※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
恒例の2月連休の西吾妻ツアー。今年は徳内夫妻にダマ、ピエールも参加しての大所帯、しかも夕食は米沢牛、泊まりは岳温泉の老舗旅館という大名ツアーである。これで楽しくならないわけがない。
体力的に不安のある徳内ヨメは、2日目勝負ということで旦那ともども初日はゲレンデ。残る3名でお馴染みの西吾妻山へ向かう。
リフト3本を乗り継いでゲレンデトップへ。昨年などはここで多くの山スキーヤーが入山準備をしていたものだが、今年は誰もいない。トレースすら残っていない。今年の建国記念日は2連休にしかならず、そのためなのだろうか、このように人がいないのは6度目にして初めてのことである。
ゲレンデを滑る徳内夫妻とここで分かれ、中大巓の稜線を目指しオオシラビソの樹間を縫って登る。いきなりのラッセルだが、たいした距離ではないのでなんてことはない。
30分程で稜線。ここまで登らずとも天狗岩に向け南へもうちょっとショートカットできるはずなのだが、なんとなくいつも稜線のど真ん中まで進んでしまう。
ここからは雪もパックされ、ラッセルはほとんど必要ない。天狗岩を目指して緩い稜線上を進む。
天狗岩からは西吾妻山頂へは登らず、直接西吾妻小屋へ向かう。このコース初めてのダマもいることだし山頂に寄っても良かったかもしれないが、ピークといってもなんの目印もない平原だし、この天気では何も見えない。山頂に立つまでもなかろう。
11:45 西吾妻小屋着。もちろん誰もいない。久しぶりに中に入り、ゆっくり休憩する。
GPSの電池が切れかかっていたので小屋で予備の電池と交換するが、これが使い切った電池を持ってきてしまったらしい。GPSなしではまだちょっと不安だ。特に若布平の手前で沢から稜線に上がるところ。以前そのまま沢を下ってえらい目にあったことがある。少なくともそこまで電池が切れないことを祈る。
とりあえずシールをはずして滑降開始。小屋からしばらくは斜度があまりなく、かつ樹間が濃いのでほとんど滑りにならない。
が、沢筋が明瞭になってくるところから快適に滑れるようになる。GPSとにらめっこしながら進んだおかげで、昨年より早くその快適ポイントを見つけることができた。
沢に入ってからは深いパウダーの楽しい滑降が続く。といっても決して広い斜面ではなく、初心者のダマはうまく板をコントロールできる訳もない。10年前の我々のようにターンのたびに転び、さらには予想していた通り深いツリーホールに頭から突っ込んでくれる。こうなるとちょっとやそっとじゃ起きあがれず、相当な体力を使うのだ。
そんなこんなで標高1500m。もう少し沢の中を滑っても大丈夫なのだが、沢の中もあまり快適でなくなってきたのでそろそろ右の尾根に上がりましょう。そのままちょっと滑れば若布平だ。
若布平はほとんど平地。トレースがあればそれに乗ってジェットコースターのように進めるのだが、今日は真っ新だ。これは悲しい。トレースがあれば数分で通り過ぎてしまう斜面も、ほとんど歩くように30分以上かかってしまう。
若布平を過ぎ、尾根が狭まるまでの少しの間は再び傾斜が出てきて、快適に滑れるようになる。が、ここでGPSの電池切れ。まあここからのルートは問題ないだろう。
ほどなく核心のリッジ。トレースがなくスピードを殺せるお陰かいつもの恐怖感はない。ダマも無難に通り抜けてくれた。
この先で尾根を外れ、右の斜面をトラバース気味に滑ることになる。途中で沢に向かって急斜面を一気に滑り降りるのだが、ここで失敗。リッジの先から突然先行者のトレースが現れたのだが、それについて行ったところ、深い樹林帯に突っ込んでしまったのだ。こんな樹林帯記憶にない。沢に降りる箇所が早すぎたのか、ともかくこれはダマにはきつい。
尾根を降りてから後はあっという間に着くと踏んでいたのだが、結局ロープウェイ湯本駅にたどり着いたのは、徳内夫妻との約束の時間より30分以上遅れてのことだった。