※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
この山の存在を知ったのはごく最近のこと。地味な山名のせいで記憶に残らなかっただけなのかもしれないが、数年前までの本や雑誌では本コースについての紹介を見た覚えがない。が、最近になってネット上などでしばしば目にするようになった。
調べると、標高差が700mで登りはだいたい3時間。この時期標高差1000m以上のハードな山には登りたくなく、しかしあまり短いのは物足りないという私にはちょうど手頃なサイズである。3週間振りで鈍った体にはちょうど良いだろう。
朝7:30 高妻山・黒姫山とも登山口を共有する大橋の駐車スペースはもはやいっぱい。除雪の完璧でない最奥のスペースになんとか停められたが、帰る頃には路上にも多くの車が連なっていた。
まずは黒姫山登山道との分岐まで林道を30分ほど歩く。ほとんど傾斜はない。帰りは滑って戻ってこれるだろうか。雪は踏み固められ滑りやすいコンディションになっているとはいえ、ちょっと心配だ。
黒姫山分岐を左に進み、20分程で佐渡山への取り付きの尾根。予定では一本手前の尾根から登るつもりだったのだが、ほとんどのトレースがその先の尾根についており、地図を見てもそちらのほうが傾斜的に登りやすそうだったので、そちらに変更する。
最初しばらくは尾根は細く、昨日までのシュプールが尾根一面についている。それが固まってシールが利かず、多少苦労する。が、しばらくすると斜面も広がり、自由にルートをとれるようになる。ガチガチに固まったトレースをはずして歩けばシールもよく利く。それからは苦労なく登れるようになった。
やがて当初予定していた尾根に合流。ここから視界が開け、佐渡山山頂を望めるようになる。後は斜度の緩い稜線上を山頂までチンタラ歩くだけだ。
10:15 山頂着。これまで見えていた黒姫山、高妻山に加え、妙高、火打、焼山の頸城三山が間近に望めるようになる。振り返って飯縄の向こうには根子岳、浅間山や八ヶ岳。残念ながら北アルプスは高妻山にじゃまされ見えないようだ。
さて下山。登ってきた尾根はたくさんのシュプールがあったが、下りに使おうと思っていた南東の尾根にはひとつもシュプールがない。でもまあ問題なく滑れそうだ。
ちょっとした雪庇を崩し、南東尾根にドロップ。ガリガリでとても滑りにくい。
ちょっと滑ると1/25000の地図にも表われないような小ピークがある。逆ハの字で登ってもたかが知れている高度差であるが、面倒なので左から巻いて行く。
標高1680mの小コルで尾根を外れ、南斜面へドロップ。ここからは素晴らしい斜面が広がる。雪は表面に数センチ新雪がかぶる程度でその下はガリガリであるが、シュプールも何もない疎林帯を快適に滑る。
沢が明瞭になってきたらそれに入り込まぬよう多少左へ。そのまましばらく滑ると登りのトレースにぶつかる。後で地図を確認したところ、大ダルミ経由で御巣鷹山(小黒姫)へ登る登山道のようだ。
そのままトレースに沿って沢を右に見ながら進むと、すぐに黒姫山への林道に合流。この先はたくさんのトレースで踏み固められ、板もよく滑る。登りの際は滑って戻れるか心配したものだが、なんのことはない、ジェットコースター状態で突っ立ったままなんの苦労もなく大橋まで戻ることができた。