※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
西吾妻山というと、最近はアクセスの良い福島側(グランデコスキー場)からばかり登っている。しかしこちらのコースは南面だけにどうしても雪質には恵まれない。なんといっても山スキーが楽しいのは北面の米沢側。 首都圏からの客が押し寄せる福島側と違い、静かな雰囲気を味わえるのもいいところだ。
かつては厳冬期の2月連休にこの北面ルートを滑ることを恒例としていた。しかしこの時期はパウダーが楽しめる反面、好天に恵まれる確率は低い。さらにコースによっては後半がずっと林道のため、傾斜が緩くて降雪後だと下りラッセルになる恐れもあった。
その点では、今回のように3月後半のほうが総合的に楽しめるかもしれない。そもそもガイドブックなんかでも、適期は3月以降となっているのだ。
ということで、この連休は久しぶりに米沢に1泊し、北面のクラシックルートを2本滑ることにする。天気もほどほど良さそうだ。
まず初日は若女平コース。例によってダマが遅刻し、ロープウェイに乗った時にはもはや10時。だいぶ遅くなってしまった。それでも今日は激しいラッセルはないだろうし、多少は上達しているので下りに時間がかかることもないだろう(ダマも私も初心者の頃はターンの度に転び、ツリーホールに頭から嵌まってえらい時間を食ったものだ)。この時間にスタートしてもさほど遅くならずに下山できるはずだ。
10:48 1815m つがもりロマンスリフトトップ。
まずは稜線を目指し、オオシラビソの間を縫うように登る。
この時間なのでトレースはしっかり付いている。ただ、トレースはまっすぐ中大巓へ向かっており、西吾妻山へ向かう我々には若干遠回り。途中で団体さんに追いついたこともあり、トレースを外れて西吾妻山コル方面へ直接向かうことにする。
ラッセルで膝が悪化しないか心配だったが、たいした距離ではないためか、少なくとも行動中はほとんど影響がなかった(下山後は膝が曲がらなくなったが)。
20分もかからず稜線上へ。ここまで登れば雪はほとんどパックされており、傾斜も緩やかなので楽に登っていける。
さてこの先、若布平コースを滑るだけなら必ずしも西吾妻山頂まで登る必要はない。山頂には何度も登っているし、だだっ広いだけなのでピークに登ったという達成感もない。それに山頂直下はデコボコしていて、滑りだってさほど面白いわけではない。実際、これまでは(いつも悪天だったということもあるが)山頂まで登ることなく、人形石や西吾妻小屋から滑り降りていた。
しかし今日はほどほどの天気で、ここまでスムーズに登れている。せっかくなので山頂まで登っておこう。
稜線上は風が強いことが多く、歩くのがつらいときもある。しかし今日は珍しく微風。広大な樹氷原を楽しみながらノンビリ登ることができる。
11:41-11:51 2033m 西吾妻山。
ここまで1時間もかからなかった。短いコースだとはわかっていたが、それにしてもラッセルが少ないとあっという間だ。
山頂はさすがに風が強い。休憩は後回しにし、準備を整えてさっそく滑り始める。といっても山頂直下は樹氷が密集していて、ろくに滑れないのだが。
ちょっと下れば樹間は広がるものの、今度は傾斜が緩くなってストック漕ぎが必要になる。西吾妻小屋を過ぎるまでスキーはさほど楽しめない。
しかし沢地形が明瞭になってくる辺りからは傾斜が増し、快適に滑れるようになる。2月連休(しかも悪天時)に滑っていたときのようなサラサラ深雪パウダーとはいかないが、それでもさすが北斜面の針葉樹林帯。それなりにフカフカで、久しぶりの新雪滑降を堪能する。
1520m辺りで沢を抜け、尾根上へ出るべく右斜面をトラバース気味に滑る。板が滑るギリギリの角度で、なるべく高度を落とさないよう滑りたいところだが、木が邪魔でそううまくはいかない。ところどころストック漕ぎや階段登行を余儀なくされる。うまくルート取りすればスムーズに若女平に出られるのだろうが、その辺りの微妙なルート取りはまだまだ把握できていない。
