※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
日曜の東信地方は晴天&新雪が期待できたので、湯ノ丸山と角間山をセットで登ることにする。
以前これらの山に登ったときは、角間山~湯ノ丸山の順で回った。メインの湯ノ丸山を最後にする形だ。ただ、その場合は湯ノ丸山からの後半の滑りがネックとなる。コースとなる鹿沢スキー場跡地はもはやヤブだらけで、あまり楽しめないのだ。
一方、角間山から旧鹿沢温泉にかけてはスッキリした斜面が多く、角間山を後にすれば、ヤブに悩まされることなく駐車場まで滑ることができる。
それならばと、今回は試しにコンコン平経由の時計回り、湯ノ丸山~角間山の順で登ることにする。ポイントは湯ノ丸山からの滑降斜面。滑った後に角間山に登りやすいよう、いつもより北東側の斜面を滑ろうと思っているのだが、果たしてここが楽しめるかどうかだ。メインはあくまで湯ノ丸山の上部斜面なので、ここを楽しめなかったら、たとえ角間山からスムーズに滑れたとしてもあまり意味はない。
7:57 1535m 旧鹿沢温泉登山口P。
新雪はかなり深い。ベースの上に80cmほど積もっているだろうか。除雪された道路から雪上に出るのもたいへんだ。
まずは鹿沢スキー場の最下部ゲレンデ跡地を登り、「猿飛佐助修行の地碑」のある平原を目指す。
碑までは、登山道に沿って鹿沢スキー場ゲレンデ跡地を登ればいい。ただ、いつの間にか道を外れ、北側の尾根上を登っていた。まぁこちらもヤブが少なくて登りやすかったので、さほどのロスではない。
30分ほどで碑のある平原に到着(碑自体はもう少し西側にある)。かつてここには鹿沢スキー場のベース施設があったらしく、今も広々とした無木立の雪原となっている。
ここからはコンコン平へ向け急登となる。樹木がだいぶ密生しているので、登山道上を歩いたほうが良さそうだ。
GPSにインストールされている登山地図(TOPO10M Plus V1)によると、ここからコンコン平へのルートは2つ。国土地理院による黒線の登山道と、出版社の実地調査に基づく赤線の登山道だ。
黒線ルートは情報が古い場合も多く、基本的には赤線ルートのほうが信頼できる。それに黒線ルートは大回りしているのに対し、赤線ルートのほうは直登に近く、効率的に登れそう。迷うことなく赤線ルートを選ぶ。
しかし、登山道らしきものは見つからず。ひどいヤブ地帯に突入する。これはもう無理。すぐに諦め、黒線ルートに合流する。こちらはしっかり樹木が切り開かれており、登りやすい。
この黒線ルートは南東側に大回りし、コンコン平1855点から延びる北東尾根に合流する。後はこの尾根を登るだけ。適度な疎林帯で、ここからは登山道上じゃなくても場所を選ばず登っていける。
9:40 コンコン平1855点。
登山道はこの先で南向きに尾根から外れ、「鐘分岐」でスキー場からのコースに合流する。しかしそれだと多少遠回り。この雪の時期にそんなルートを取る必要はない。そのまま真っすぐ尾根上を登る。
この辺りは名前の通りの平原で、目の前に湯ノ丸山の斜面が迫る。上部は重い雲が立ちこめ、気分は乗らない。
10:06 1930m。
ここで湯ノ丸スキー場からのコースに合流。
ここからは立派なトレースがあって楽に登れる。ただし笹ヤブの上に雪が被さっているだけの場所も多く、スノーシューで踏み抜いた跡もけっこうある。自分も途中でシールが剥がれたので、張り直そうとスキーを脱いだ途端、胸まで埋まってしまった。
10:50-10:52 2099m 湯ノ丸山南峰。
いつもはこの南峰と北峰の間辺りを滑っているが、今日はより角間山側に下りようと思い、北東斜面を滑る予定。なのでそのまま北峰へ向かう。
11:00-11:12 2093m 湯ノ丸山北峰。
ここまで3時間弱。角間峠経由のルートより距離は短いのに、時間は余計にかかっている。ラッセルのせいだけではなく、実際に今日のルートの方が登りにくかったように思う。今日くらいの新雪でも、角間峠経由なら2時間で登れていたはずだ。
