2005/03/06 西吾妻山(二十日平)

目的地
西吾妻山
地域
東北南部
日時
2005/03/06
コース
グランデコスキー場~西大巓~西吾妻山~二十日平~スキー場
メンバー
単独
装備
Rossignor:B2('04)/Rottefella:Cobra R8, Scarpa:T2('05)
天気
快晴

コースデータ

コースタイム
第3クワッドリフトトップ[9:10]↑[10:20]西大巓↓↑[10:55]西吾妻小屋[11:10]↑11:25]西吾妻山[11:35]↓[12:25]標高1600m↓[13:20]二十日平(標高1250m)↓[13:50]ゲレンデ合流地点
山行時間
04:41
実移動時間
04:30
最高高度
2034m
最低高度
1110m
累積標高差(登り)
591m
累積標高差(下り)
1072m
移動距離
8.21km
平均速度※1
1.82km/h

※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度

グラフ

記事

7年ぶりのグランデコスキー場からの西吾妻山。前回は資料が乏しく時間の見積もりができなかったため、雪洞訓練を兼ねてわざわざ1泊2日かけて往復している。その割りに滑ったのは西大巓からスキー場トップまでのたかだか標高差400m足らずと、ほとんど雪洞堀りメインの山行となった。
その後雑誌などでも紹介されるようになったが、それによると山頂から二十日平尾根を通ってスキー場ベースに滑り込む、標高差1000m以上のお買い得コースがあるようだ。ルートファイティングは難しそうだが、GPSのある今なら問題ない。全国的に快晴というこの日、行ってみることにする。

[1] 09:07 1591m<br />
[1] 09:07 1591m
[2] 09:24 1690m<br />
[2] 09:24 1690m
[3] 09:53 1847m<br />
[3] 09:53 1847m
[4] 10:09 1932m<br />
[4] 10:09 1932m

第3リフトトップからスタート。すでに多くの山スキーヤーが準備をしている。トレースも高速道路状に付いており、なんの苦労もない。
まずはオオシラビソの濃い樹間を縫うよう進む。視界は利かず、7年前下りでネコ君と離ればなれになったのを思い出す。そういえばバックカントリー初挑戦のピエールが、まだ大した腕前でもないのに木の間をかいくぐってすごい勢いで滑り抜けていったのもここだ。
しばらく登ると斜度はきつくなり、ジグザクに登るようになる。と同時に視界が開け、目の前に見事な樹氷林が広がる。あまりの素晴らしさに気分も高まり、「ヤベーなこれ」などと若者言葉を独りごちながら登る。

[5] 10:17 1976m<br />
[5] 10:17 1976m
[6] 10:25 1940m<br />
[6] 10:25 1940m
[7] 10:31 1899m<br />
[7] 10:31 1899m
[8] 10:37 1915m<br />
[8] 10:37 1915m

1時間ちょっとで西大巓。西吾妻小屋を経て西吾妻山頂へ続くコルはもちろん、すぐ後ろに磐梯山、西には飯豊連峰、北には朝日連峰、そしてこの吾妻連峰の大樹氷原と、見事な展望が広がる。
西大巓からは小屋・西吾妻山頂方面へ向かうトレースはほとんどなく、ゲレンデトップに滑り降りるトレースばかりだ。ゲレンデに戻るコースは下部は樹が濃いものの上部はかなり魅力的な斜面で、途中で追い越した団体も時間的余裕がなさそうなので西大巓往復になるだろうと言っていた。
風景を堪能したら休憩もそこそこにそのまま西吾妻小屋へ。まずはコルへの下り。シールをはずして思いっきり滑ろうかとも考えたが、糊の効きがいまいちで再接着できるかどうか自信なかったので、シールを付けたまま滑ることにする。
最低部からは西吾妻山方面のトレースをひとつ見つけ、それを利用させてもらう。ずいぶん遠回りしているようだが、、、まあいいや。ラッセルするより楽だろう。
コルから30分ほどで小屋へ。西大巓からはすぐそこに見えたのだが、思ったより時間はかかった。

[9] 10:37 1916m<br />
[9] 10:37 1916m
[10] 10:50 1959m<br />
[10] 10:50 1959m
[11] 11:17 2001m<br />
[11] 11:17 2001m
[12] 11:19 2002m<br />
[12] 11:19 2002m

