※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
昨日の神楽ヶ峰小ツアーの後は湯沢のボロ宿に泊まり、この日は平標山からシッケイ沢を滑る予定にしていた。が、いざ当日になると土樽から平標駐車場までの戻りがおっくうになり、どうもモチベーションが上がらない。おまけに午後から天気が崩れるかもしれないという。
ということで急遽計画変更。この近辺では手軽に行ける谷川岳芝倉沢に変更する。わざわざ湯沢に泊まった甲斐がないが、まあいいでしょう。関越トンネルを通って一路水上へ向かう。
スタートが遅くなったおかげで運行開始の遅い天神リフトが動き始めている。リフトトップの天神尾根まではたいした登りでもないのだが、せっかくなのでリフトを使うことにする。
リフト終点からまずは尾根上を軽く滑り、コルで登山準備。この時期はいつも雪が適度にしまっており、板は担いだほうが速い。
トマの耳までは先週も来ているが、その時は深いガスの中であった。今日は天気も良く、尾根歩きも気持ちがよい。
11:10 トマの耳着。混雑していたので食事はこの先でとることにする。
一ノ倉の稜線を眺めると、稜線上は驚くほど雪が少ない。下部の湯桧曽川沿いなど例年になく雪が豊富なのに、日当たりの良い山頂や稜線上は雪融けが早いようだ。そういえば山スキーのメーリングリストにもそんな報告があったような気がする。
この先はアイゼンを付けることが多いのだが、雪は少ないし、気温も高く凍ってすらいないようだ。そのまま進むことにする。
オキの耳の先の風の当たらぬ窪地で休憩。いつもの如く行動食のみの軽い食事をとり、先に進む。
途中ザックにつけている板がどうもグラグラすると思ったら、いつの間にかA字型の先端を結んでいた細引きがなくなっている。板が動かないよう試行錯誤するが、どうもうまく行かずに余計な時間を使ってしまう。一ノ倉岳手前で待っていたピエールにストラップを借りてようやく一段落。
そうこうするうちに一ノ倉岳への最後の登り。斜面は笹藪が露出して極めて登りにくい。あと少しなのだが、疲れも出て一気にペースが落ちる。先行の2パーティーにここで追いつき、集団で一ノ倉山頂へ。
一ノ倉山頂で小休止。本当は他のパーティーが滑った後でゆっくり滑りたいのだが、軽い行動食をとる程度では時間をつぶせない。いつものことだが、結局我々が最初に滑り出すことになる。
出だしはかなりの急斜面だが、茂倉岳側に滑り出さずに、一ノ倉岳山頂から谷の右端を滑ればさほどの斜度にはならない。が、思っても見ないことにそちらの斜面は雪解けが進み、地面が露出している。テレマーク修行中のピエールもそちら側であれば問題なく滑れるだろうと思っていただけに、これはちょっと計算違い。ピエール君にはこの急斜面はちょっと厳しいかもしれないが、なんとかがんばってもらおう。
が、滑り出してみるとなんてことない。雪質がちょうどいいのだ。場合によってはカチカチに凍りついていることもあるのだが、今日の雪であれば転倒してもすぐに止められるだろう。
雪を蹴散らせながら思いっきり滑ろうと思ったのもつかの間、なぜだかこの大斜面を登ってくる山スキーヤーがいる。しかも斜面のわざわざ真ん中を斜登行で。仕方ないので雪を落とさないよう注意してゆっくり滑る。
上部は雪の柔らかさがちょうど良かったが、逆にちょっと下っただけですぐに雪は水を含んで重くなってしまった。WAXを塗り直すが、それでもなかなか厳しい。
谷が狭くなってくるとさすがにデブリが目立ち始め、S字の辺りは完全に埋め尽くされている。これはまあ仕方ない。デブリが柔らかくなっていれば雪の固まりをつぶしながらその上を進むことができるのだが、今日のデブリは硬く、土もかなり交じっている。ここは素直に板を脱いで降りることにする。
S字を過ぎちょっと滑ると斜度は緩くなり、直滑降で進む。相変わらず雪は重く板が滑らないので、本日2回目のWAX塗り直し。
この辺りから沢状の地形がはっきりしてくるが、滑りやすそうな沢の中には入らず、高度を維持したまま沢の右岸を進む。そうすればやがて紅芝寮に突き当たる。
ここから先はほぼ平原。一ノ倉の岩壁を垣間見ながら、湯桧曽川本流の河原をスケーティングを交えながら進む。
雪は十分にあり、沢の渡渉のまったく必要ない。
途中で河原を離れて右岸の斜面を高度を落とさぬよう進み、林道に出る。そのまま進むと国道291号に突き当たる。ここでスキーは終了。ここからスキー場駐車場までの登りが面倒なところだ。