2018/03/31 仙ノ倉山(シッケイ沢)

目的地
仙ノ倉山
地域
上越線沿線
日時
2018/03/31
コース
火打峠~平標山~仙ノ倉山~土樽
メンバー
ダマ
装備
ELAN:KARAKORUM('12)/Voile:Switchback X2, Scarpa:T2('13)
天気
快晴

コースデータ

コースタイム
平標山登山口駐車場[7:24]↑[10:07]平標山[10:32]↓[10:42]西ゼン1750m[10:50]↑[11:44]仙ノ倉山[12:11]↓[12:39]毛渡沢合流↓[13:21]群大仙ノ倉山荘↓[14:15]毛渡沢橋東駐車スペース
山行時間
06:51
実移動時間
05:42
最高高度
2025m
最低高度
547m
累積標高差(登り)
1435m
累積標高差(下り)
1853m
移動距離
18.18km
平均速度※1
3.19km/h

※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度

グラフ

記事

一部の地域を除いて残雪の少ない今シーズン、早くも滑れる山が限られてきた。もはや単純に登りたい山を優先させるのではなく、まだ滑れる山をピックアップし、賞味期限の早い順に手をつけていったほうが良さそうだ。
で、今週はダマが参加可能ということもあって仙ノ倉山シッケイ沢を選択。途中の毛渡沢はすでに沢割れがあるようだが、いちおう下山口まで雪がつながっているらしい。まだ十分に楽しめるだろう。

ダマの車を下山口の毛渡沢橋にデポし、私の車で平標山登山口へ。冬の間は未除雪だった駐車場も今日はきっちり除雪されており、すでにたくさんの車が停まっている。今日は戻ってくるのが遅くなるだろうから、ちゃんとした駐車場に停めておけるのはありがたい。

07:22 971m<br />平標山登山口駐車場
07:22 971m
平標山登山口駐車場
07:42 1036m<br />林道はゲート手前50m前まで除雪されている
07:42 1036m
林道はゲート手前50m前まで除雪されている

7:24 971m 平標山登山口駐車場。
まずは板を担いで別荘地内の道路を歩く。ここはどうやら私道らしいので、本来は川沿いの登山道を歩くべきなのだろう。雪のある時期は黙認で通らせてもらっている形だ。
10分ほどで別荘地終点。除雪は通常ここまでなのだが、今日はこの先の林道も除雪されている。残雪期といえど、ここまで除雪が進んでいるのを見るのは初めてだ(もっともこの時期に来るのは久しぶりなので、最近の傾向はわからない)。

7:43-7:48 1045m 岩魚沢林道ゲート手前50m。
除雪はここまで。ここからやっとシールで歩ける。
それにしても、平標山を往復する場合はここまでしか滑れないことになる。そういえば今日は登山者のほうが目に付くし、いよいよBCシーズンも終了という感じだ。

08:11 1228m<br />ヤカイ沢を登る
08:11 1228m
ヤカイ沢を登る
08:42 1477m<br />左岸尾根への登り。まだ雪がカチカチ
08:42 1477m
左岸尾根への登り。まだ雪がカチカチ

1065mでいつものように林道(登山道)を離れてヤカイ沢左岸台地へ。雪はだいぶ減っているが、まだヤブに邪魔されることなく普通に登っていける。
1380mで東南方向へ進路変更。急傾斜となるヤカイ沢の直登を避け、南側から弧を描くように回り込む形だ。
その際、いつもなら支尾根北側の沢筋を登っていくのだが、今日はカチカチに凍っていてシールが滑りまくる。日の当たる支尾根上なら雪が緩んでいるかもしれないので、今日は尾根側を登ることにしよう。
しかしこちらもやはりカチカチ。途中でツボ足のバケツトレースを見つけたこともあり、1475mでシートラーゲンに切り替える。この深いトレースのおかけでアイゼンは必要なく、以降は苦労せずに登ることができた。

