※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
月山・鳥海山ツアーの4日目。明日は雨ということなので、土日を残してツアーはこれで最後になりそうだ。
今回登っていないメジャーコースとしては、他に矢島口・猿倉口なんてのもある。しかし最後ということで、それらのコースより滑りがいのある湯ノ台口から登ることにする。
通常、このコースは外輪山である伏拝岳や行者岳をゴールとする。新山まで往復するケースもあるが、滑降対象はあくまで湯ノ台口~外輪山間だ。
昨年は、これに千蛇谷滑降というオプションを加えた。新山から七五三掛まで滑り、あとは外輪山コースで行者岳まで戻ってくるというものだ。ここまでやれば、山行もさらに充実する。
ただ、その場合は累積標高差が2100mを越え、疲れがたまっている今日はちょっと厳しい。それに今年は残雪が多いので、スタート地点は昨年よりずっと下になる。行者岳往復だけにとどめておいたほうが無難だろう。
車で登れたのは鳥海高原ラインの655mまで。雪の少なかった昨年は824m、一昨年は775mだったので、それよりだいぶ下から登ることになる。といってもここまで滑って降りられそうなので、さほど損した感はない。
6:35 鳥海高原ライン655m。
まずは車道をシートラーゲンで登る。雪はつながっているように見えるが、この先、日当たりの良い場所は雪が切れている可能性もある。とりあえずシートラーゲンで登っておけば間違いないだろう。
鳥海高原ラインはここからヘアピンカーブが連続する。道路上を歩くとかなり遠回りになるので、最初と次のカーブでショートカット。時間は短縮できたが、2回目はけっこうなヤブ漕ぎとなった。ここまでひどいのなら、たとえ時間がかかっても道路上を歩くべきだった。
7:02 鳥海高原ライン744m。
雪はずっとつながっていそうだったので、ここでシール登行に切り替える。
途中、路面の雪が消えている区間もあったが、道路脇には残っており、なんとかシールで歩き通せた。
777mで道路を離れ、滝ノ小屋に続く尾根に取り付く。ただ、ちょっと早かった。尾根に上がってしばらくはヤブがうるさかったので、次のカーブまでは車道を歩いたほうが良かったかもしれない。
850m辺りで宮様コースに合流。今となっては自然破壊の跡でしかないが、途中、若木がうるさいところもあるので、なんだかんだでこの切り開きルートの存在はありがたい。
1250mでちょっとした平原に出ると、外輪山までのルートが一望できるようになる。雪渓はしっかりつながっており、行者岳まで無理なく登れそうだ。
一昨年はここから滝ノ小屋まで雪が切れていて、ひどいヤブ漕ぎになった。今年は大丈夫。ヤブは若干うるさいものの、シールのまま歩いていける。
8:55 1276m 滝ノ小屋。
今日は行者岳直下の中沢雪渓を登る予定。そのためには、ここから北東に向かってひたすら斜めに登り、荒木沢・マタフリ沢の2つの沢を越える必要がある。
一見イマイチなルート取りだが、中沢雪渓まで出てしまえば、外輪山南面の最高峰である行者岳までシールのまま直登できる。登山道沿いに登るより(もしくはこのまま澄郷沢左岸尾根を直上するより)、なんだかんだで効率は良いはずだ。
昨年は中沢雪渓に入る手前にハイマツ帯があり、数メートルだけ板を外す必要があった。今年は全然余裕。マタフリ沢の先でちょっとだけ雪渓のつなぎ目が狭くなるぐらいで、そこ以外は各雪渓ともしっかりとつながっている。
1650mで中沢雪渓に出たら、後はまっすぐ登るだけ。残雪が多いとルート取りも楽だ。
傾斜はぎりぎりシールで直登できるくらい。効率良く高度を上げることができる。
ただ、若干気になることに、山頂付近は笠雲のような厚い雲が湧いてきた。これ以上ガスが降りて来ないことを祈るばかりだ。
外輪山直下、2050m辺りから先は雪渓が大きく2つに分かれる。どちらでも大丈夫だろうと、そのまま真っすぐ右側の雪渓を登ってみる。が、これは失敗。こちらの雪渓は上までつながっていなかった。板を外して隣の雪渓に移動することになる。幸い、隣の雪渓まで10m程度。ハイマツもさほど生い茂ってないので難なく歩くことができる。
11:27 2157m 行者岳。
到着時点で外輪山の内側はガス。中央火口丘の新山もうっすらとしか見えない。ちょっと残念ではあるが、まぁ外輪山の外側は晴れているので滑りには影響しない。
