昨日はダマが湯ノ台口、自分は中島台を偵察したのだが、この天候ではこれらのロングコースは厳しいし、他のコースにしても山頂までは登れないだろう。この山の暴風はシャレにならないのだ。
しかしこの日を待って3日間も停滞していた訳で、何もしないという手はない。そこで遅めの出発となっても問題なく、さらには山頂まで登れなくても十分楽しめるはずの猿倉口コースを滑ることにした。4日前と同じコースだが、ここなら登山口までしっかり雪が残っている。途中で引き返すことになってもそれなりに滑ることができるだろう。
ところでダマは3日に庄内までやって来たのだが、天候不良のためやはり周辺をブラブラしていただけ。やっとスキーができそうだということで連絡を取ると、もう諦めて帰るとのこと。スキーはおろか、顔を合わせることもなく解散することになった。
さて当日。予報通り朝方は雨で、激しい雹まで降ってくる始末。天気が回復してから登ればいいやと、車中泊していた道の駅でゆっくり過ごして朝8時半過ぎに猿倉駐車場に到着する。と、昨日帰るといっていたダマがいるではないか。このまま帰るのはもったいないと、いちおう登山口まで来てみたそうだ。
ここでふとひらめく。この猿倉口の下部は快適そうなブナ林が広がっていて、雪も十分残っている。奥山放牧場までは無理としても、堰口(法体の滝への分岐路付近)までは快適に滑れそうだった。ならば車1台を堰口に停め、そこまで滑り降りることにしよう。今日は暴風で途中までしか登れないだろうから、その分、下部を楽しもうというわけだ。
ということでダマの車を堰口の辺りにデポ。スキーかどうかわからないが、他にも2台の車が停められていた。
10:08 1007m 猿倉駐車場。
天気は予報より早く回復し、この時間にはだいぶ青空が広がった。風は強いが、この辺りはまだ支障が出るほどではない。
3日前からの雨でけっこう雪が解けただろうと思っていたが、ほとんどそれは感じない。縦溝もなし。それどころか標高1150mぐらいから上は雪だったようで、トレースで荒れまくっていた斜面もきれいにリセットされている。これは思ったより楽しめそうだ。
天気の回復を待っていた人は他にもおり、途中で複数のスノーモービルにも抜かされる。スノーモービルは嫌みのように我々のすぐ脇を通過していき、雪を大いに浴びせられた。自動車で泥水を跳ねられるのと違って雪の塊が礫のように飛んでくるので、これがけっこう痛いのだ。
1400mで七ツ釜へ向かう赤旗ルートを外れ、そのまま直上。風が強いので七ツ釜避難小屋をゴールとしても良いのだが、これくらいならもう少し上まで登れそう。このまま真っすぐ登ったほうが後々楽しめるだろう。
1550mからはノド状の窪地を通過。ここは特に新雪が吹き溜まっている。傾斜もそれなりにあるし、下りはけっこう楽しめそうだ。
この窪地を抜けるといよいよ風が強くなり、完全な地吹雪状態に。
視界が悪い上、ときおり襲ってくる突風に対して耐風姿勢を取りながらでないと登れなくなる。おまけにアラレ状の固い雪が激しい勢いで飛んでくる。吹き下ろしの向かい風のため、顔に当たって非常に痛い。
やがて顔も上げられなくなり、最終的に1933点のすぐ手前で前に進むことを断念。この先はハイマツ帯がなくなって完全な吹きさらしになるし、傾斜も増して滑走準備がしにくくなる。この辺りが適当だろう。
12:18-12:43 七高山下1925m。
滑降開始。これだけの強風のため、この辺りはカチカチのベース面が出ているところが多い。しかしそうした場所を避ければサラサラの新雪を被った状態。トレースで荒れていた斜面もきれいにリセットされているため、4日前より遥かに楽しく滑ることができる。
追い風になるためか、滑ってる分には風もほとんど気にならない。
