※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
今週の上信越地方はあまり雪が降らなかったようで、新雪パウダーは望めない。積雪量もまだ不十分。とりたてて山スキーに行きたいと思える場所がない。
ただ、土曜は天気が良いらしい。スキーにはいまひとつのコンディションでも、雪山登山としては逆にいいのではないかと思い、武尊牧場から武尊山に登ることにした。
このコースは行程が長く、最後に雪崩が心配な斜面も控えている。降雪直後はできれば登りたくない。その点、今週末は雪が落ち着いているはずなので、比較的安全かつ楽に登れるはずだ。
下りは西俣沢。近くのオグナほたかスキー場の積雪が190cmというので、沢コースも問題なく滑れるだろう。
登山口近くのほたか牧場スキー場が廃業した現在、道路の除雪はどうなっているか心配だったが、駐車予定地の逢瀬橋まではおろか、その先のスキー場の駐車場までなぜかきっちり除雪されていた。いったい何のためなのか、後日調べても理由はわからず。
もっともスキー場への分岐路手前に「関係者以外立ち入り禁止」の看板があり、スキー場までは車で登れない様子。そもそも下山口は逢瀬橋になるので、わざわざスキー場の駐車場に車を停める必要もない。予定通り逢瀬橋横の路肩スペースに駐車する。
ちなみに橋の先のスペースにも1台停まっており、単独BCの方が出発前に挨拶に来てくれた。他にもここから登る人がいるとは思わなかったので心強い。
7:38 1023m 逢瀬橋。
まずは車道を歩いてほたか牧場スキー場へ向かう。完全除雪されているので歩きやすく、思ったより早くスキー場にたどり着く。
7:46-7:49 1068m ほたか牧場スキー場ベース。
ここからシール登行。ゲレンデは部分的ながら、なぜか圧雪されている。目的はわからないが、ともかく楽に登れるのでラッキーだ。
リフト1本分ほど前には先ほど挨拶に来てくれた先行者の姿。この調子ならすぐに追いつくだろうと思っていたら、見る間に離されていった。ペースが遅かったわけではなく、途中で何かやっていたようだ(理由は後でわかる)。トレースを見るとかなりの急斜面も直登しているし、実はけっこうな熟達者かもしれない。
8:49 1460m ゲレンデトップ。
無木立で広々としたゲレンデはここまで。ただしこの先もキャンプ場の周遊コースとして整備されており、開放的なシラカバの疎林帯となっている。
登り出したときはまだどんより曇っていたが、だんだん日も射すようになってきた。天気予報も悪くなかったので、そのうち晴れ上がるだろう。
新雪は数cm程度。この程度のラッセルでも行程が長いとジワジワくる。先行の方のトレースをありがたく使わせてもらう。
登るにしたがい、植生はカンバ群落からブナ群落、そしてオオシラビソ群落へと移っていく。この間ずっと傾斜は緩いまま。樹間はそれなりに広く、植生的には林間スキーに適した尾根なのに、傾斜が緩すぎてろくに滑れないのが残念だ。
10:04 1753m 武尊避難小屋。
――といってもGPS上の話。実際には小屋は見当たらない。すでに埋もれているのか、それともちょっと離れた場所にあるのか。
この先、1833mの小ピークから先は尾根が狭まり、さらに雪面が大きくうねって登りにくくなる。ただ、まだ雪が少ない分だけマシなはず。それに今日は先行トレースがギャップを潰してくれているので、だいぶ歩きやすくなっている。
この辺りから深いガスに包まれる。上空はうっすら青空も見えているのだが、この標高は厚い雲をまとったままだ。
それでも時々ガスが切れ、山頂の姿が見えるように。このまま登っていけばそのうちガスの上に出られそうだ。
10:45-10:55 セビオス岳手前1860m。
シャリバテになったのでここで小休止。その間、ガスの中からブーンブーンとチェンソーでも使っているかのような音が聞こえてくる。この時期に伐採作業でもないだろうし、この時点では正体はわからず……。
セビオス岳を過ぎると、再び尾根が広がって登りやすくなる。ちょうどガスも晴れ、正面には中ノ岳の巨大な岩壁が。なかなか雄大な景観だ。この岩壁の下からのルート取りをいまだ決めかねているのだが、ひとまずそれを忘れ、景色を楽しみながらノンビリ登る。
岩壁のすぐ下まで登ったところで、先行の方が何やら作業をしているところに追いつく。ラッセルのお礼を言っていろいろお話をしていたら、ドローンを飛ばしてもいいかとのこと。なるほどさっきの音はこれか。もちろんOKですとも。この時間は山頂までスッキリ晴れている。いい映像が撮れただろう。
さて、ここからがこのコースの核心。『山スキー百山』ではここで尾根を離れ、山頂に向かって北斜面をトラバースするよう書かれている。ただ、昨年の雪崩のこともあるので、あまりこの手の斜面はトラバースしたくない。いちおう登山道通りに南から巻いたという記録もあったので、自分もそうしよう。
しかし途中で行き詰まる。あとで確認すると、実は登山道でもなんでもないところを歩いていた。では登山道通りなら問題ないかというと、それはそれでかなりの急傾斜だし、必ずしも安全とは言い難い。少なくともシールのままでは無理。いったん尾根に戻り、本の通りに北斜面をトラバースすることにしよう。
このトラバース斜面は中ノ岳の北面に当たるため、日が当たらずに雪は硬め。その上にわずかながら新雪が乗った状態だ。滑落や雪崩に即つながるような雪質ではないが、表層の雪ごとスリップしそうでちょっと怖い。なにより昨年のことがあるのでえらい緊張し、そのせいか疲労も激しく感じる。ともかく時間をかけ、慎重にゆっくり進む。
支尾根を越えたら心持ち傾斜が落ち着き、多少は安心して歩けるようになる。それでも油断は禁物。予定ではこのまま山頂近くまでトラバースを続けるつもりだったが、さっさと稜線に出てしまおう。
稜線に出てしまえばあとは楽勝。川場からの登山者で中ノ岳まで行く人も多いので、トレースもたくさん付いている。シール登行の足しになるようなトレースではないが、ともかく安心してノンビリ登ることができる。
12:25 2156m 武尊山。
それなりに苦労して登ってきたのに、山頂は川場からの登山者でいっぱいで、ちょっと興はそがれる。それでも充実感は大きい。
ただ、山頂からの展望はいまひとつ。あと30分も早ければキレイに晴れていたのに、ガスが上がってきてしまった。快晴を期待していたのでちょっと残念だ。
12:50 下山開始。
西俣沢の滑降ポイントは中ノ岳分岐と呼ばれる地点で、ここからだと中ノ岳の先になる。さて、そこまでどうやって移動するのがいいだろう?
