2006/05/04 鳥海山(矢島口)

目的地
鳥海山
地域
東北中部
日時
2006/05/04
コース
祓川~鳥海山(七高山)往復
メンバー
ダマ
装備
Rossignor:B2('04)/Rottefella:Cobra R8, Scarpa:T2('05)
天気
晴れ

コースデータ

コースタイム
祓川駐車場[8:52]↑[10:23]七ツ釜避難小屋↑[12:27]鳥海山(七高山)[13:55]↓[14:48]祓川駐車場
山行時間
05:56
実移動時間
04:18
最高高度
2211m
最低高度
1140m
累積標高差(登り)
1135m
累積標高差(下り)
1135m
移動距離
9.64km
平均速度※1
2.24km/h

※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度

グラフ

記事

東北ツアー2日目は鳥海山。今回予定している山では唯一スキーバスやリフトといった交通機関を利用しない山で、極端に言えばここだけが本格的な山スキーコースといえる。さらにダマは昨夏この山に2度トライして2度とも敗退しており、私もこれまで吹浦口の半ばにある御浜神社コースしか滑ったことがない。他の山はともかく、ここだけはちゃんと山頂を踏まればならないという、今ツアーの目玉となる山である。
鳥海山にはいくつかの山スキーコースがあるが、今回滑るのはその中でもっとも簡単に山頂を踏める祓川コース。標高差は1000m強、だいたいいつも登っているくらいの、ちょうどいい標高差である。

昨晩は祓川でテント泊するつもりだったのだが、予定していた象潟からの道が通行止めとわかり、夜にわけわからん道を走るのがイヤで象潟のジャンボ道の駅で車中泊する。
明朝道の駅を出るが、通行止めの道を避けるとあまりにも遠回りになるので、ダメもとで一度そちらの道に行ってみる。
――やっぱダメだった。途中で道は細くなり、未除雪のブナの原生林に至る(厳密には原生じゃないんだけどそう呼びたくなるようなブナの森だ)。たとえ雪がなかったとしても、こんなとこ車で走っていいの?というような悠久たる大自然の中の道である。そんなこんなで祓川への到着は遅くなる。
祓川の駐車場は大混雑。この広いスペースにもはや2~3台分しか空いていない。それなのにテントを張りっぱなしで駐車スペースを埋めている輩がいる。軽く注意するが、生返事をするだけに何も行動しない。ムッとして口調をきつくする。
――無関係のパーティーであった。平謝り。

[1] 08:57 1144m<br />
[1] 08:57 1144m
[2] 09:05 1168m<br />
[2] 09:05 1168m
[3] 10:42 1693m<br />
[3] 10:42 1693m
[4] 11:32 2006m<br />
[4] 11:32 2006m

8:52 駐車場発。10分ほど緩斜面を登ると祓川ヒュッテ。ここでダマがトイレ休憩し、9:20に実質登山開始。
山頂は間近に見えるが、むろんそんなことには騙されない。富士山同様、登っても登っても景色変わらず、というパターンだろう(実際、2時間登って同じ角度から撮った写真はP2とほとんど変わらない)。
こんな見通しの良い山ではルートもへったくれもないが、先行者の列を見ると主に2パターンに分かれているようだ。緩斜面を選んで左から大きくまわって登る連中と、急斜面があろうが一直線に登る連中。我々はもちろん一直線。今日はアイゼンも持ってきているので、なんでもこいだ。
標高1850mでノドのような細い沢を抜け(P13付近)、岩の露出した斜面を避けてしばし真南に進む。標高1900m付近から傾斜がきつくなり、いよいよ頂上に向け富士山のような一枚バーンの登りとなる。
この辺りからダマが極端に遅れ始める。シールはちゃんと効いているようなので、たぶんシャリバテだろう。

[5] 12:00 2128m<br />
[5] 12:00 2128m

標高2150mでスキーを担いでアイゼン登行に切り替える。シールで登れない傾斜ではないが、ツボ足のほうが断然早いし、なにより新しく買ったアルミアイゼンを履いてみたかったのだ。

12:30 外輪山の一角である七高山に到着。すぐ前にある中央火口丘の新山のほうが標高は高いのだが、一等三角点はこちらの七高山のほうにある。新山までは深い火口を降りなければならず、プラス1時間。わざわざ行く必要もなかろう。
山頂はダマの登りルートからは死角になるので、ちょっと下がった外輪山上のコルでダマを待つ。風が強く恐ろしく寒い。昨日の月山以上である。やはり東北の山、恐るべしである。

[6] 13:02 2203m<br />
[6] 13:02 2203m
[7] 13:14 2203m<br />
[7] 13:14 2203m

やがてダマも到着。鉄人ダマにしては珍しくだいぶへばっている。完全なシャリバテのようだ。
強風が吹き荒れていたのは自分が休憩していたコルだけで、山頂はほとんど無風であった。体感温度も10℃くらい違うように感じられる。コルで待っていたときはすぐ滑り降りようと思っていたのだが、これならゆっくりできる。
ダマは昨夏2度この鳥海山にトライして2度とも敗退しているだけに、感慨もひとしおのようである。私も東斜面中腹の御浜神社コースを滑ってことがあるだけなので、頂上は初めて。遠くに見える山々がなんなのか全然見当つかないのが残念だが、大展望の中、これまでになくゆったりと過ごす。

[8] 13:56 2194m<br />
[8] 13:56 2194m
[9] 13:57 2190m<br />
[9] 13:57 2190m
[10] 13:59 2139m<br />
[10] 13:59 2139m
[11] 14:07 1998m<br />
[11] 14:07 1998m

13:55 滑降開始。登ってきた北東斜面ではなく、比較的傾斜の緩やかな東斜面を滑る。北東斜面は使う人が少なく斜面もさほど荒れていなかったのだが、こちらはもうシュプールで荒れまくったゲレンデのようである。雪も硬く、これは生半可な板では太刀打ちできない。さいわいバンディットを持ってきているので、パワーで押しまくる。
ほとんどの人はこちらの斜面を滑っているが、これなら登りに使った荒れていない斜面のほうが良かろうと、途中で北にトラバースする。単調な1枚バーンとはいえ、左方に海を見下ろしながらの滑りは最高に気持ちがいい。

[12] 14:10 1961m<br />
[12] 14:10 1961m
[13] 14:16 1854m<br />
[13] 14:16 1854m
[14] 14:21 1721m<br />
[14] 14:21 1721m
[15] 14:28 1564m<br />
[15] 14:28 1564m

P13のノドを越えると斜面はなだらかになる。まさに広大なゲレンデ。ダマも快調に飛ばす。
七ツ釜からは傾斜の緩急がある登りルートをはずれ、平均的に緩斜面の続く右の尾根を滑る。
距離的にはまだ半分だが、残りはほとんどゲレンデの初級者斜面のようなもの。苦労もなくあっという間に祓川ヒュッテのある平原に至る。ヒュッテまでしばらくストックで漕ぎながら平地を進み、再び傾斜が出てから駐車場まで滑って終了である。

周辺情報

猿倉温泉 鳥海荘あっぽ ★★★★・
350円

(2006/5/4)
鳥海山東麓にある国民宿舎で、温泉のある建物へは正面ではなく裏の駐車場のほうが近い。
鳥海山が真正面に見える露天風呂を始めいろいろな設備があり、コストパフォーマンスはダントツ。