ほどなく若女平。その名の通り傾斜はあまりない。それでもトレースがあればジェットコースターのようにあっという間に滑り抜けられるのだが、残念ながら先行者はいない。登りであれだけトレースが残っていたのに、みんなどこを滑っているのか。一般的なコースなので先行グループは皆ここを滑っていると思っていたのに、期待外れだった。
この平原を進むにはストック漕ぎでは足らず、ところどころ下りラッセルとなる。おまけに傾斜につられて尾根から外れ、西側から回り込むことになってしまう。さほどのロスではないが、尾根上を真っすぐ滑っていれば、下りラッセルももう少し減らせたかもしれない。
12:55-13:13 若女平1320m。
正規ルートに戻ったところで昼休憩。
ここからは再び傾斜が増し、ブナの疎林帯を楽しく滑れるようになる。上部の沢の中のルートのように雪は吹きだまっていないが、自由に滑れて面白い区間だ。
ただ、以前はヤセ尾根までそれなりに長い距離を楽しめた気がするのだが、今回はあっという間。スムーズに滑れてしまうとこんなものか。
13:23 1180m ヤセ尾根手前。
ここから核心のヤセ尾根。滑る前はいまだに緊張する。実際に滑り出してしまえばなんてことないのだが、今回は核心部で帽子を木に引っかけて落としてしまい、うまいこと止まれずに転んでしまった。危なかったかと言われればそんなことはないのだが、転ばないよう気をつけていたところで転んでしまったわけで、これは絶対避けるべき。いまだにこんなことをやらかすようでは、まだまだだ。
ともあれヤセ尾根を抜けたら、あとは杉林をコース通りに下るのみ。楽しめる場所は少ない。
ただ1箇所、1050m付近で沢底へ下る急斜面があり、ここは短いながらも楽しめた覚えがある。しかし今日は雪がグダグダで、思ったようには滑れない。無難に高度を落とすのみに終わった。
13:50-13:55 852m スカイバレー分岐(若女平登山口)。
ここで山スキーは終了。あとは板を担ぎ、車道を10分ちょっと登れば駐車場だ。
それにしてもここまでわずか3時間。山スキーを始めたころはバカみたいに時間がかかったものだが、普通に滑れてしまうと本当にあっという間だ。
それでも十分満足感を得られたのは、やはりこのコースの質が高いからだろう。
(2005/2/12現在)
駐車場:無料
ロープウェ-:片道600円 リフト1回券:300円×3本
(2017/3/18)
ロープウェイ片道+リフト券3回分を、ロープウェー乗り場でセットで購入できるようになった。
セット料金:1900円
(2017/3/18)
義経焼(生ラム) 1500円など
米沢市内の羊肉専門店に併設されたレストラン。
ジンギスカン・焼肉店風なので、1人では入りづらいかも。
お勧めは「義経焼」という味噌たれのジンギスカンのようだが、羊肉の質が高いので、味噌味ベースだと味が消されてもったいないように思う。食べるなら冷凍ラムで十分。生ラムの場合、普通のジンギスカンのほうがよほど美味かった。
他にもラムチョップなど、一品料理は多数。
(2017/3/18)
いつも天元台に来たときは日帰り温泉施設の「白布森の館」の入るのだが(ここも安くて悪くない)、旅館の立ち寄り湯のほうが趣があり、かつアメニティーが充実していることが多いため、ここで入浴することにした。
内湯は「オリンピック風呂」なる33mの細長い風呂で、窓も大きくて開放感溢れる。
露天風呂もあるが、バルコニー形式で露天感に欠ける上、内湯と離れていて服を着て移動しなければならないのがちょっと残念。
とはいえ「オリンピック風呂」だけで十分満足できる。料金も高くないので、今後もここでいいかも。