2週前もやってきたこの小屋であるが、快晴だとまるで印象が違う。天元台からのコースである天狗岩から中大巓方面まですっきり見渡せ、いったいどこでルートを間違うんだという感じだ(間違うどころか、先々週は天狗岩をぐるりと1周しちゃっている……)。
今日は小屋の入り口が開いており、天元台からのパーティが何組かくつろいでいるようだ。私は例によって中に入らず、小屋の脇で昼食。この時に薄い手袋を落としてしまったようだ。落とし物の得意な私であるが、結構久しぶりで物をなくす。

[13] 11:24 2034m<br />
[13] 11:24 2034m

続いて西吾妻山頂へ。山頂を踏むのは初めて登って以来、実に10年ぶりだ。
山頂はだだっぴろく、目印も何もない。10年前は猛吹雪で視界が利かず(東吾妻で大量遭難があった時だ)、たぶんこの辺が山頂なんだろう、という曖昧なものであった。そういう意味では頂上をちゃんと認識するのは7回目にして初めてのこと。
南東にこれから進む二十日平尾根が見えるが、しばらくは斜度が緩くこの雪だと直滑降でないと進めそうにない。対して直下には無木立で適度な斜度の斜面が広がっている。左気味に滑っていけばそのうち正規ルートに合流できるだろうということで、このまま直下を滑り降りることにする。

[14] 11:37 2029m<br />
[14] 11:37 2029m
[15] 11:42 1977m<br />
[15] 11:42 1977m
[16] 11:42 1964m<br />
[16] 11:42 1964m
[17] 12:11 1737m<br />
[17] 12:11 1737m

ということで滑降開始。先月の若布平ほどではないがなかなかの雪だ。
続いてオオシラビソの樹林帯に突っ込む。木は濃い目だがそうひどいこともない。樹間の広いところを選んで快適に滑る。
が、標高1550mくらいまで下ると斜度はほとんどなくなる。この雪で先行者のトレースがないともう全然滑らない(たぶん若布平もトレースがないとこんな感じなんだろうが)。 ここが最大のネック。しばらくこの状態が続き、いっそのことシールを付けた方が楽なのでは?と思うほどだ。

[18] 12:27 1587m<br />
[18] 12:27 1587m
[19] 12:52 1546m<br />
[19] 12:52 1546m
[20] 13:03 1530m<br />
[20] 13:03 1530m
[21] 13:06 1437m<br />
[21] 13:06 1437m

P20の手前でやっと緩斜面から解放。一気に視界が開け、スキー場も見渡せるようになる。当初は高度が下がるにつれ木が濃くなって滑りにくくなるのではないかと想像していたのだが、イヤイヤここからがメインと言っていい最高の斜面なのであった。日当たりが良く高度も下がっているため多少雪は重めだが、シュプールのまるでないブナの疎林帯を思うがままに滑ることができた。
途中ルート図通りに左岸に渉り、斜度は緩むがそれでもまだまだ快適な斜面を滑る。そうこうするうちにあっという間に二十日平だ。

[22] 13:18 1266m<br />
[22] 13:18 1266m
[23] 13:31 1152m<br />
[23] 13:31 1152m
[24] 13:34 1139m<br />
[24] 13:34 1139m
[25] 13:48 1120m<br />
[25] 13:48 1120m

こちらも斜度は緩いが、雪が落ち着いているので直滑降ですんなり進む。
やがてP23で右岸へ徒渉。すでにあちこち沢が口を空けており、丈夫そうなスノーブリッジを選んで渉る。この辺りでは沢は深くなっており、多少の登り返しが必要だ。
あとは右岸をトラバース気味に板をつけたまま歩く。このまましばらくこんな感じかなあ、イヤだなあと思っていると、山を回ったところでゲレンデが現れた。1/25000の地図には未だグランデコスキー場が載っていないので、どこで合流できるか、もしくは合流できずに車道まで降りるしかないのかわからなかったのだ。ともあれ思ったより簡単にゲレンデに合流できた。
途中の緩斜面がネックとなり最高のコースとは言い難いが、それでもそこそこ手応えのあるコースで、なかなか充実した1日を過ごすことができた。