※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
朝6時過ぎ、登山口となる二分集落の最終除雪地点に到着。除雪地点の最奥に数台の駐車スペースがあるのだが、それほど出遅れたわけでもないのにもはやいっぱいで、多くの人々が入山準備をしている。確かに人気のルートだし、東洋一の大雪庇なるものがあるためか一般の登山者も多いのだが、それにしても他の山に比べ朝が早いような気がする。
07:00 396m 二分集落出発。
10分ほど車道を歩き、橋を渡ったところで車道をショートカット、そのまま大岳山頂に繋がる尾根に取り付く。尾根に上がるまで30mほどだが、本ルート唯一の急登であり、シールで登るには多少の技術を要する。急登が大苦手なダマがいれば相当な時間がかかるところだ。
10分ほどこの尾根を登った後、尾根の反対側の沢に降りて大平集落からの登山道に合流。前回2007年は少雪のためこのショートカットコースを使えず、車道を歩いて大平経由で登らざるを得なかったが、それに比べるとだいぶ効率がよい。調べてみると20分程度の差だが、気分的にその差は大きい。
しばらく沢底を歩き、適当な場所で左側の尾根へ。後は一カ所下りはあるものの、大岳山頂に向け尾根通りにひたすら登るのみ。
振り返ると魚沼の平野は雲海に包まれ、その中から残雪をまとった山々が浮かび上がってなかなかの風景。空気も澄み、実に気分が良い。
08:18 780m ここでいったん20mほどコルまで下り、8:22に保久礼小屋到着。
後は単純な尾根を文字通り一直線だ。
08:52 1027m キビタキ小屋付近。
小屋は完全に雪の中。いや、もしかしたら屋根くらい出ていたのかも知れないが、気づかずに通り過ぎる。
しばらく登ると木は少なくなり始め、やがて完全に雪の下に埋もれる。まさに雪の砂漠である。青空の中、真っ白な雪の回廊が山頂まで一直線に延びる。この景色を見れるだけでも来た甲斐があるというものだ。
09:41 1432m 守門大岳山頂。
やがてピエールもやってきた思いきや、全然違う人だった。さほど遅れずについて来ていると思っていたのだが、まったくの人違いだったようだ。というかピエールと同じ格好の人間がやたら多い。本物が現れるまで3人も見間違えてしまった。ちなみにこれはピエールとは関係ないが、編笠姿の人が多いのは魚沼特有というべきか。
しばらく待って本物が到着。シャベルで足場を掘りツェルトを広げ、久しぶりに意味もなく本格的な休憩モードに入る。が、風で吹き飛ばされないようツェルトを押さえ続けねばならず、かえって手間なのであった。
10:14 滑降開始。
ちょっと硬めだがザラメ雪。これならダメ板Cultでも快適に滑れるだろうと思いきや、まあそれなりに滑れるのだがなんか違う。軽いのでバタつくのは仕方ないとはいえ、どうも抑えが効かない。残雪期なら有効な板だろうと期待してきたが、全然であった。もうよっぽどのことがない限り使うことはないだろう。
しかしまあ板はともかく、澄み切った青空の下、この真っ白な尾根を一直線に滑る心地よさはどうだろう。尾根は狭いし登山者もひっきりなしにやってくるので自由自在にシュプールを描ける訳ではないのだが、そんなこと気にならないくらい気分が良い。やはりこの時期のこの山は格別である。
下部はさすがに雪が柔らかくなり、950m付近からはいよいよ尾根も狭くなる。登山者も相変わらず連なっており、柔雪についた足跡も多く非常に滑りにくい。とはいえこれはこれで面白い。ピエール君はおばちゃん団体登山者に喝采を浴びる。これもこの山ならではか。
10:45 760m 保久礼小屋。
ここから20m、10分ほど板を担いで登り返し。
ここから先は本格的な滑降はなく、メローな尾根をのんびり滑るのみ。まあこういうのも春スキーらしくて悪くない。
635m付近で左の沢に降り、しばらく沢底を滑る。この日はそうひどくはなかったが、腐れ雪で滑りづらいところだ。
11:13 575m 大平への登山道を離れ、林道添いに左の尾根に入る。
木の濃い尾根上をしばし滑り、車道への最後の急斜面を滑り降りたら、後は車道をショートカットを交えながら滑って終了である。