と思っていると、休憩している間に火口原側も晴れ上がり、お馴染み千蛇谷や新山などがきれいに見えるようになる。悪天続きだった昨年と違い、今年は結局4日続きで晴天に恵まれた。明日天気が崩れるのは残念ではあるが、これだけ滑れれば十分満足だ。
12:08 滑降開始。
このところの好天続きで、昨日の千蛇谷はゲレンデのように荒れていた。矢島口コースはさらにひどかっただろう。
しかし人の少ないこちらのコースはそれほど荒れてない。雪質も、板が走りすぎるほどのフィルムクラスト。これなら快適に滑っていける。
途中でマタフリ沢右岸にトラバースしなければならないのは残念だが、それでも標高差550m以上はまっすぐ滑っていける。傾斜もほどほどにあり、今年の鳥海山ツアーを締めるのに相応しい滑りができた。
1600mで右手にマタフリ沢との雪渓のつなぎ目が見えてきたら、それを逃さぬよう西側にトラバース。なにしろ昨年はこのつなぎ目を逃してしまい、結構なヤブ漕ぎをする羽目になってしまった。今年は雪が多いので昨年ほどシビアではないが、それでも注意は必要だ。
マタフリ沢右岸に出たところで、この後の下山ルートについて検討。
普通はこのままトラバースを続け、往路通りに滝ノ小屋に出る。しかしその場合、滝ノ小屋までトラバースばかりになってしまい、この雪原を十分に楽しめない。
一方、このマタフリ沢右岸(荒木沢左岸)であれば、そのまま真下に滑っていける。昨年は雪不足のためこちらを往復したのだが、滑りのほうもけっこう楽しめた。それにこちらのほうがシュプールが少なく、雪も荒れていないはず。
一つマイナス点としては、最後の車道の滑走が長くなる。ただ、昨年の記憶ではそう面倒なものではなかった。ということで、マタフリ沢右岸を滑ることにしよう。
まずは鳥海高原ライン終点の無雪期駐車場まで。上部と同様に無木立の大斜面で、文句なしに楽しめる。
駐車場(もちろん今の時期はただの雪原)から先は、蛇行する車道をまっすぐショートカットして滑っていく。車道は何回か横断するだけで、普通にブナ林の緩斜面を滑っている感じだ。
ただ、昨年はけっこう楽しめたのだが、この日は微妙。雪面がデコボコに荒れていて、板もそれほど走らない。ダラダラとゆっくり滑るような感じになった。
12:50 鳥海高原ライン913m。
車道を(荒木川右岸で)ショートカットできるのはここまで。後は駐車地点まで車道上を滑ることになる。
昨年はところどころ雪が切れていたものの、雪のついている区間はジェットコースターのようにどんどん滑れた記憶がある。が、今年は全然ダメ。雪はつながっているのに滑りが悪く、かなりの区間でストック漕ぎが必要になる。
結局、駐車地点まで40分。板を外さず滑りきれたことだけは幸いか。
(2015/5/5)
「山荘」という名前だが、立派なホテル。
旅館やホテルの風呂の場合、夕方以降は宿泊者のみになるところも多いが、ここは21時まで外来入浴可能。
泉質はさほど特徴を感じなかったが、露天風呂からの眺望はすごい。
塀や樹木など遮るものがなく、だだっ広いだけの高原がはるか彼方まで広がっているのだ。
美しさに感動するというより、ちょっと呆気にとられる感じ。
方角的に鳥海山が見えないのは残念だが、代わりに遥か遠く月山や、日本海に浮かぶ粟島まで見えるらしい(この日は気づかなかった)。
鳥海山の周りには安くて素晴らしい温泉施設がいろいろあるが、ここは湯ノ台口から近いし、湯ノ台コースを滑った後は今後もここになるだろう。
(2017/05/04)
地魚丼 1400円
象潟にある寿司・地魚料理が売りの店。
道の駅象潟「ねむの丘」の向かいにあり、位置的にも便利。
ただ、我々が行くGWの夕方は混雑する。一昨年は「時間がかかるから海鮮以外を」と言われてそれ以外のメニューを注文したが、散々待たされた揚げ句に後から来た客の海鮮丼が先に出た。この時点で我々のオーダーはまだ調理にすらかかっていなかったので、結局店を出ることに。最悪の印象だった。
今回は予定していた店が閉まっていたので、半ばやむなく入店。店の人が言うには「これ以上ないくらいベストなタイミング」だそうで、待たされずにすんだ。
混んでさえいなければなかなか良い店。
地魚丼は、普通の海鮮丼といってしまえばそれまでだが、魚がそれぞれ美味かった。
(2017/5/5)
地魚刺身 1600円、ご飯セット 500円
この日も別の店に行く予定だったが、ダマとの連絡に齟齬があり、2日連続でここになった(どうせその予定していた店も閉まっていた)。
夜の部の開店早々だったためか、この日もさほど待たされずに済んだ。
海鮮丼よりこちらのほうが一品々々楽しめる。値段はちょっと高くなるが、十分満足。