2014/05/04 鳥海山(吹浦口)

目的地
鳥海山
地域
東北中部
日時
2014/05/04
コース
吹浦口~千蛇谷~鳥海山(新山)往復
メンバー
ダマ
装備
MADSHUS:EPOCH('13)/22 Designs:TeleBulldog, Scarpa:T2('13)
天気
快晴

コースデータ

コースタイム
吹浦口駐車地点[9:13]↑[10:58]御浜小屋↑[11:43]七五三掛↑[13:17]鳥海山(新山)[13:50]↓[14:20]扇子森コル↑[14:36]扇子森↓[15:05]駐車地点
山行時間
05:52
実移動時間
05:11
最高高度
2227m
最低高度
1069m
累積標高差(登り)
1395m
累積標高差(下り)
1397m
移動距離
14.01km
平均速度※1
2.7km/h

※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度

グラフ

記事

GW東北遠征2日目は鳥海山。吹浦口から山頂を狙う。
鳥海ブルーラインは8時にならないと夜間通行止めが解除されないので、あまり急いでも仕方ない。酒田まで出向いて人気の海鮮料理屋「とびしま」で朝食をとる。
しかしGWゆえ長蛇の列ができていて、食事を終えて吹浦口駐車場に着いた時にはもう9時過ぎ。まあ今日は下山後の移動がないので多少遅くなっても構わない。ゆっくり行きましょう。

吹浦口駐車場はすでにいっぱいで、やむなくその先に路駐する。ちなみにブルーラインを秋田側にもう少し走ったところに鉾立口があり、観光施設があるなど夏期登山はそちらの方が一般的なようだが、今の時期は途中雪が切れている個所があるそうだ。

09:23 1113m<br />
09:23 1113m
09:59 1393m<br />
09:59 1393m

9:13 1071m 吹浦口出発。
道路からいきなり5mほどの雪の壁を越える必要があるが、すでに階段状に雪が崩されているため問題はない。GW前半などはこの壁を登れずに鉾立口に移動した人もいたようだ。

まずは1395点に向け標高差250mほどの斜面をシール登行。上部は多少急勾配になるが、シールで十分登行可能。鳥海山山頂となると結構険しいイメージがあるが、実は本日のコースではここが最も傾斜が強いのであった。

10:27 1555m<br />
10:27 1555m
11:00 1699m<br />
11:00 1699m

登り切ると広大な緩斜面。正面に笙ヶ岳などの西鳥海のピークが望めるようになる。そちらに向かって歩いている人もいるため一瞬方向を間違いそうになるが、GPSで確認すると目指す新山はもうちょい左だ。実際多くの人がそちらに向かって歩いており、よく見ると赤旗も並んでいる。

10:51 1701m 鳥海湖外輪。
ちなみに鳥海山は西鳥海と東鳥海の2つの火山に分かれており、それぞれに外輪山と中央火口丘を持っている。この鳥海湖外輪は西鳥海の外輪山に当たり、目指す鳥海山山頂(新山)は東鳥海の中央火口丘だ。
ここで初めて鳥海山山頂が姿を現す。荒々しく岩と雪をまとった新山が巻き貝のように千蛇谷にくるまれていて、祓川から仰ぎ見るような単純な形とは違ってなかなか恰好いい。しかしまだ遠いな。
ここから鳥海湖外輪上をちょっと歩くと御浜小屋。過去2回吹浦口から登ったことがあるが、ひどいガスだったこともあり、いずれもここをゴールとしていた。それでも十分楽しかったのだが、今こうして来てみると、ゴールどころかやっとアプローチを終えたという感じだ。
ダマはここまでスキーアイゼンを装着しているが、この緩斜面ではかえって歩きづらいはず。この先しばらくは鳥海湖外輪上の歩きとなり、ほとんど傾斜はない。スキーアイゼンは外したほうがよかろう。

11:14 1725m 扇子森。
ここから標高差60mの下り。ルート設定しているときはここまでの下りは気づかなかった。帰りの登り返しが面倒だ。

11:35 1760m<br />
11:35 1760m
11:47 1800m<br />
11:47 1800m

11:43 1790m 七五三掛(しめかけ)。
広く眺めもいいので無雪期には絶好の休憩ポイントになるらしく、今日もまた多くの人で賑わっている。

ここから東鳥海の外輪山をトラバースで越えて千蛇谷に入るのだが、どちらかというと正面の文殊岳を登っている人の方が多い。こちらも外輪山経由で山頂まで行けるのだが、板を担いで岩稜を歩かなければならず、この時期はシールで歩き通せる千蛇谷のほうが一般的なはず。たぶん山頂まで行かずに文殊岳から滑るのだろう(ちなみに後日調べるとその通りで、他にトラバースを嫌ってやむなく尾根コースを登ったという人もいた。結局断念したようだが)。