1700mくらいまで下るとさらに雪が深くなり(といっても数cm程度)、しっかりシュプールを描けるようになる。ノートラックの斜面はやはり気持ち良い。暴風の中、ここまで登ってきた甲斐があったというものだ。
1600m付近の窪地はさらにフカフカ。底辺りもなく、快適に滑ることができる。
1550mで往路の谷ルートを出て、いつもより上部で七ツ釜小屋からのルートに合流。こちらのほうが広くて滑りやすそうに見えたのだ。
すでにシュプールが何本かついているため、ファーストトラックならではの気分の良さは味わえない。それでも雪面は十分きれいなので、相変わらず楽しく滑ることができる。
しかし猿倉口が近づくにつれ、滑りやすかった新雪もストップスノーに変化。傾斜も緩やかなため、ほとんど板が走らなくなる。ザラメ雪なら自由にターンを描けるのに、スノーモービルの跡を直滑降で滑ることになった。まぁ新雪のおかげでここまで楽しく滑れたのだから、これくらいは良しとしよう。
1100mで猿倉口へのコースを外れ、いよいよ車を置いてある堰口方面へ。なにしろ未検討のルートなので、駐車地点に確実にたどり着けるよう、道路からつかず離れずで滑ることにする。
この標高は雪ではなかったらしく、滑りやすいザラメ雪を保ったまま。これまでより遥かに板は走る。ただし傾斜は全体的に緩く、ところどころストック漕ぎが必要になる。
この辺りはブナの樹林帯で、すでに新緑が芽生えている。気分良く滑れる反面、芽鱗が落ちまくっていて滑走面がベタベタになる。せっかくザラメ雪だったのに、滑りは悪くなる一方だ。コース自体はいかにも春のクラシックコースといった感じで悪くないのだが、ヤニが付くのは困る。
770mで急斜面を降りて手前沢の沢底へ。沢割れを懸念して早めに尾根から降りたわけだが、沢はまだ十分埋まっていて、そのまま沢底を滑り続けられる。
その後ホーラ沢と交差する辺りから沢が割れてきたが、まだスノーブリッジも残っており、無難に対岸に出ることができた。
あとは広大な雪原をストック漕ぎを交えて駐車地点まで戻るだけ。しかしあと少しというところで取水口に流れこむ沢に遮られ、車道から回り込むことになった。まぁたいした距離じゃないのでいいのだが。
ちなみに朝、我々が車をデポした時点ですでに2台の車が停まっていたが、我々が片付けをしている間にそのパーティーも滑り降りてきた。後日調べるとそこそこ滑られているコースのようだ。
地図を確認すると、1550m付近で猿倉口ルートを離れ、1178.3三角点のあるトカタノ沢右岸尾根を滑ったほうが渡渉もなくて楽しめそう。今度機会があれば試してみよう。
(2018/5/1)
以前から一度入ってみたかった施設だが、鳥海グリーンラインが花立から先で長いこと通行止めになっているため、こちら側の道を通ることはなくなっていた。しかしこの日は由利本荘側へ向かうため、チャンスとばかりに寄ってみる。
泉質はとりたてて特徴は感じないものの、立派なホテルの風呂だけあってきれいで露天も広い。
祓川・猿倉コースを滑った場合の定番にしたいところだが、仁賀保側に戻る場合、鳥海グリーンラインが復旧しないとあまりにも遠回りになる。早く復旧してもらいたいところだ。
(2018/5/5)
4日前にも来て、とても気に入ったので鳥海山から遠くなるのにダマを誘って来ることにした。
8種類の丼メニューのうちから2つ選択できる。丼メニューはどれも魅力的だが、この日は2種類が入荷待ちだった。
はたはた練り込みうどんが付く。これまた美味く、名物の稲庭うどんでないのがまったく残念に思わないほど。
この日は海鮮丼と由利牛ローストビーフ丼を選択。ローストビーフ丼は4日前にも頼んでおり、十分美味い。海鮮丼は普通だが、この値段でいろいろ食べられる点は嬉しい。