※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
徳内夫妻から週末の参戦申し込みがあった。あいにく天気は悪そうだが、またスキー場というのも芸がない。ヨメにはそろそろ山デビューをしてもらおう。
この日のためにかねてから初心者用ルートを物色していたのだが、どこも一長一短。候補のひとつの前武尊は遭難者が出たばかりだし、神楽ヶ峰もスキー場からのアクセスが何かと面倒。ということで、ベタベタだが根子岳に連れて行くことにする。天気も他に比べればまだマシのようだ。
ここはへリスキーコースとしてあまりに整備されすぎており――あろうことか普段は圧雪までされている――山スキー的要素は正直低い。が、この日は悪天候のためヘリスキーはやっていない。雪も良かったので、山スキーの雰囲気を十分味わうことができた。
このコースの売りである北アルプスの大パノラマや樹氷群といった景観を楽しむことはできなかったが、滑りに関しては意外に楽しむことができたのではないだろうか。
最初は山スキーの雰囲気がより味わえる別荘地の登山口に向かったのが、道路終点で除雪作業中のおっちゃんに追い返される。駐車場も最近積もった雪がまだ除雪されておらず、停められそうにない。仕方がない、引き返して奥ダボススキー場へ向かう。
リフト1本でゲレンデトップへ。悪天候にもかかわらず多くの入山者がいる。さすがNo.1入門者コースだ。人は多いが、へリスキーによる一般スキーヤーが滑り降りてこない点は良い。
しばらくは斜度のほとんどない平地の歩き。そこそこ新雪が積もっており、先行者のトレース上を歩く。
30分ほど歩くと若干斜度が出てきてクライミングサポートを起こす。ここから山頂まではシール登行に適した斜度が続く。
11:05 避難小屋の脇を通過。当初小屋で一本つこうと考えていたが、トレースが小屋の北側に向かっており、それを利用させてもらったほうがラクなので小屋はスルーする。
樹氷が見えるようになると頂上まではもう一息。時々日が差して樹氷帯が輝く。気楽に登れる山ながら、晴れていればかなりの景色が見れるだろう。ただしその場合は騒がしいヘリスキーヤーもいっしょになり、感動は薄れるかもしれないが。
この辺りからは風をまともに受け、体感温度がグッと下がる。辛そうだが、がんばってもらおう。
13:00 頂上直下の針葉樹林帯に入る。山頂は風が強くのんびり休む訳にはいかないので、この辺りの林の中で昼食にしますか。。。ツェルトを出し、お湯をわかし、10年ぶりくらいに本格的に休憩。たまにはこういうのもいいもんです。
山頂はもうすぐそこだが、ツェルト内で落ち着いてしまい面倒になったのでここから降りることにする。山頂付近は岩が出て滑りにくいし、ガスもひどくなっている。まあピークハント目的じゃないし、登る必要もないでしょう。
14:10 滑降開始。雪はサラサラの新雪状態。ただしガスはかなり濃く、目を凝らしてやっと次の指導標が見える程度。なるほど、指導標は絶妙な間隔で立っている。これがなければ何も見えず、ホワイトアウトに陥り上下の間隔もなくなっていたかもしれない。
というわけで指導標ごとに短く区切って慎重に滑る。本来であれば自由自在に滑れる広いバーンなのだが、ちょっと残念。徳内ヨメはなんだかんだいって無難に滑っている。むしろ旦那のほうがひっくり返っている。
中腹からはガスが心持ち薄れ、いくらか自由に滑れるようになる。雪も良く、かなり楽しい。根子岳でこんな面白い滑りができるとは思わなかった。徳内ヨメのテレマークターンもそこそこ決まっている。
避難小屋は先行パーティーが大挙して休憩していたため、下りもスルー。脇を直滑降状態でどんどん進む。
峰の原への分岐の辺りからは緩斜面になり、スキーは進まなくなる。ストックで勢いをつけながら何とか進み、15:25 リフトトップ着。後はカリカリのゲレンデを1本滑って終了だ。