2011/05/06 雪倉岳

目的地
雪倉岳
地域
北ア後立山
日時
2011/05/06
コース
蓮華温泉~雪倉岳往復
メンバー
ダマ
装備
KARHU:XCD 10TH MOUNTAIN/22 Designs:TeleBulldog, Scarpa:T2('05)
天気
晴れのち曇り

コースデータ

コースタイム
蓮華温泉[07:04]↓[08:20]瀬戸川↑[12:44]雪倉岳[14:09]↓[15:02]瀬戸川↑[16:04]蓮華温泉
山行時間
09:01
実移動時間
07:17
最高高度
2610m
最低高度
1327m
累積標高差(登り)
1815m
累積標高差(下り)
1815m
移動距離
13.77km
平均速度※1
1.89km/h

※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度

グラフ

記事

蓮華温泉ツアー2日目は雪倉岳。長らく課題だった山のひとつである。
宿泊客のほとんどが本日下山するようで(後にわかったのだが連泊したのは我々だけで、「ほとんど」どころか全員だった)、宿から雪倉岳に向かうのは我々だけ。静かな山行を楽しめるとはいえ、初めての山なのでもう少し登る人がいたほうが正直ありがたい。

07:05 1465m<br />
07:05 1465m
07:22 1383m<br />
07:22 1383m

07:04 1465m 蓮華温泉発。
すぐに下り斜面になるのでシールは不要。
天狗ノ庭尾根を回り込むところで若干登り気味になるが、普通のアルペン板でも逆ハの字で簡単に登れる程度なので、ステップソールの自分はまったく問題なし。
この先は兵馬ノ平まで降りて滝見尾根に登り返すか、もしくは夏道通りにトラバースして滝見尾根に出るかのどちらか。後者の方が距離は短く無駄に登り返す必要もないが、分岐点のあるはずの場所に着いても周辺にトレースは見当たらない。普段ならGPSを頼りに構わず突き進むところだが、ガイドブックに兵馬ノ平まで出てしまったほうが楽だと書いてあるものがあったし、昨晩同宿した方もトラバースは辛かったと言っていた。なのでここは素直に兵馬ノ平まで滑り降り、そこから真っ直ぐ登ることにしましょう。
兵馬ノ平まで標高差100mほどの下りだが、この日は放射冷却のためかまだカチカチに凍り付いており、滑っても辛いだけで全然面白くない。

07:48 1420m<br />
07:48 1420m
08:21 1390m<br />
08:21 1390m

07:27 1327m 兵馬ノ平。
ここでシールを付け登行開始。
滝見尾根を乗り越すべく南西に真っ直ぐ登っていけばいいはずだが、赤テープはもっと南寄りに続いており、念のためその通りに登ることにする。
その結果、予定していた乗り越しポイントよりだいぶ左に出てしまった。たぶん真っ直ぐ登ってもなんら問題なかっただろう。
その代わり、南に寄ったことによりトラバースルートのトレース跡を発見できた。帰りはこちらを通ることにしよう。

08:20 1383m 瀬戸川横断。
蓮華温泉のHPなどでよくこの瀬戸川のスノーブリッジの状況が報告されていたため、この時期は沢が割れて渡渉は微妙なのかと想像していた。が、そんなことはない。今年は残雪が多いためかほとんど雪で埋まっており、場所を選ぶ必要もなく普通に歩いていける。

08:40 1510m<br />
08:40 1510m
09:06 1576m<br />
09:06 1576m

瀬戸川を渡ったらいよいよ雪倉岳への登り。まずは正面の沢を登る。いきなり急登でジグザグに登る必要がある。
ここからのルートは2つ。この沢を詰めて山頂まで直登するか、途中で沢を出て北東尾根を登るか。予定は前者の沢ルートだ。
沢を詰めるだけなので迷うところなどないと思っていたが、実際に沢の中に入ってみると意外とわかりにくい。
雪倉ノ滝を右に分け左の窪地に入ったところまでは良かったが、その後正面の枝尾根の左右にトレースが残っており、どちらが良いか判断できない。まあさして変わらないだろうと、とりあえず登りやすそうな左側の窪地を登る。

09:34 1699m<br />
09:34 1699m
10:13 1888m<br />
10:13 1888m

09:20 1710m 北北東尾根(2294点のある尾根)。
ここから尾根の西斜面をトラバースし、再び雪倉ノ滝上部の沢に戻る。あとはこの沢を詰めるのみ。ところどころゴルジュ状になるが、特に危険な感じはしない。

11:00 2060m 沢を抜け広い斜面へ。やっと雪倉岳の全景が見渡せるようになる。ともかく一面真っ白だ。
あとはこの斜面を直登するだけだと思っていたが、思ったより傾斜がキツい。いまさらだが右手の北東尾根から回り込んで登ることにしよう。