09:10 1648m<br />いつもより西側で左岸尾根上に出る
09:10 1648m
いつもより西側で左岸尾根上に出る
09:25 1738m<br />左岸尾根を登る。低木は目立つが雪はつながってる
09:25 1738m
左岸尾根を登る。低木は目立つが雪はつながってる
09:50 1871m<br />平元新道に合流
09:50 1871m
平元新道に合流
10:07 1982m<br />振り返る。奥には八ヶ岳や奥秩父の山々、富士山も
10:07 1982m
振り返る。奥には八ヶ岳や奥秩父の山々、富士山も

9:06-9:11 1648m 南西尾根。
支尾根側を登ってきた関係で、いつもより南側で南西尾根上に到着。
ここからは多少傾斜が緩むのでシールに戻そうと思っていたが、雪は相変わらず固いし、ヤブも目立つ。それに今年から使い始めたシール(colltexのwhizzz)はこの手のアイスバーンにどうも弱い。まだしばらくシートラーゲンで登り続けることにしよう。

9:29-9:38 ヤカイ沢左岸尾根1760m。
いつものようにここで尾根の右端に移動。この先は傾斜が多少緩くなり、ヤブもなくなるので再びシールに切り替える。相変わらず雪は固いが、以降は無難に山頂まで直登することができた。

10:08 1982m<br />平標山到着
10:08 1982m
平標山到着
10:21 1982m<br />苗場山。左奥に白馬岳
10:21 1982m
苗場山。左奥に白馬岳

10:07 1982m 平標山。
雪が固くて手こずった割りには悪くないペースで登って来られた。なんだかんだで残雪期はラクなのだ。
山頂からの展望は今日も見事。3月に入ってからは快晴続きで、もはや晴れるのが当たり前という感覚になってしまっている。
今日は空気も澄み、遠く白馬岳や富士山、佐渡島なんてのもくっきり見える。この時期に霞むことなくここまできれいに見えるのも珍しい。

さて、ここから仙ノ倉山までは平仙コルを経由し、登山道通りに稜線上を進むのが一般的。しかし稜線上は雪がほとんど付いていない。それに昨シーズン西ゼン源頭をちょっと滑った際、西ゼン側から仙ノ倉山へ登り返してもたいして時間がかからないことがわかった。ダマもOKというので、今日は途中まで西ゼンを滑ることにしよう。

10:22 1982m<br />仙ノ倉山への稜線ルート
10:22 1982m
仙ノ倉山への稜線ルート
10:30 1981m<br />まずは西ゼン源頭を滑走
10:30 1981m
まずは西ゼン源頭を滑走
10:38 1803m<br />ザラメだ!
10:38 1803m
ザラメだ!
10:40 1764m<br />快適です
10:40 1764m
快適です

10:32 滑降開始。
山頂直下は若干ブッシュが出ているので、北西尾根側から回り込む。
最上部はカリカリにクラスト。しかしすぐに快適なザラメ雪になる。こうなるともう抜群に楽しい。厳冬期のパウダーももちろん面白いが、この広大な無木立斜面をグングン滑っていく楽しさはまた格別なものがある。
ダマも快調に飛ばしてくる。メインのシッケイ沢はどうなるかわからないが、この斜面を滑れただけでも今日はもう大満足だ。

11:08 1890m<br />仙ノ倉山へ登り返し
11:08 1890m
仙ノ倉山へ登り返し
11:24 1971m<br />稜線上は低木が出ている
11:24 1971m
稜線上は低木が出ている
11:31 1979m<br />ここだけ雪切れ
11:31 1979m
ここだけ雪切れ
11:38 2001m<br />手前のピークは北から巻く
11:38 2001m
手前のピークは北から巻く

10:42-10:50 西ゼン1750m。
標高差250mほど滑ったところでひとまず滑降終了。シールを付け、平仙コルの東側の尾根を登り返す。
稜線近くまでくるとさすがにブッシュだらけ。雪がつながっている場所を縫うように登る。
1975m付近は完全に雪が切れており、板を持って50mほど木道上を歩くことになった。もっとも谷側は十分雪が残っているので、そちらから回り込めばシールで歩き通せたかもしれない。

