※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
昨日は山に登らず八戸でリフレッシュ。といっても魚菜小売市場や八食センターで1日中食べまくっていたのでむしろ体は重いのだが、ともあれ本日より東北ツアー最後の目的地、八甲田山だ。
第1候補は酸ヶ湯から入山し、大岳~小岳~高田大岳と繋いで谷地温泉へ下る縦走コース。
このコースは大岳・高田大岳という八甲田山系の中でも最も滑り応えのある斜面を持ち、下山後はそのまま谷地温泉で疲れを癒すことができる。今回のように車2台あればアクセスも楽だし、北八甲田では最も気に入っているルートだ。
朝、谷地温泉に立ち寄り高田大岳や大岳の様子を観察するが、思った以上に雪がなくて唖然とする。少ないとは思っていたが、ここまでとは。
とはいえ、滑降ルートとなる東南斜面・東斜面はそれなりに雪が付いているし、谷地温泉の周りはさすがに雪がないものの、登山道が通っているので途中で雪が切れてもヤブ漕ぎせずに下山できるはず。そう考え、予定通りこのコースを滑ることにする。せっかくここまで来たのだ、多少無理してでもお気に入りのコースを滑りたいではないか。
谷地温泉に車1台をデポし、もう1台で酸ヶ湯公共駐車場へ。
広い駐車場はガラガラで数台の車が止まっているのみ。もちろんGW明けの平日だからではあるが、酸ヶ湯温泉旅館の駐車場の方はいっぱいだったので、やはり雪不足でスキー入山者が少ないという理由もあるのではないだろうか。
08:44 901m 酸ヶ湯公共駐車場発。
この辺りの雪は半ば解けていて登山道が出ているため、出だしからさっそくシートラーゲンで登山道を歩く。
ただ、登山道上はところどころ雪が残っていて歩きやすいとはいえず、そもそもどこが登山道かわかりにくい。
ほどなく雪がつながってきたのでトレースなどを頼りに雪の上を歩くようにするが、その結果だいぶ北側に寄ってしまい、揚げ句の果てにヤブが立ち塞がり右往左往するはめに。
以降はちゃんとGPSに設定したルート通りに歩くことにする。
途中からはしっかり雪もつながるようになるが、いつまた切れるかもしれないので板は担いだままだ。
09:28 1074m 地獄湯ノ沢合流。ここから仙人岱までは沢底のルート。
沢の中もしばらく雪は続いていたが、登山道と合流するところで完全に雪がなくなる。「地獄湯ノ沢」の名の通り地熱のせいだろうか。
以降は登山道歩き。登山道とはいえ、いかにも火山といった感じで石がゴロゴロ堆積しているためテレマークブーツでは少々歩きにくい。
10:13 1314m 仙人岱。
この辺りは広い雪原となっており、その先に大岳や小岳が見えるようになる。
目指す大岳は東南斜面こそ雪が残っているものの(たぶん北側も残っているとは思うが)、登山道のある南斜面なんかはまるで雪が付いていない。
以前来た時はこの東南斜面をシールで登っているが、ここまで雪が少ないと登山道を使った方が効率的。なので南斜面の登山道に向かってシートラーゲンのまま雪原を歩く。
しばらくは問題ないが、雪が切れ始めてからは相変わらず厄介。登山道を外して雪が切れるとヤブ漕ぎになるし、その登山道も半ば埋もれているためしばしば見失う。雪があるかないかどちらかにしてほしい。
1450mで雪が完全になくなり、以降はジグザグに作られた登山道を登る。ここは整備されていてテレマークシューズでも登りやすい。
10:56-11:17 1582m 八甲田大岳。
八甲田山系の最高峰とあってここからは北八甲田や南八甲田の山々が一望にできる。
西には岩木山、北には意外と間近に陸奥湾なんかも。
南八甲田の方はまだそれなりに白く見えるが、北八甲田は悲しいほど雪が少なく、ロープウェイ山頂駅からの酸ヶ湯ルート、城ヶ倉ルートなんかはどう見ても滑れそうにない。実際GWのかき入れ時を前に閉鎖されたようだ。
他のツアールートの様子はここからでは確認できないが、登ってきた酸ヶ湯ルートの感じからしても、さほど期待できるものではないだろう。
これでは人が少ないのも当然で、実際、今日はここまで人の姿を見ていないし、ロープウェイのある田茂萢岳など周囲の山々を見ても人がいる気配はない。
基本的に静かな山は好ましいものだが、これほどの人気ルートでここまで人がいないと、スキーシーズンはもう終わりかと寂しく感じてしまう。
休憩後、滑降ポイントとなる東南斜面の雪渓まで移動。登山道はなく、すりばち状の爆裂火口の淵を通っていくことになる。火口はまだ雪が残っているので問題ないが、その先の雪渓までは雪が切れ、ほんの数メートルながらヤブ漕ぎも必要になる。