11:03 2094m<br />
11:03 2094m
11:49 2283m<br />
11:49 2283m

12:04 2351m 北東尾根。
ダマはちょっと遅れている。尾根まで上がってしまうとダマの様子が見えなくなるが、まあ先ほどまで下に見えていたし、もう迷うところはないので、視認できなくても問題なかろう。
頂上まであと少しというところで家族連れの雷鳥が出てくる。ダマにも見てもらいたいところだが、まだやってくる気配はない。

13:52 2610m<br />
13:52 2610m
14:24 2534m<br />
14:24 2534m

12:44 2609m 雪倉岳。
先週の飯豊山や一昨日の焼山に比べればなんてことないと見くびっていたが、思った以上にきつかった。
しばらくダマを待つが、なかなか来ない。シャリバテで途中でメシを食ってるかもしれないと思い、先に食事をとることにする。

13:58 ダマ到着。14時になったら降りようと思っていたのでギリギリだった。
この登りはダマにもきつかったようで、山頂の石碑をグーで殴りつけながら「大変だったじゃねーか」と雪倉岳に悪態をついている。
さらに雷鳥の話をすると「こんなに頑張ったのにオレにご褒美はないのか」とのたまっている。なかなかの名セリフだ。

14:25 2526m<br />
14:25 2526m
14:29 2377m<br />
14:29 2377m
14:35 2110m<br />
14:35 2110m
14:37 2028m<br />
14:37 2028m

14:09 滑降開始。
登ってきた北東尾根がなかなか快適そうだったため、こちらの尾根コースを滑ることにする。
雷鳥はまだいないかと注意して滑っていると、、、尾根の真ん中に当たり前のようにいました。ダマにもご褒美があったではないか。
そしてご褒美はこれだけではない。素晴らしい景色のなか、実に滑りやすい斜面が続く。
このような無木立の大斜面は得てしてゲレンデのように単調になりかねないものだが、これだけ景色が雄大だとまた別だ。一昨日の焼山北面台地のように縦溝や柔雪で苦しめられることもなく、圧倒的に面白い滑りができる。

このまま真っ直ぐ尾根上を滑るといったん傾斜はぐっと落ちる。雪倉ノ池のある平原だ。どうせこの先で尾根を外れて東斜面を滑る必要があるため、緩斜面を避け、この辺りから尾根の右斜面をトラバース。このような景色の良い広大コースだと、ただのトラバースも実に爽快だ。

14:45 1778m<br />
14:45 1778m
14:56 1585m<br />
14:56 1585m

そのまま雪倉ノ滝の上部の沢に向け、東斜面を滑り続ける。
傾斜はきつくなるがまだまだ無木立の広い斜面が続く。登りルートだととっくに狭い沢に入り込んでいるはずなので、こちらのほうが遥かに滑降に適しているようだ。

14:50 1636m 雪倉ノ滝の上部の沢。
ここは東側の枝尾根をトラバースで巻いて1本右側の沢へ。
この枝尾根は地面が露出しているが、先行者のトレース通りに滑ったところ、ピンポイントで雪の繋がっている箇所を通ることができた。
あとは登りに使った急斜面の沢を滑り、広い瀬戸川河畔に出たら滑降は終了。ラストに長い登りが待っているところがこのコースの辛いところだ。

15:21 1461m<br />
15:21 1461m
15:46 1504m<br />
15:46 1504m

15:02 1380m 瀬戸川。
河畔でシールを付け瀬戸川を徒渉。そのまま90mほど滝見尾根に出るべく右岸の斜面を登る。

15:22 1467m 滝見尾根。
ここからは兵馬ノ平には下らず、往路で見つけたトラバース道へ。シールは付けたままだ。
長いトラバースはダマも自分も大嫌いなのだが、このトラバース道を使えば兵馬ノ平までの標高差150m近い下りをパスできる。
しかしこれが予想以上に辛い。雪は緩んでいるしトレースもあるのでだいぶマシなはずなのだが、ともかく長い。先週ひどい靴擦れをおこしていたためがっちりテープでガードしていたのだが、それも役に立たず、ダマもまたひどい靴擦れを起こしていた。

15:50 1485m やっとトラバース終了。
地図を確認すると、夏道より50mほど上をトラバースしている。来る時トレースを探しても見つからなかったわけだ。
そのまま緩斜面を北東へ進み、5分ほどで登山道に合流。あとは10分足らずで蓮華温泉だ。

この日の宿泊客は、我々の他は白馬山荘からやってきた関西の方1人だけ。空いているのはうれしいが、これだけ人が少ないと逆に気が引ける。
当然露天風呂も誰もいないだろうと思っていたが、仙気の湯はテント泊の男女の学生集団でいっぱいだった。外来入浴可能なのでそれ自体に文句はつけられないが、水着着て入るなよ。素っ裸で入っていけないじゃないか。