さて千蛇谷へのトラバースだが、先行者は板を担いでアイゼンで歩いており、七五三掛にいる他パーティーもまた担ぎ上げの準備をしている。
はてスキーを脱ぐ必要はあるのだろうかとシールのままちょっと歩いてみると、確かに雪は硬いものの、昨日の暖かい時間に付いたであろうトレースが残っており、エッジは十分引っかかる。そもそもスキーのエッジは非常に強力で、トラバースするだけなら相当なアイスバーンでも歩けるものだ。
ということで我々はシールのままトラバース。アイゼンの連中は苦労しているので、たぶんこのほうが楽だったろう。ダマも無難に歩いてくる。

12:10 1859m<br />
12:10 1859m
12:44 2043m<br />
12:44 2043m

11:56 1800m 千蛇谷。
外輪山と中央火口丘(新山)に囲まれた馬蹄状の谷で、同形状の妙高山や黒姫山に比べると遥かに広々としている。
この風景を「日本離れした」と形容する記事を見かけたことがあるが、少々大袈裟ではあるようだ。しかし荒々とした外輪山内壁や、遥か下まで広がる長大なスロープなど、なかなか雄大な光景ではある。いずれにしろスキーで滑るには実に快適そうだ。

ここからはこの緩やかな斜面を淡々と登っていくだけ。しかし昨日の疲れもあってかペースが上がらず、こんな斜面でも休み休みになってしまう。
ダマは昨日の疲れなどなかったかのようにどんどん先へ行く。やはりフルマラソンを走るやつにはかなわない。

13:07 2157m<br />
13:07 2157m
13:10 2166m<br />
13:10 2166m

目指す新山は左前方すぐ目の前。どこか途中で谷を抜けて南西斜面から取り付くのかと思われたが、まだまだ谷の中を登る様子。多少遠回りだが、確かにそのほうが楽ではある。
結局このまま90度回り込んで馬蹄型の谷の最奥まで登り、そこから新山に取り付くことになる。
七高山など外輪山から新山に登る場合もいったんここに下りることになるため、矢島口(祓川)からの登山者などたくさんの人がいる。

この先も新山山頂までシールのまま苦もなく登ることができる。切り立った岩峰なので途中で板を担いで登る必要があると思っていたが、これはけっこう意外だった。

13:34 2221m<br />
13:34 2221m
13:48 2223m<br />
13:48 2223m

13:18 2224m 新山山頂広場。
夏の写真を見ると、この新山は鬼ヶ島のように(?)トゲトゲした溶岩ドームになっていて、ゆっくりできる広場があるようには見えない。しかしこの時期は全体的に雪で埋まって平坦になっていて、その中にところどころ10mほどの瓦礫の尖塔が突き出ている感じ。その尖塔の一つが山頂だ。
自分もせっかくなので広場に荷物をデポし、山頂となっている尖塔の上まで写真を撮りに登る。ダマは面倒くさがって広場に居座ってゆっくり昼食。

13:49 滑走開始。
谷の中を登ってきたので気づかなかったのだが、南側ちょっと下ったところが広場になっていて、大物忌神社が建っている。帰りはこの神社横の急斜面を滑って谷まで下りる。

13:53 2122m<br />
13:53 2122m
13:56 2013m<br />
13:56 2013m
13:59 1899m<br />
13:59 1899m
14:01 1859m<br />
14:01 1859m

そして千蛇谷の滑降。傾斜はさほどないのだが、これが抜群に楽しい。とにかく圧倒的に滑りやすい雪質なのだ。ゲレンデでもなかなかこうはいかない。自分は疲れやすくてちょっと滑るとすぐ休むことが多いのだが、これだけ滑りやすいとロングピッチで滑っていける。
ダマもまたとても楽しそう。見えなくなる寸前まで一人ずつ交互に滑り、互いに写真を取り合う。こんなことするのは初めてだ。

しかしいつまでも滑り続けるわけにはいかない。途中で谷を出て御浜神社のほうに戻らなければならず、トラバースの入口を見逃さないよう注意する必要がある。
明日は中島台へ滑り降りる予定なので、この斜面をどこまでも滑っていける。実に楽しみだ。

14:11 1793m<br />
14:11 1793m
14:11 1794m<br />
14:11 1794m
14:16 1794m<br />
14:16 1794m
14:21 1695m<br />
14:21 1695m

14:03 1809m 七五三掛へのトラバース入口。
往路より10mほど上に夏道があり、そこから取り付く。
先行パーティーが担ぎ上げの準備をしているが、我々は当然スキーのままだ。ただしトラバース斜面に出るまでちょっとだけ夏道が露出しているため、そこだけ板を脱ぐ。
朝より雪は緩んでいるので当然スキーで問題なく滑っていけるが、後半は多少登り気味になるため、ステップソールのないダマはちょっと苦労している。