11:35 1530m 東南斜面雪渓上端。ここから本日最初の滑降。
滑りやすい雪質で、景観も良いので非常に楽しい。八甲田山系の中でも鉄板の斜面の一つだ。
しかしコルまでの標高差はたかだか200m余り。快適な斜面だけに、満足感よりむしろ物足りないという思いの方が残る。
11:39-11:44 1337m 大岳・小岳コル。
ここで滑降は終了。引き続き板を背負って小岳へ取り付く。
ちなみに前回来た時は小岳山頂まで登らず、北斜面から回り込んでシールのまま高田大岳コルまで下った。時間は短縮できたかもしれないが、一方でちゃんと山頂からシールを外して滑れば良かったとも後悔した。
なので今日は素直に小岳山頂まで登る。
小岳への登山道は南西斜面に作られているが、今いる北西斜面の方も途中まで雪が付いているので、しばらくはこのまま雪の上を適当に登っていける。
が、1400m付近で雪が途切れる。北斜面は雪が付いていそうだったのでそちらから回り込もうとしたが、途中でヤブ漕ぎになって断念。やむなく南側に移動し、登山道から登ることに。
しかしその登山道がなかなか見つからない。GPSを使用しているのだが、ヤブや残雪で隠れたりしていて、わずか数メートルずれているだけでわからなくなるのだ。
この辺りのはず、というところをウロウロしてようやく発見。後は登山道をすんなりだ。
12:25 1476m 小岳。
こちらも山頂そのものは雪がなかったが、ちょっと東に進むとすぐに雪が現れ、さっそく滑降できるようになる。
尾根の中心線上はすでに雪が消えているが、両端はまだ雪が残っているのでなんとか滑れそう。
この斜面は傾斜が緩めで大岳のような豪快な滑りはできないが、雪が良くて自由自在にターンが決まるので非常に楽しい。
途中からはオオシラビソも点在するようになり、いかにも八甲田山といった斜面になる。先ほどの大岳のような無木立大斜面も良いが、この時期はこういうオオシラビソの疎林帯の緩斜面のほうが好みだったりする。
12:36 1319m コルの手前300mで滑降は終了。残念ながら途中で雪がなくなりコルまでは滑りきれなかった。
ここから高田大岳までは登山道が通っている。最初はなかなか見つけられずにウロウロするが、ほどなく発見し、再び板を担いで高田大岳を目指す。
コルから高田大岳西斜面下部にかけては雪が残っているため、登山道(があるはずのところ)から離れないよう雪の上を登る。
1430mで雪が消え、GPSを頼りに登山道を探す。実はちょっと前にも一度雪が切れて登山道を探したのだが、樹林帯ということもあってか自分のGPSの精度では見つけられず、代わりにダマの最新のGPS「オレゴン650」がピンポイントで探し当ててくれた。なので今度もダマのGPSが頼りだ。
登山道までは30mほど。わずかな距離ながら、ひどいヤブ漕ぎになって苦労する。
登山道に出てからは順調。ほどなく東西に長い高田大岳の西端に出る。
ここから東側の三角点までは平坦な登山道を150mほど。ハイマツの切り開き道で本来は苦労するようなところではないが、枝が伸びまくっていて体中に当たり、痛い思いをしながら歩くことになる。
14:08-14:11 1551m 高田大岳。
山頂からは谷地温泉の屋根が望める。下部は雪がなく完全に緑に包まれているが、割りと手前まで白い雪もチラホラ見える。これなら思ったより下まで滑れるかもしれない。
それは良いのだが、問題はこの山頂直下。尾根が邪魔ですべてを見通すことはできないが、見渡す限り一面のハイマツ帯。道路から見えたあの雪渓はどこにあるのか。
ただ、前回来た時も山頂には雪はなく、登山道を15mほど下ったところから雪渓が始まっていた。今回もきっとそうだろうと信じ、登山道を下る。
が、いくら下っても雪渓など陰も形もない。
これだけハイマツが密生していると登山道を離れて雪渓を探しに行くこともできず、もはや登山道を下る以外にない。
ちなみに後でわかることだが、滑降ルート(雪渓)が登山道沿いにあると思ったのがそもそもの間違いで、登山道は東南尾根のちょっと西側に作られているのに対し、雪渓はその東側にあったのだ。わずかな距離だが、尾根の向こうなのでこれでは見つけられない。
しかもこの登山道、つい最近まで雪に埋もれていたので、整備されておらずに枝が伸びまくっており(点線ルートなのでそもそも整備されないのかもしれないが)、しかも雪に押しつぶされた形状のまま、登山道を塞いでいる。
足下を探るとかろうじて切り払われていることはわかるが、人が通れるスペースなんてほとんどないのだ。
ハイマツ帯を抜ければ少しはマシになるのではないかと、それを信じてともかく下り続ける。