山頂はいつものごとく強風。長居はできない。角間山はずっと青空なのに、こちらはほとんど日も当たらない。休憩は後回しにし、さっそく滑降しよう。
上部のオープンバーンは若干パック気味。ここまで登ってきた感じから当然フカフカの新雪を期待していたわけだが、正直それほどでもない。曇天のため雪面も見えづらく、スムーズにターンできないこともある。
それでもこれだけの大斜面、それなりに面白くはあるのだが、少なくともラッセルに見合うだけの楽しさはなかったかな?という感じだ。
1900mくらいで樹林帯に突入。かなり密生しているところもある。
さいわい、この樹林帯はサラサラのパウダーを保っている。コントロールしやすく、狭い木の間もスイスイと滑り抜けられる。これでモナカ雪だったらどんなに苦労したことだろう。
11:41-12:04 1650m 登山道合流。
ここでひとまず滑降終了。山頂からはいつもと違う方向に滑ったはずなのに、結局、着いた場所は50mと離れていない。今日の斜面はそれほど良くはなかったし、これならいつものコースを滑ったほうがマシだった。
ともあれここで一休み。休憩後、シールを付けて角間山へ向かう。
まずは登山道通り。角間峠からの登山道と交差するまでは傾斜が緩く、ラッセルもそれほどひどくない。しかし疲れがあるのか、一歩一歩が重い。傾斜の強かった湯ノ丸山への登りより、こちらの緩斜面のほうが歩いていてしんどい。
登山道と交差したら、ここからが本格的な登り。傾斜は増すが、ここまでの緩斜面のラッセルよりむしろ登りやすく感じる。シール登行に程よい斜度で、順調に高度を稼いでいく。
13:58-14:17 角間山下1930m地点。
角間山直下は東西に長い平坦地となっていて、ここをゴールとする。山頂は割愛。残り標高差は30m程度しかないのだが、樹木が密生していて、登るのにえらい手間がかかるのだ。苦労して登るほどのメリットはない。
それにしても、角間山まで1時間ほどで登れるだろうと思っていたのに、その倍もかかっている。余裕があれば北西の沢を滑ってみようとも考えていが、もう2時過ぎ。疲れもたまっているし、このまま鹿沢温泉へ滑り降りることにしよう。
14:17 滑降開始。
ここからは南東尾根を滑る。最上部は針葉樹林、すぐに落葉広葉樹の雑木帯となり、そこそこ木は多い。ただ、なぜかポッカリと開けたバーンも多く、そうした斜面をつないで樹木に邪魔されることなく滑ることができる。
雪は深くて重い。さらに上部はパック気味。足を取られて何度か変な転び方をしてしまう。まぁこれはこれで楽しめはする。
中間部以降はカラマツ林。こちらもなぜか切り開かれた斜面が続く。雪は相変わらず重いものの、ヤブに悩まされることはなく、湯ノ丸山の後半に比べるとだいぶ滑りやすい。これは狙い通りだった。
最後は尾根の北側に下り、登山道上を滑って終了。登山道はさいわいトレースがあり、ジェットコースターのようにあっという間に登山口まで滑り抜けることができた。
それにしても、たいした行程でもないのにえらい時間がかかってしまった。
滑りのほうもいまひとつ。新雪を楽しみにしていたのに、期待外れだった。まぁシーズン初めのラッセル慣れとしてはちょうど良かったかもしれない。
湯ノ丸山~角間山の順はどうだったかというと、なんとも微妙なところ。最後の下りでヤブに悩まされなかったのは狙い通りではあるが、湯ノ丸山も角間山も、なんだか中途半端になってしまった感がある。
今日の感じだと、湯ノ丸山が最後でもいいかな……。
(2016/01/23)
四阿山下山後にR144経由で帰宅することにし、見つけたのがここ。
真田・東御側の温泉に比べて非常に空いているのがよい。ただし鹿沢ハイランドスキー場からの客でシーズン中は混雑するという情報もある(時間が早かったためかこの日はそれっぽい客はまったく見かけなかった)。
きれいな施設で、源泉掛け流しの檜風呂もとても快適。
冬期のためか露天風呂は閉鎖されていたが、室内風呂だけで十分満足。
入らなかったが岩盤浴もある。薄暗く仮眠室のようになっていて、疲れていたらぐっすり寝てしまいそう。
この風呂に入らんがために、今後もわざわざR144経由で帰ろうかという気にすらなる。