一つ手前のピーク(2021点)は北から巻く。この辺りは特に風が強いところだが、今日はほとんど無風。景色を楽しみながらお散歩感覚で歩くことができる。

11:56 2024m<br />仙ノ倉山より谷川連峰、燧ヶ岳・至仏山
11:56 2024m
仙ノ倉山より谷川連峰、燧ヶ岳・至仏山
12:00 2024m<br />東ゼンを降りていくパラ・フライヤー
12:00 2024m
東ゼンを降りていくパラ・フライヤー
12:01 2024m<br />山頂碑。奥には中越、尾瀬の名峰がズラリ
12:01 2024m
山頂碑。奥には中越、尾瀬の名峰がズラリ
12:13 2024m<br />シッケイ沢のドロップポイントへ
12:13 2024m
シッケイ沢のドロップポイントへ

11:44-12:11 2025m 仙ノ倉山。
先着は3パーティー4名。BCは我々のみで、1名はパラグライダーだった。
パラグライダーは谷川の山々をバックに大空高く飛び立つものと変に期待してしまったが、東ゼンに沿って地表近くを滑るように降りていくだけだった。まぁ風も出てきたし、こんなものなのかもしれない。

昼休憩後、滑降開始。
まずはシッケイ沢左俣のドロップポイントに出るべく、緩やかな稜線上を北側にちょっとだけ滑る。この稜線上は滑りすぎるくらいの絶好のフィルムクラスト。先ほど滑った西ゼンはザラメ雪だったし、同じ北西面のシッケイ沢も雪質的には問題なさそうだ。
ただ、なにしろ急傾斜なので、調子に乗って飛ばしすぎないようダマと戒めあう。

12:13 2002m<br />シッケイ沢へドロップ
12:13 2002m
シッケイ沢へドロップ
12:16 1939m<br />こちらも快適なザラメ雪
12:16 1939m
こちらも快適なザラメ雪
12:22 1699m<br />まだまだ続く
12:22 1699m
まだまだ続く
12:24 1637m<br />沢底へ
12:24 1637m
沢底へ

そしてシッケイ沢左俣にドロップ。
雪質はやはりフィルムクラスト気味で、抜群に滑りやすいザラメ雪。はるか下まで続く急斜面ながら、さほど怖さを感じない。それでも調子に乗って西俣沢側に落ちないよう、慎重に細かくターンを刻む。
ダマは細かいジャンプターンで降りてくる。引っかけて転倒しないかハラハラして見ていたが、NTNビンディングにもだいぶ慣れたようだし、本人も自信を持ってのことだろう。実際、何ら危なげなく降りてきた。

12:27 1516m<br />前回、沢底は重いベタ雪だったが、
12:27 1516m
前回、沢底は重いベタ雪だったが、
12:32 1240m<br />今日はザラメのまま。どんどん滑れる
12:32 1240m
今日はザラメのまま。どんどん滑れる
12:34 1164m<br />中俣出合のデブリ
12:34 1164m
中俣出合のデブリ
12:37 1067m<br />まもなく毛渡沢に合流
12:37 1067m
まもなく毛渡沢に合流

1550mで沢地形が顕著になってからも快適なザラメのまま。前回はこの辺りから重くて深いベタ雪になり、ダマにいたってはろくにターンもできなくなっていた。今日はもちろん問題なし。思うがままに滑ることができる。
それにしてもここまで楽しめるとは思っていなかった。残雪期シーズンはまだまだこれからだが、これが今シーズンのベストツアーになりそうだ。

沢が東へカーブする1200m辺りで右俣・中俣と合流。この辺りはデブリが目立つ。もっとも沢全体を埋めつくすようなものはなく、滑るのに支障はない。
ここまで下るとさすがに雪は重くなるものの、それも上部のザラメ雪に比較しての話。まだまだ十分に快適で、毛渡沢合流点まで楽しく滑り続けることができた。

12:50 985m<br />毛渡沢の滑走
12:50 985m
毛渡沢の滑走
12:57 917m<br />桂ノ沢のデブリを越える
12:57 917m
桂ノ沢のデブリを越える