七五三掛の広場を抜けたら、扇子森の登り口まで小ピークをトラバース。ほとんど傾斜はないが、こんなところでもどんどん滑っていけるのでとても楽しい。

14:19 1694m 扇子森登り口。
この程度の距離だとダマは板を肩に担いだまま登る。自分はその状態では長いこと歩けないので板を束ねてザックにたすき掛けする。標高差50m、15分程度の登りだ。

14:53 1455m<br />
14:53 1455m
14:57 1359m<br />
14:57 1359m

14:37 17272m 扇子森。
再びスキーを履き、傾斜のない鳥海湖外輪山上を半円を描くように滑る。

御浜小屋を越えたら第2ステージ。海に向かっての広大なスロープの滑降だ。
もうだいぶ滑ってきた感があるが、まだまだ楽しめる。なにしろかつて自分らもそうしたように、ここをゴールとする人も多いくらいだ。
まずは1395点に向け緩やかな大斜面の滑走。千蛇谷より傾斜は少ないのだが、やはり良く滑る雪質で、ロングピッチで快適に滑っていける。むろんダマも快調で、滑っているところを初めてまともにビデオで撮ることができた。

15:02 1172m<br />
15:02 1172m
15:05 1074m<br />
15:05 1074m

14:55 1395点。
ここから海に向かって最後の滑走。吹浦口駐車スペースのすぐ下に大平山荘も見えるが、そちら側の斜面のほうが快適に滑れそう。これなら大混雑の吹浦口駐車スペースではなく、大平駐車場に停めても良かったかもしれない。
最後の最後で雪は柔らかめとなり、人もたくさん入っているため斜面も荒れ気味になる。といってもここまでのコンディションが良すぎただけであり、最後まで楽しく滑り続けることができた。

さてもう15時を過ぎたが、これから登ろうとする人たちがいる。山小屋があるわけでもないしなんだろうと思ったが、日本海に沈む夕日に向かって滑る写真でも撮るのかもしれない。なるほどそれはここでしかできないことで、なかなかいいかもしれない。

周辺情報

道の駅 象潟「ねむの丘」眺海の湯 ★★★★・
350円

(2014/5/4)
国道7号線沿いにある大きく人気の道の駅で、その4Fに風呂がある。
充実した物産館やレストランを併設し、GWということで広い駐車場はほぼいっぱいだが、風呂は大丈夫だろうと思っていた。
しかし時間が悪かったか4Fフロントも大混雑。どうなることかを思われたが、風呂もまた巨大であり、洗い場も浴槽も十分余裕があるのであった。
名前の通り湯船につかりながら目の前に日本海を望むことができ、設備も充実して値段の安さも東北ならでは。泉質も、好みはあるかもしれないが強めの塩泉で悪くない。
俗っぽくて温泉的な趣などまるでないが、満足感は高い。


海鮮どんや とびしま ★★★・・

(2014/5/4)
  ズケ丼 680円 ★★★★・

酒田港そばの人気の海鮮料理屋。1Fは鮮魚店になっていて、その2Fにある。
朝7時から朝食営業をやっていて、中でもズケ丼が人気の様子。これを食べるため、登山前にわざわざ酒田まで行くことにした。
このズケ丼、食べログの写真なんかを見ると様々な刺身の切れっ端が乗っているようにみえる。が、少なくともこの日はマグロのみ。それでも十分うまかったので、特に不満はない。
GWのこの日は朝7時前から長蛇の列。といっても店内は広く、セルフサービス制なので、回転も速い。せっかくここまで来たのだからと並んで待ったが、その甲斐もあったというものだ。
ちなみに午後の部(11:00~19:00)の通常メニューも魅力的。夕飯もここにすれば良かったかもしれない(象潟にも良さげな海鮮料理はあるのだが、いろいろと大外れだった)。


(2016/5/2)
  ダンディーセット(海鮮丼とサクラマスの煮付け) 1200円 ★★★・・

18時過ぎに入店。GWのこの時間ということもあってか、お勧めメニューはすべて売り切れだった。
前回訪問後、この地方はサクラマスが有名で、しかも煮付けがうまいということを知ったので、この日はそのセットを食べて見る。
まず海鮮丼は普通極まりない。地魚なんかを使った人気の丼は売り切れだったので、これは仕方ないところか。
サクラマスは小骨が多すぎ、おいしさよりも食べづらいことのほうが印象に残った。
この日の食事だと、せいぜい星3つといったところ。


(2016/5/6)
  王様の海鮮丼 1620円 ★★★・・

先日と同様、良さそうなメニューはすべて売り切れ。残りメニューのうち、もっとも豪華そうなこれを頼む。
ウニ、イクラ、カニ、中トロなど高級食材が乗っているので「王様」なんだろうが、ちょっと中途半端。
これなら安くても新鮮な刺身がたくさん乗っていたほうがありがたい。もちろんこれを選んだ自分が悪いのだが。