※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
今年のGWはカレンダー通りの4連休。日程に余裕があれば渋滞必至の初日は捨てたいところ。しかし今年は久しぶりに鳥海山まで遠出したく、最低でも3日は欲しい。初日に月山に立ち寄り、残り2日間を鳥海山というところか。最終日には戻っていたいので、そうなると会社から帰宅したその日のうちにがんばって東北に向け出発するしかない。
予想通り東北道は深夜から大混雑。それでも常磐道は空いており、スムーズに集合場所の寒河江SAに着く。ダマは渋滞に巻き込まれていないかと心配したが、やはり常磐道を使って時間前にやってきた。
前回は月山荘バス停前の大駐車場に車を停めた。しかし今年はまだ除雪されていない。ネイチャーセンターの駐車場に長時間車を停めるのも気が引ける。幸いその手前の路上にも駐車スペースが設けられており、そこに停めることができた。ここに自分の車を置き、ダマの車で月山スキー場へ向かう。
9:40 1508m リフトトップ発。
ここからしばらくはシール登行に適した斜面だが、雪は十分しまっている。どうせ上部の鍛冶小屋付近は岩が露出しスキーを担がなければならないし、初めから板を担いで登ることにする。雪はまだ硬くはないが、ついでにアイゼンも履いてしまおう。
今年は全国的に雪が多かったのだが、ここ月山では稜線上など例年よりはるかに地表が露出している。一方で沢筋は十分に雪が残っているので、冬期の積雪は多かったが春以降は好天が続き、日当たりのよいところは例年より早く融けた、というところだろうか。
牛首から月山山頂への斜面も残雪がいつもより少なく、雪渓がところどころ途切れている。一気に滑れないのは残念だが、これくらいなら許容範囲か。
いつものことだが、鍛冶小屋跡を越えて山頂直下の広場に出るととたんに風が強くなる。前回はバラクラバなしでは過ごせないほどの吹雪と視界ゼロのガスによりここで撤退した。風だけであれば今日も負けず劣らず激しい。
11:07 1970m 月山山頂。
風はさらに強く、カメラを構えることさえままならない。神社は屋根しか出ておらず風除けにならず、広い山頂をさらに進んで大岩の陰で休憩する(後で確認すると神社の西側は埋まっておらず、普通に陰で休憩可能であった)。
11:28 滑降開始。
山頂からは板を担いだまま下る人も多いが、ちょっとでもまとまった雪があればスキーで滑りたい。普通のビンディングのダマはともかく、テレブルドックの自分は板の脱着は手間にはならないのだ。
しかしあまりに風が強く、滑っていてもあらぬ方向に押しやられそうになる。
鍛冶小屋跡から先は、例年であればネイチャーセンターまで滑り通すことができる。しかし今年は雪渓が途切れ、金姥までも何回か板を外すことになる。
もともとこの月山北西斜面はトラバースばかりで自由自在に滑れる斜面は少ないのだが、景色がいいこともあり、前々回は結構楽しめた。後にダマがガッサンガッサンと崇めるようになったくらいである。が、今年は雪が少ないこともあってかなんだか今ひとつ。姥ヶ岳裏斜面に期待するか。
12:11 1613m 金姥分岐。
ここで尾根の右側に出る必要があるが、尾根上はやはり雪がなく藪こぎに苦労する。
ここからは姥ヶ岳北東斜面をトラバースして姥ヶ岳の西側に出る。ただし上から確認したところでは、北東斜面は大きな割れ目があったりブッシュが出ていたりと、板を外さずに行けるか微妙だった。
それでも滑ってみると、いつもより多少高度を下げブッシュ帯をスルーする必要はあったが、なんとか板を外さずに西斜面に出ることができた。
12:22 1532m 北西尾根1530点。
ここから湯殿山コルまで、トラバース気味ではあるが快適な斜面となる。