中ノ岳まではツボ足トレースがあるので、ここでシールを外すという手もある。コルから先はツボ足でも楽に登れるだろう。
しかしコルまでの下りもたかが知れており、シールを外したからといって滑りを楽しめるわけではない。今日は念のためシールのまま移動することにしよう。
ということでシールのまま狭い稜線上を滑走。
コルから先、中ノ岳へもシールのまま登れればと思ったが、急峻すぎてちょっと無理。仕方ない、板を担ごうと決めたところ、ふと気づくと南側がけっこう平坦で、そちらから巻けそうに見える。
試しに行ってみると、こちらは中ノ岳分岐までスッキリとした緩やかな斜面が広がっていた。北斜面と違って雪も多少緩んでいるし、これなら緊張せずに歩くことができる。結果、思ったより簡単に中ノ岳分岐に出ることができた。
13:05-13:22 2103m 中ノ岳分岐。
滑降準備をしていると、ちょうどドローンパイロットの方がやってきた。滑っているところを撮影してくれるという。それは願ってもない。折悪しくガスが濃くなってしまったが、切れ間を狙って西俣沢に滑り込む。
もともと今日はクラストしているだろうという予想で、滑りの楽しさはさほど期待していなかった。しかし斜面そのものは素晴らしい。それに表面に数cm程度の新雪をかぶっており、思った以上に快適に滑れる。難を言えばドローンがずっと付いてくるため、本当は休み休み滑りたいところ、無駄に格好つけて一気に滑ってしまうことぐらい。
2000mくらいから中ノ岳側の斜面は谷が狭まるため、広い家ノ串側の斜面に移動。
こちらは尾根の北西に当たるため日が当たらず、クリーミーな雪質を保ったまま。予想よりはるかに楽しむことができた。
1750m辺りから沢は狭くなる。自由にターンできるスペースはなくなるが、これはこれで山スキーっぽくて悪くない。荒砥沢の狭隘部と似たような感じだが、西俣沢のほうがよほど滑りやすい。
13:44-13:54 西俣沢1530m。
西俣沢の滑走はいったんここで終了。予定ではもう少し下るつもりだったが、この先は谷がV字型に狭まるため、この辺りで沢を出たほうが良さそうだ。
ということでシール装着して右岸に上がり、オス沢を目指して斜面をトラバースしていく。途中で沢を大きく巻くことになったので、やはり予定ポイントから登り返したほうが効率は良かったのかもしれない。
14:15-14:22 オス沢左岸尾根1511m。
ここから再び滑降。尾根の南側のオス沢を滑る。
こちらはカラマツの植林帯。傾斜はほどよく緩やかで、楽しく滑ることができる。
とはいえ広い斜面を自由に滑れるのは最初だけ。途中からは沢底や右岸斜面をほとんどまっすぐ滑るだけになる。それでもよく滑る雪質のため、十分に快適だ。
14:40 1230m 西俣沢・オス沢出合。
ここで西俣沢に合流。すぐ対岸が林道だ。合流点の辺りは沢が割れているので、ちょっと上流のスノーブリッジから渡る。上流といっても逆ハの字で歩ける程度。それほど手間ではない。
林道はほとんど傾斜がないので滑るかどうか心配だったが、今日の雪なら板が良く走る。
途中、右岸に渡る手前でちょっとだけストック漕ぎが必要なところもあるが、ほとんどジェットコースター状態。あっという間に逢瀬橋まで戻ることができた。
(2004/1/18)
道の駅内にある立派な施設。混雑するとのことだが、今回14時頃行った時には大丈夫だった。常にこの程度空いているのであれば、もう少し高得点を与えてもよい。
雪の中の露天風呂は、なかなか。
(2017/3/4)
いつからかわからないが料金が800円→650円に改訂されていた。
この日はスキーハイシーズンの土曜夕方ということで大混雑。出る頃には広い洗い場なのに10人ほどの待ちができていた。
(2017/4/2)
みすじ定食 940円、牛すじ煮込み 550円
赤城IC近くにある焼肉主体の定食屋。店名の由来になっている牛すじ煮込みも人気。
焼肉系は卓上のコンロで自分で焼くスタイル。あくまで牛すじが売りの定食屋なので焼肉の種類は多くないが、手頃な値段で食べられる。
普通の焼肉屋だと一人で入りにくいが、ここはそんなことはない。
今後、関越道方面の帰りはここに寄ることも多くなりそう。
(2018/1/20)
鶏唐揚げ定食 770円、牛すじ煮込み 550円
鶏唐揚げはイマイチ。不味いわけではないが、この値段でここで食べるほどのものでもない。