1450mくらいでやっとハイマツの植生を抜け、笹薮とダケカンバの雑木帯に。しかしここからがさらに大変。自分の背より高い木々に囲まれ、どこが登山道かわからないところすらあり、ほとんどヤブ漕ぎと変わらない。
ザックに付けたスキー板も邪魔になるし、四つん這いで後ろ向きになってなんとか進めるようなところもある。
もはや滑れなくてもいいから普通の登山道を下りたいと思ったほどだ。
15:34 1217m ここで登山道が東南尾根の東側に出て、やっと雪渓に合流。
見上げると頂上近くから雪渓がしっかり繋がっており、雪渓に出れたうれしさ半分、悔しさ半分。本来なら数分で下れるところ、1時間半近く費やしてしまった。
雪渓は荒れまくっていて滑りにくいが、もはや何の文句もなし。滑走の楽しさなんてどうでもよく、ヤブ漕ぎせずにどんどん下れるだけで幸せに感じる。
標高1000mくらいで傾斜は緩くなり、雪渓もまた小さくなるが、なんとか沢沿いに細々と繋がっている。これはちょっとうれしい誤算。
標高930m、沢が深くなるところで沢を離れ、974点を巻いて右岸斜面へ。ここからはブナの疎林帯となる。
これまでのように細々とではなく雪はしっかり残っているが、芽鱗が一面に散らばっていて板はろくに滑らない。でもまぁここまで雪が残っているとは思っていなかったので、むしろラッキーという感じだ。
途中2回ほど雪が切れて板を脱ぐが、ギリギリまで雪を拾って滑り続ける。
16:31 839m ここで滑降は終了。谷地温泉までまだ標高差で50mほどあるが、むしろよくぞここまで滑れたというところだろう。
登山道からさほど外れていないはずなのでダマの高精度GPSを頼りに登山道を探すが、今度は見つからず。後でGPSログを確認したところほとんど登山道と重なっていたのだが、全然わからなかった。
しかしまぁこの辺りはブナの疎林帯で、下生えは少ない。登山道がなくてもさほど問題なかろうと、谷地温泉に向かって歩き続ける。
最後の最後、もうまもなく到着というところで一瞬ヤブが濃くなり、それを無理やりかき分けて進むといきなり湿原のど真ん中に出てしまった。水は浅くテレマークシューズで歩けないことはないが、水芭蕉が咲きまくっており、まさかそれを潰しながら歩くわけにはいかない。
結局湿原の周りをヤブ漕ぎしながら、なんとか谷地温泉に到着する。
ちなみに谷地温泉は改築休業中。冬の積雪で男湯が倒壊したらしい。さらにこの5月で経営譲渡するとのことで、6月のオープンに向けてリニューアルしているのかもしれない。
とても楽しみにしていたので非常に残念だったが、外来入浴ぎりぎりの時間だったので、営業していてもそもそも入れなかったかもしれない。
(2015/05/08)
八甲田山から青森市内に向かうR103バイパス沿いにある日帰り温泉施設。
時間が遅くて八甲田山麓の温泉に入れなかったため(どの温泉も外来入浴終了時間が早い)、やむなく青森市内に向かう途中で偶然見つけたこの風呂に入ることになった。
石鹸・シャンプーは置いてない。他の青森市内の日帰り温泉施設もそうだったので、青森ではそれが一般的なのかもしれない。
それは別として、アクセスは良いし、広くてきれいなので決して悪くはないのだが、青森まで来てこんな普通の風呂に入るしかないというのが残念すぎる。
ちなみに最初は青森I.C.近くの「三内温泉三内ヘルスセンター」を目指していたのだが、後で調べるとここは八甲田山麓以上に強烈な泉質の温泉らしい。こちらにすればよかったと今さらながら後悔。
(2015/05/08)
この日は青森市内のホテル泊だったためゆっくり郷土料理を食べれると楽しみにしていたが、時間が遅くなってしまい、目を付けていた店はほとんどが営業終了前。唯一アウガ地下の「りんご箱」は時間的に大丈夫だったはずなのだが、こともあろうか土曜日だというのに清掃で休業している。
で、仕方なくアウガの向かいにあったこの店に。
居酒屋チェーンではあるが、「八戸ならではの海鮮料理が満喫できる居酒屋」ということで、なにより青森市内では珍しくせんべい汁を食べられるのがよい。
まあ海鮮料理は八戸直送といえど東京で食べるのとそれほど変わりはない。せんべい汁を食べれたので良しとしよう。
特に鯖のせんべい汁は初めて食べた。船場汁にせんべいを入れたような感じで、あっさりしていて割りといける。
地鶏のせんべい汁のほうは良くあるパターンだが、ちょっとしょっぱかった。自分は濃いめの味付けでも大丈夫なほうだが、それでも今ひとつ。
ただ、この時はメニューうんたらより眠くて疲労困憊しており、エナジードリンクが置いてあったので酒代わりに飲みまくっていたくらい。あまり食事を楽しめる状態ではなかった。