が、ここも以前ほどの面白さは感じられず。例年なら石跳沢上部くらいまでは快適なザラメ雪を楽しめるのだが、今年はすでにこの辺りから雪が腐っており、さほど軽快には滑れない。雪が少ないせいか斜面も大きく波打っていて滑りにくい。
12:32 1342m 湯殿山コル。
いつもここで湯殿山まで足を延ばすか迷うのだが、結局そのまま石跳沢を滑って下山してしまう。が、今年はここまでの滑りがイマイチで物足りない。曇り空になってきたが、まだ保ちそうだし時間的余裕もある。よし湯殿山まで登ることにしよう。
湯殿山まではこのまま細い稜線上を登ればいいはずだが、稜線上はブッシュが出まくり歩きづらそう。とりあえず新しいトレースがあったのでその通りに歩いてみる。
まずは雪の付いている尾根の南側から。しかしそれもすぐ行き詰まり、結局雪の付いている斜面を求めて稜線の右に出たり左に出たりと、何度もヤブ漕ぎが必要になるのであった。
コルから湯殿山方向を望むと、目の前のピークを湯殿山と勘違いし、すぐに登れそうに思ってしまう。しかし実際はかなり奥の方にあり、山頂まで4つほどの小ピークを越える必要がある。標高差はさほどでもないのだが、前述の通り登りにくいので思っていたより遥かに時間がかかる。小ピークを越す度、次こそ山頂かと思ってしまう。
13:42 1487m 湯殿山山頂。
出羽三山の1つなので月山のように山頂に社かなにか建っているものと思っていたが、社どころか標識すらない。
不勉強だったが、湯殿山神社のご神体は中腹にある所謂「湯殿」であり(奥の細道にもあるとおり、「総じてこの山中の微細、行者の法式として他言することを禁ず。よって筆をとどめてしるさず」だ)、山頂自体は意味のあるものではないらしい。なので登山道もないのであった。
振り返ると月山が遠くに見える。ちょっとした寄り道のつもりだったが、それなりに距離はあった。
13:48 滑降開始。
南側は無木立の広大な斜面となっており、これまでの鬱憤を晴らすかのように思いっきり滑ることができる。雪は汚れ縦溝もできつつあるが、まだまだ十分滑りやすい。
本来このままブス沼に向かって南に一直線に滑っていけばよいのだが、山腹には大きな割れ目がいくつかできており、ところどころ行く手を遮られる。ちょっと西寄りの田代沢の沢筋なら割れ目はできていないため、しばらくそちら寄りに滑り、途中で一気に予定ルートにトラバースして戻る。
14:01 1100m 大斜面の滑降はこの辺りで終了。あとはネイチャーセンターに向け、緩やかな林間滑走となる。
標高差は300mほどありまだまだ十分に滑走できるものの、この辺りは沼が点在する広大な谷地となっており、細かい起伏がある。うまくルート取りをしないとストック漕ぎを多用するはめになるが、むろん我々はそんなのはわからず、目の前の地形とGPSを頼りに適当に滑るのみ。もっと効率的に滑走できるルートもあったことだろう。
だいぶ降りてきたところでふと左方を見ると、川の向こうになにやら立派な建物が見える。これはネイチャーセンターではないか。そういえばGPSには、もっと下流の月山荘バス停駐車場へのルートを設定していたのだった。
ギリギリセーフかと思われたが、石跳川は水流が出ていて、スノーブリッジを渡るために若干登り返しが必要になった。
(2010/4/30)
道の駅「にしかわ」に隣接する日帰り温泉施設。
ともかく安い。
露天風呂など特別な設備があるわけではないが、ボディーソープやシャンプーなどアメニティーグッズもちゃんと揃っていて、値段の割にちゃんとしてる。
4月以降は朝6時から営業しているので、ここで車中泊して朝風呂を浴びることもできる。
隣の道の駅もレストランや売店など施設が充実しており、当然入浴後にソフトクリームだって食べられる。
月山I.C.ができたので通り道ではなくなってしまったが、それでもここに寄るためわざわざ西川I.C.で乗降するくらい、なにかと便利な道の駅である。