※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
3連休初日は各地で雨。2日目以降も日本海側の天気は思わしくない。それでも北アルプス南部なら晴れるというので、この連休は乗鞍方面へ行くことにする。
ただし連休初日の土曜、乗鞍岳は雪ではなく雨だったらしい。となると日曜は気温が下がってカリカリに凍結している可能性が高い。それに人も多そうであまり気は乗らない。それならば、同じ乗鞍連峰の十石山に登ってみよう。マイナーな山だが、眺望が良く、山スキーもそれなりに楽しめるらしい。登山口が白骨温泉というのも魅力的だ。
ダマとは途中の道の駅で待ち合わせ。今シーズン彼は時間通りに来たことがないので多少バッファを持たせたが、この日は珍しく時間通りに来る。そのため、朝7時前という我々には早い時間からスタートすることになった。
駐車場所はスーパー林道ゲート先の最終融雪地点。先行者はおらず、この後も2台の車がやってきただけだった。
6:44 1427m スーパー林道ゲート先駐車地点。
この辺りは雪解けが進んでいて雪はまばらにしか付いていない。過去の記録を見ると、ちょっと先にある登山口まで車道上を歩く人もいるようだ。ただ、確認はできないがここからも登山道が延びているはず(国土地理院の地図には載っていないが、昭文社の「山と高原地図」には記載されている)。雪が切れてもヤブ漕ぎせずに登れるはずだと、ここから山に入ることにする。
とりあえずスキー板を手に持ったまま登り始めたが、まだしばらく雪はつながりそうにない。5分ほど歩いたところで見切りをつけ、板をザックに括り付ける。
7:01 1529m スーパー林道方面道標。
ここから先は雪がつながっていそうだが、まだ朝早くて雪が固いのでそのままツボ足で歩き続ける。
この辺りはカラマツ林で、ヤブもないので快適に滑れそう。雪質も思ったほど悪くない。昨日の雨から一気に冷え込み、最悪のモナカ雪になっているかもと思われたが、さいわいそれほど気温は下がらなかったようだ。
1600mから勾配はきつめになる。この先の平原までツボ足で登り通すつもりだったが、途中からだいぶ潜るようになってきたのでシール登行に切替。急傾斜だが、シールの利きやすい雪質のためサクサク登っていける。
1780mで傾斜は緩やかになり、ほどなくコメツガやシラビソの平原に入る。「湯沢ノ平」というらしい。この辺りは多少下生えが出ているところもあるが、邪魔になるほどではない。
1870mからは再び傾斜が増し、尾根上の登りとなる。ところどころ狭い箇所もあるが、木はそれほど濃くないし、よくあるヤセ尾根のように大きなデコボコもない。シールもよく利くので苦労せずどんどん登っていける。
2200mくらいまで登ると尾根は広がり、シラビソもまばらになって視界が開けてくる。そして右に目を向けると穂高の吊り尾根。ここまでの行程でもいい山だと思っていたが、素晴らしい景観にさらにテンションがあがる。
2400mで森林限界。まだところどころシラビソが点在しているので正確には違うのかもしれないが、雰囲気的にはそんな感じで、目の前に素晴らしいオープンバーンが広がる。山頂からの標高差は150mちょっとしかないが、滑るのがとても楽しみだ。
9:59-10:09 2524m 十石山。
展望は見事。南は稜線続きで剣ヶ峰など乗鞍の山々、北には笠ヶ岳や穂高岳がガスの上に浮かび上がっている。標高の高い乗鞍岳のように北アルプスの様々な山が見えるわけではないが(それともガスで隠れているだけ?)、穂高岳なんかは距離が近い分だけ迫力がある。
北西へちょっと下ったところには十石峠小屋が見える。せっかくなので小屋に寄って休憩しよう。小屋までは普通に下り斜面だが、面倒なのでシールは付けたまま滑る。
