※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
今週土曜は全国的に天気が良いらしく、ピエールも土曜日OKとのこと。こういう時の第一候補は西吾妻二十日平コースだ。
7時ちょうど、開店を待っていつものように猪苗代のデニーズで朝食をとり、グランデコスキー場へ。途中の道路はツルツルで、たいした坂でもないのにスタッドレスを履いていても登れない車が多く、大変なことになっている。
それでも8時頃にはスキー場にたどり着くが、天気は晴れどころか雪が結構降っている。風も強く、ゴンドラも運休とのこと。モチベーションが上がらず、しばらく社内で仮眠。
9時過ぎにやっと晴れ間が見え出す。ゴンドラは動いていないが、リフトだけても一番上までいける。それではそろそろ行くことにしますか。
ゲレンデトップで入山準備中、板を片方流してしまう。ゲレンデコースを横切ってそのままコース外へ、キレイに垂直に滑り落ちていく。幸いに途中で木にぶつかって事なきを得るが、注意しないと。
11:11 1587m 第3クワッドリフトトップ。
まずは針葉樹林帯の中を縫うように登る。
この辺りはいつもフカフカの深雪なのだが、最近あまり降雪がなかったようで、雪はクラスト気味。登りやすい反面、下りは苦戦が予想される訳で、あまり嬉しくはない。
11:49 1820m 夏道合流。
この辺りから景色が開け、右前方に西吾妻の素晴らしい樹氷群が見渡せるようになる。今年は樹氷も良く発達しているようだ。
このまま登山道通りに稜線上を進むと、西大巓直下でアップダウンがあり、木も濃くてシールでは歩きにくくなる。なのでいつもは左から巻いて行くのだが、どの辺りから巻けばいいのだっけ? いつもこの辺の微細なルートは先行者のトレースを頼っているため、それがないとよくわからないのだ。もういいや、このまま稜線上を登ってしまおう。
いざ登ってみると、数メートル程度のアップダウンはあるものの、とりわけ歩きにくいことはなく、案ずることなくすんなり西大巓までたどり着けた。
12:18 1981m 西大巓。
東にいい斜面が広がっているのだが、そこを滑ってから西吾妻に登り返すにはちょっと時間が遅い。このまままっすぐ西吾妻へ向かいましょう。といってもコルまでの下りを楽しまない手はない。短い距離ながら、いったんシールを外す。
12:34 滑降開始。
この短い斜面はクラストしていることが多く、今日なんて特にそうだろうと思っていたのだが、意外なことに新雪がうっすら被って非常に滑りやすい。ピエールもこれまで見たことのないようなショートターンを見事に決めてくる。開眼したと豪語していたのもウソではないようだ。
12:43 1896m 西吾妻山との間のコル。
再びシールを付けて西吾妻山頂に向かう。久しぶりの快晴の中、見事な樹氷原を歩くことができてたいそう気分がいい。
13:12 1978m 西吾妻小屋。
天気がいいので中に入らず小屋の脇で昼休憩。
西吾妻山頂まではあとわずか。引き続き発達した樹氷の間を縫って登る。ロケーション的には最高なのだが、風が強くきつい。元々ゴンドラが止まるぐらいなので風は強かったのだが、登るにつれいよいよ激しくなってくる。背後からの順風なのが救いで、試しに風上に顔を向けると、激しい飛雪で目も開けられない。
13:38 2032m 西吾妻山頂。
山頂といっても広い平原で、木も埋まりきらずにデコボコしているため、ここでシールを外してもろくに滑れない。南尾根への滑降ポイントまでそのまま進む。
13:44-13:55 2028m 山頂南東の滑降ポイント。
準備を整え滑降開始。
風が強いので当然カリカリ。木も十分に埋まりきっておらず、ところどころ雪面が盛り上がっていて極めて滑りにくい。モナカ雪でないだけマシなのだが、なかなか板をコントロールできずに大回りになってしまう。まあこの辺りは仕方ないか。
やがて針葉樹林帯。日の当たる場所ではモナカ雪を覚悟していたが、ザラメ雪とまではいかなくても程よく柔らかく十分滑りやすい。樹間の狭いところもあるのだが、十分にコントロールが利くので問題なし。
ただし見通しの悪い樹林帯の中なので、後続のピエールは私のトレースをぴったり追ってこないとはぐれてしまう。ピエールとしては好き勝手に滑れないのが残念なところか。
1570mからはほとんど斜度がなくなり、GPS片手にストックで漕ぎながら1530mの滑降ポイントに向かう。
14:41 1530m ここから再び傾斜が増し、この尾根でもっとも楽しい斜面となる。勢いよく滑って行くが、この暖かさでは雪はもうグダグダ。途中足を取られて大転倒してしまう。
1340mで沢の左岸へ。この先も二十日平に向けて快適な滑降が続く。ピエールも最高の滑りができたようで、なぜこういうところを写真に撮らないのだとのたまう。ヤツが順調に滑るほどカメラを出す暇がなくなるので仕方ないのだ。
ほどなく二十日平。あまり傾斜はなく雪も柔らかいのだが、それなりに一直線に滑っていける。
15:04 1200m 中ノ沢右岸への渡渉点。
まずは沢底まで80mほどの下り。このような狭い急斜面はジャンプターン気味にヒョイヒョイ降りていきたいところだが、このセミファットの板ではなぜか全然ジャンプできない。どうしても大回りになり、ターンする場所を選んでしまう。
スノーブリッジはまだ十分に残っており、難なく徒渉。数メートルほど横向きに階段登行し、あとは右岸に残るトレース上を滑ってゲレンデまで一直線だ。
ゲレンデを滑りきったところで足はもう限界。ベースに着くと同時に両太腿が痙り、屈むことすらできずにピエールにビンディングを外してもらわなければならないほど。