※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
これまで乗鞍というと剣ヶ峰や摩利支天すべり台しか滑ったことがなかったが、ヤマレコの記録を見るとこの時期は富士見沢を滑る人も多い。このコースは位ヶ原山荘手前からシールを付けてツアーコースまで戻る必要があるが(いちおう鳥居尾根方面に下ることもできる)、その手間をかけてなおこの沢を滑るからには、きっとそれだけの価値があるに違いない。
ということで、今回はピークには登らず、富士見コルから富士見沢を滑ってみることにする。どうせこの時期は剣ヶ峰まで登れてもカリカリで快適に滑れるわけがないし、降雪後なのでちょうどいいだろう。
9:43 1973m かもしかリフトトップ。
しばらくは針葉樹林帯に切り開かれたツアーコースの登り。
すぐに急斜面があるのだが、カリカリのコブ斜面で多くの人が登りに苦労している上、大所帯の登山の団体さんが下ってきて大渋滞。シールのジグザク登行では時間がかかりそうなので、サッサとスキーを脱いでキックステップで登る。
しかしまぁ混雑しているのはここだけ。急斜面を抜けたら一気に静かになり、自分なりのペースで登ることができる。
10:41 2376m ツアーコース終点。
ここから位ヶ原まで標高差50mほどの急斜面。昨日そこそこ降雪はあったようだが、すでに十分なトレースがついていて難なく登ることができる。
位ヶ原はいつものように強風。バラクラバをかぶり、それでも足りずにフードをかぶろうとするが、ボタンが留まらずにすぐに風で外れ、結局諦める。後で確認するとボタンを留める場所がまったく違っていただけで、無駄に時間をかけてしまった。
ここからは正面に見える肩ノ小屋へのルートを外れ、摩利支天岳分岐を目指して枝尾根上を登る。
2人組パーティーが先行していたが、稜線まで行かずに途中で滑降準備を始める。後でわかったがヤマレコでいつも拍手をくれる人で、初心者連れのため風の強い稜線まで行くのはやめたらしい。ちゃんと挨拶しておきたかった。
11:49 2788m 摩利支天岳分岐。
昨年は板をデポして摩利支天岳までピストンしたが、今日は割愛。代わりに摩利支天すべり台を途中まで滑る予定。
が、稜線をウロウロしていたらこの寒さでダマのシールが片方完全に剥がれてしまう。エッジで雪をこそいで再接着はできたが、これだけ気温が低いと登り返し中にまた剥がれるかもしれない。そうなると富士見沢滑降は難しくなるので、今日のところはすべり台は取りやめ、このまま富士見沢を滑ることにしましょう。
ということで富士見沢コルへ。稜線上は岩だらけで、崖状の急斜面もあるので板を持って不消ヶ池側の登山道から回り込む。
せっかくなので富士見岳まで登ろうかと考えたが、後続のダマから×サイン。新しい手袋がこの寒さに耐えられず、手の感覚がなくなってしまったらしい。自分は問題ないように思えたが、下山後も血が通わず末端冷え性になってしまった。さすが厳冬期の乗鞍、天気が良くても厳しいことに変わりない。
まぁ上からだと雪崩が怖いし、実のところそれほど登る意味はない。素直にコルから滑ることにしましょう。
12:35 2771m 滑降開始。
富士見岳南ピークからのシュプールが1本残っているが、富士見沢はまだまだ真っ白。昨日の新雪もいい感じで吹き溜っている。
最上部こそクラストしかかっていたが、すぐに滑りやすい雪質になる。これは楽しい。樹林帯のパウダーなら何度も味わっているが、無木立のパウダーをこれだけまとめて堪能できたのは初めてかもしれない。
2500mからは森林限界下に入って多少ながら木が多くなる。ちょっとした小沢や枝尾根も出てきてどこを滑るかちょっと迷うが、最終的にエコーラインに合流するので、どこを滑っても大丈夫なはず。適当に木の少ない沢沿いを滑る。
最終的に地図上で水線のある本流に合流したが、まぁどこを滑ってもいいのだろう。
ちなみに剣ヶ峰や肩ノ小屋から往復する場合、2600mから下は位ヶ原を滑ることになるが、広いけれどもたいていクラストしているのでそれほどは楽しめない。それに比べるとこちらのコースははるかに快適。上部の無木立斜面が楽しいのは想像できたが(期待以上だったが)、この標高まで楽しく滑れるとは思わなかった。
13:00-13:23 2354m 乗鞍エコーライン合流。富士見沢の橋の脇に出る。
富士見沢滑降はここまで。標高差400mちょっとの滑降だったが、だいぶ滑った感がある。
100mほど先には位ヶ原山荘。昨日から営業を再開したらしく、多くのトレースがついているが、風もなく暖かいので山荘には寄らずにここで昼休憩。
その間に、何人かのボーダーさんが山荘に向かって歩いて行く。摩利支天すべり台から続く沢を滑ってきた様子。後日調べるとこの斜面は「屋根板」というらしく、富士見沢同様にパウダーを楽しめるので有名だそうだ(というか富士見沢はスキーコースには含まれていなかった)。
この先、ツアーコースには戻らず鳥居尾根方面に下ることもできるようで、実際、富士見沢左岸をそのまま滑っているトレースも残っている。が、今回このルートは下調べしていない。今日は予定通りツアーコースまで登り返しましょう。
ちなみにこの鳥居尾根方面に下ったレポートがヤマレコにアップされていたが、まだヤブだらけで滑るにはちょっと厳しかったそうだ。
休憩後、シールを付けてツアーコース終点に向けエコーラインを登る。
といっても標高差・距離ともさほどのものではなく、トレースもたくさん付いている。この程度の登り返しで済むなら、確かに富士見沢や屋根板を滑ったほうがいい。
13:46 2423m ツアーコース終点上部。いわゆる位ヶ原急斜面の横っ腹に出た。
ここでシールを外し滑降開始。すでにシュプールでギタギタの急斜面を滑り、そのままツアーコースへ。
あとはゲレンデのようなツアーコースを滑るのみ。傾斜の強い箇所はコブまでできているが、すでに十分新雪を堪能しているのでもはや不満はない。
そのままゲレンデに合流し、駐車場までゲレンデ内を滑って終了だ。
(2014/12/23)
Mt.乗鞍スノーリゾートの下にある人気の日帰り温泉施設で、人は多いが広いのであまり混雑感はない。
ともかくここの湯は大好き。乳白色で、硫黄臭は強いがむしろいい臭いにすら感じる。
湯上がりに着たTシャツにもこの臭いはこびりつき、1回や2回の洗濯では取れないほど。
(2015/2/7)
「広い」と書いたが、スキーシーズン土曜夕方のラッシュに耐えうるだけのキャパはない。
脱衣所も洗い場も内風呂も露天風呂もいっぱい。
ただ、待ちは発生しなかったし、なにしろ湯がいいのでこの程度なら目をつぶれる。
(2016/02/07)
乗鞍といえばいつも「とうじ蕎麦」だが、正直高いばかりでコストパフォーマンスは低い。
それより運動後なのでしっかり肉を食べたくなり、選んだのが松本IC近くのこの店。
「なぎさライフサイト」というショッピングモール内にあって駐車場は問題ないと思っていたが、日曜夕方のためか広い駐車場は大混雑。グルグル回り続けてようやく止めることができた。
店自体は良い。別に信州とかそんなのは関係なく、生姜焼きや板かつが売りのちょっと小洒落た食堂にすぎないのだが、下山後にしっかり食べたい時にはこういう店のほうがいいのだ。