※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
GWの鳥海山ツアー2日目。本日よりダマが合流するので、多少は横浜からアクセスしやすい月山に登ることにした。
コースのメインは山頂から清川行人小屋までの大雪城。昨年ガスの中で初めて滑り、視界がないにも関わらずかなり楽しめた。今度は晴れた日に思いっきり滑ってやろうと決めていたのだ。
下山ルートは四ッ谷川源頭~清水コースあたりが良さそう。
これまで車2台のときは石跳川からネイチャーセンターまで滑り降りていたが、その場合、山頂から石跳川源頭まではトラバースばかりになってしまい、せっかくの大斜面も消化不良に終わってしまう。それに石跳川自体もたいてい雪がグダグダで、こちらもやはり快適とは言い難い(雰囲気はいいので山行としては嫌いではない)。
その点、山頂から四ッ谷川源頭を滑って姥沢に出れば、月山南西の大斜面を思う存分滑ることができる。石跳川より距離は短くとも、スキー自体は遥かに楽しめるのだ。
清水コースは、まぁおまけ。せっかく車が2台あるので、有効活用しようというだけだ。
終点の五色沼までしっかり雪は残っているので、ゲレンデスキーヤー向けに整備されたコースとはいえ、それなりに楽しめるだろう。
8:53 1509m 月山リフト山頂駅。
残雪は例年並みといったところ。月山西南尾根なんかはだいぶ黒々としているが、ここ2年ほど残雪の少ない年が続いたので、これでもだいぶ多く感じる。
まずは牛首を目指してシール登行。姥ヶ岳から北東に弧を描く尾根の中腹をトラバースで登っていく。
スタート時、我々のちょっと前に板を持ったまま登っている集団がいて、どうするんだろうと見ていると、200mほど先の枝尾根から山頂方向にトラバース気味に滑っていった。その後、登山道に合流した辺りでシールを付け、そこから山頂へ向け登り返している。確かにこうすれば若干距離は稼げるが、標高差で50mほど損をする。トラバースルートもそう遠回りというわけではないし、どれだけ効果的なんだろう?
45分ほどで牛首に到着。眺めの良い場所で、ここで1本立てている人も多い。今日は空気が澄んでおり、振り返れば朝日・飯豊連峰などの展望が素晴らしい。
牛首から上の雪渓は、今年はだいぶ上まで延びている。実際、鍛冶小屋上部のガレ場でちょっと板を外したくらいで、あとはずっとシールで登ることができた。
10:22-10:43 1581m 月山。
ここまで登ると北側の展望が開け、鳥海山や日本海を望めるようになる。これだけくっきり見えたのは初めてかもしれない。
展望を楽しんだら、まずは南東の大雪城の滑降。山頂から胎内岩の東側までトラバース気味に滑り、そこからフォールラインに向かって滑っていく。
ここは期待通りの面白さ。真っ白で広大な斜面がひたすら続く。雪面もまだほとんど荒れておらず、ゲレンデでもこうはいかないだろうというくらい快適に滑ることができた。
眼下に清川行人小屋が見えてきたら、西側の尾根に向かってトラバース気味に滑る。小屋の手前はちょっと窪地(というか沢の源頭)になっているので、まっすぐ滑ると小屋まで登り返しが必要になるのだ。西の尾根側から回り込めば、ほとんど登り返しせずに済む。
11:10-11:44 1362m 清川行人小屋。
普段は避難小屋があっても、靴を脱ぐのが面倒だったりするので、中に入ることはあまりない。ただ、ここは営業小屋のようにきれいなので、ダマにも一度見てもらい。
小屋の中は相変わらずきれいで、いろいろ設備も整っている。ここで一晩過ごすのも楽しそう。とはいえ、場所的にちょっと中途半端なところにあり、拠点もしくは中継点として使用するには難しい気もする。
休憩後、北側の窪地まで標高差25mほど滑り、谷底でシールを装着。ここから山頂まで登り返す。
昨日の疲れが多少出てくるが、足が止まるほどではない。傾斜も緩やかで登りやすい。ただ、これだけ真っ白で緩やかな斜面が続くと、疲れるというより飽きてくる。途中、眠くてたまらなくなった。
13:27-13:37 1970m 山頂広場。
登ってきた南尾根はここで雪切れ。山頂小屋のほうから回り込めば雪はつながっているが、わざわざ遠回りしてまでシールで歩く意味はない。板を手に持ち、南西斜面の滑降ポイントへ向かう。
13:40-13:50 鍛冶小屋上1960m。
ここから滑降開始。
牛首までは傾斜がほどほどに強く、大雪城のようなメローな斜面とはまた違った面白さがある。正面の朝日岳・飯豊山に向かって、ジャンプターン気味に思い切って滑ることができる。
牛首が近づいたら、そのまま地形に沿って四ッ谷川源頭に滑り込む。大雪城ほど長大ではないが、ここも素晴らしい無木立の大斜面。自由自在に滑りまくる。
1480mで沢底を抜けて右岸斜面に上がり、緩やかな雪原を姥ヶ岳南尾根を目指してトラバース気味に滑る。
昨年は四ッ谷川源頭を滑る人こそ多かったが、ほとんどの人が途中で登り返し、この辺りの標高ではほとんどシュプールを見なかった。しかし今日は多数残っている。スキー場を経由せず、ここから姥沢に滑り降りる人も多いようだ。
姥ヶ岳南尾根が近づいたら、東斜面の中腹を本格的にトラバース。最終的にこの尾根を越えるまでトラバースを続ける必要がある。
この斜面もトレースが多く、それに乗ればあっという間に尾根上に出ることができる。
ただ、このトラバース斜面は上部に雪庇が発達しており、いつ崩れてくるかわからない。実際、昨年はデブリだらけだった。このコースはスキー場からでも簡単に滑ってこられるが、気軽に立ち入っていい場所ではないような気がする。
1250mで尾根を越えて反対側(西側)に出て、適当なところで姥沢を横断。駐車場脇の清水コースを目指す。沢から駐車場まで10mほどの登り返しが必要だが、ステップソールでなんとか登っていける。
駐車場脇から清水コースへ。ここからはゲレンデスキーヤーも滑るコースで、間違いそうな場所にはロープが張られているなど、しっかりと整備されている。ただ、今日は滑っている人をほとんど見かけない。シャトルバスの本数が少ないので、車2台か宿泊客じゃないとどうしようもないのかもしれない。
このコースは20年前に一度だけ滑ったことがあり、それなりに楽しめた記憶がある。しかし今日は縦溝やシュプールで荒れまくり。快適に滑れる斜面は少ない。これなら、姥沢で終了にしてもよかったかもしれない。
五色沼で滑走は終了。あとは志津温泉の駐車場まで車道を数分歩いて終了だ。
(2010/4/30)
道の駅「にしかわ」に隣接する日帰り温泉施設。
ともかく安い。
露天風呂など特別な設備があるわけではないが、ボディーソープやシャンプーなどアメニティーグッズもちゃんと揃っていて、値段の割にちゃんとしてる。
4月以降は朝6時から営業しているので、ここで車中泊して朝風呂を浴びることもできる。
隣の道の駅もレストランや売店など施設が充実しており、当然入浴後にソフトクリームだって食べられる。
月山I.C.ができたので通り道ではなくなってしまったが、それでもここに寄るためわざわざ西川I.C.で乗降するくらい、なにかと便利な道の駅である。