10:11-10:44 2510m 十石峠小屋。
小屋の脇で休憩後、シールを外して滑降開始。が、小屋から滑り始めたのはちょっと失敗だった。ここからだとトラバース気味になってしまい、せっかくのオープンバーンも十分に堪能できずに終わる。
とはいえ樹林帯に入ってからもまだまだ楽しめる。特に上部は木が少なくて日当たりが良く、雪が適度に緩んでいて滑りやすい。その一方でダマは歩行優先の柔らかい靴を履いていることもあって苦戦している。
2100mからはだいぶ尾根が狭くなり、木も濃くなる。それ自体はさほど問題ではないが、木陰がモナカ雪になっていて滑りづらい。何度か転び、しかも中はフワフワで潜ってしまうので起き上がるのに苦労する。
さいわいモナカ区間はそう長くない。ほどなく(滑りやすいとまではいえないが)それなりにターンできるくらいの雪質になる。
やがて湯沢ノ平。ほとんど傾斜がないのでストック漕ぎは必要だが、長い距離ではないので苦にはならない。
1800mからは再び勾配が増し、浅い谷状のカラマツ林の斜面となる。ここまで下るとほどよく雪も緩み、なかなか滑りやすい。景観はともかく、滑りやすさの面ではここが一番楽しかったかもしれない。
12:55 1498m
スーパー林道方面道標を過ぎたところで滑降はひとまず終了。ここからはところどころ雪の切れた登山道を歩くことになる。
ゴールはもう近いのだからさっさと板を背負って歩いたほうが速いのだが、そこは山スキーヤーの性、板を何度も外しながら雪を拾って滑り続ける。
最後は登山口に降りてスーパー林道経由で戻る。道路上は雪が繋がっているかと思ったがダメだった。結局何度か板を外しながら駐車地点まで滑って終了だ。
それにしてもこの十石山、予想以上にいいコースだった。
穂高岳や乗鞍主峰などの展望は素晴らしいし、上部のオープンバーンから樹林帯まで、スキー自体もかなり楽しめる。乗鞍岳と違って静かなのもいいところだ。この日は積雪量・雪質ともイマイチなところはあったのだが、それでもかなりいい印象を持った。個人的には乗鞍岳より気に入ったくらい。
もちろん乗鞍岳には乗鞍岳の良さはあるが、今後はこの山に登ることも多くなりそうだ。
(2016/3/20)
本館の風呂と外来専用の外湯の2つの施設があり、本館は10:30~14:00、外湯は14:00~16:00とそれぞれ入浴時間が異なっている。
本館の内湯や露天風呂のほうが有名なようだが、この日は時間の都合で外湯に入ることになった。
外湯にも内風呂と露天風呂があるが、なぜか内風呂は温泉ではない。
露天風呂もさほど大きくない。この日は連休中日で、さらに冬季の夕方に外来入浴できるのはここくらいしかないため、けっこう混雑していた。
ただ、入浴剤問題があったとはいえそこは天下の白骨温泉。ぬるめの湯も心地よく、名湯という先入観のせいかもしれないが、いつまでもつかっていたくなるような良い風呂だった。
(2016/3/20)
平湯温泉スキー場に隣接する食事処。かつて夏に訪れた時は(内部の作りに違和感を感じつつも)普通の大きな郷土料理店だと思っていたが、この時期はスキー場のレストハウスみたいな感じになっており、ダマも口に出さずとも「なぜここまで来てこんなところで食べるのだ?」という顔をしている。そしてこれは気のせいだろうが、メニューも以前来た時より軽食中心になっているような。
それでも目当ての「飛騨牛朴葉みそ定食」があればそれで十分。本格的なぶ厚い飛騨牛だと結構な値段を取られるが、ここは2000円と値段も手頃。その分肉は薄いわけだが、朴葉みそがあるわけだしそれで十分だ。
営業は23時まで。平湯の温泉街は夜が早いので、ここにこういう店があるのはうれしい。