12:39 1050m 毛渡沢。
広い斜面を快適に滑れるのはここまで。ここから仙ノ倉谷出合までが問題の区間だ。
スノーブリッジが十分あれば、滑りやすいところを求めて右岸や左岸を自由に行き来できる。しかし今年は雪が少ない上、時期も遅め。すでに広範囲にわたって沢が割れており、板を外して渡渉したという報告もあった。
最初は渡渉せずに済むようずっと左岸を滑ろうと試みたが、崖状に切れ落ちているところがあってすぐに断念。スノーブリッジのあるところまで少々戻る羽目になった。

その後はしばらく右岸を滑走。こちらはそこそこ広い河畔が続き、ところどころストック漕ぎを交えつつも、思ったより順調に滑っていける。
ただ、最終的には左岸に戻る必要がある。スノーブリッジがあるうちにと、桂ノ沢出合の手前で左岸に移動する。が、ちょっとこれは早すぎた。桂ノ沢出合は完全にデブリで埋め尽くされており、デブリ上を歩く羽目になった。この先にもまだスノーブリッジはあったので、もっと先で左岸に移るべきだった。

デブリ帯を越えると河畔が広がり、沢割れを気にせず左岸を自由に滑れるようになる。ただし適当に滑っていたら、ところどころちょっとした登り返しも必要になった。スキーを外すまでもなかったが、勝手知ったる人ならもっと効率良く滑れただろう。

13:20 757m<br />仙ノ倉谷合流。あとは林道上
13:20 757m
仙ノ倉谷合流。あとは林道上
13:47 626m<br />大滑沢は雪切れ。渡渉要
13:47 626m
大滑沢は雪切れ。渡渉要
14:07 578m<br />上越線と関越道の高架をくぐれば間もなくゴール
14:07 578m
上越線と関越道の高架をくぐれば間もなくゴール
14:12 555m<br />県道541号に出て終了
14:12 555m
県道541号に出て終了

13:21 758m 群大仙ノ倉山荘(仙ノ倉谷合流)。
仙ノ倉谷の橋を渡って左岸に出たら、あとは土樽まで長い林道滑り。ほとんど傾斜はなく、ストック漕ぎやV字歩行を多用することになる。それでも雪が残っているだけマシだろう。
ただ、雪はかなり汚い。ところどころスギの植林帯の中を通過するのだが、スギの枝葉がだいぶ落ちており、雪面が見えないところさえある。踏み潰して歩いていると、鼻がムズムズしてきてなんかイヤだ。

大滑沢はすでに水が流れており、橋も架かっていなかった。迷った末、板を持ってコンクリートの堰の上をジャボジャボ歩く。水流は踝ぐらいで、なんとか濡れずに渡ることができた。ちなみにダマはもっと下流から石伝いに渡渉。このほうが無難だろう。
あとは上越線高架下、関越道高架下でちょっとだけ板を外したが、最後までしっかり雪は残っていた。

それにしても下り行程の2時間のうち、快適に滑れたのは毛渡沢までの30分。残り1時間半はスキー歩行が中心で、ほとんど消化試合といっていい。しかしあれだけの滑りができればそれもまったく気にならない。好天も相まって大満足の山行になった。

周辺情報

土樽共同浴場 岩の湯 ★★★・・
500円

(2018/3/31)
越後湯沢にいくつかある共同浴場の一つ。
毛渡沢橋(シッケイ沢下山口)からの道中にあり、かつ馴染みの駒子の湯よりすいてそうなので立ち寄ることにした。
内湯のみで際立った特徴はないが、何よりすいているのが一番。
ただしスキーシーズン中や、すぐ隣のフィッシングパーク営業中はどうなるかわからない。


そば処中野屋 湯沢本店 ★★★・・
へぎそば 二人前 1,560円 舞茸天ぷら 880円

(2015/03/15)
2年前に移転したらしく、場所が微妙に変わっていた。
この日訪れたのは16時頃で、食事時間を外していたにも関わらず大混雑。案内されるまで結構待った。
ここのへぎ蕎麦は初めて食べた時にはかなりうまいと感じたが、今日はなんだか普通。ダマも味が落ちたといっていた。
ただ、舞茸天ぷらは相変わらずうまい。